経営労務情報 平成30年(2018年)3月号

Ⅰ お知らせ◆3月より 「健康保険料」 「介護保険料」の保険料率が下がります。給与の保険料は、「4月に支払う給与」から下げることになります。お客様へは改めてお知らせいたします。
◆本年4月からの「雇用保険料免除(不要)」対象者は昭和29年4月1日以前生の方です。対象者は改めてお知らせいたします。
◆4月から6月に支払う「給与総額」にご注意ください。本年9月から1年間の社会保険料は4月から6月に支払う給与の「平均額」で決まります。この間で残業などの手当が多いと社会保険料が増えてしまいます。
◆4月は入社・異動が増え「年金事務所」への申請が多くなり「保険証」が届くのが遅れてしまいます。早めの連絡をお願いいたします。

Ⅱ 無期転換ルールがスタート
◆「無期転換ルール」とは
平成25年4月の「労働契約法」の改正で、同じ使用者(企業)との「有期労働契約」が「5年」を超えて更新されてきた場合に、労働者からの「申込み」によって「無期労働契約」に転換されるルールのことです。今年4月で5年経過し、いよいよ「申込み」がスタートすることになります。
例えば、「契約期間1年」の場合、5回目の更新後の1年間に無期転換の申込権が発生し、使用者は断ることができません。
◆切り替えを回避する動きも
雇用の安定が目的の制度ですが、再雇用する際に空白期間が6ヶ月以上あると、それ以前の契約期間はリセットされ、通算されないという抜け道もあります。これを利用し、大手自動車メーカーは契約終了後に6ヶ月の空白期間を設けて、無期雇用への切り替えを回避する動きも見られています。
◆「無期雇用転換者」=「正社員」?
もう一つの注意点は、「無期雇用転換者」=「正社員」と考えなくてもよい点です。正社員と区別し別管理をする企業もあり、選択を各企業で決めることになります。考えられる選択肢は
(1)「同一条件で契約期間のみを変更」
(2)「多様な正社員(勤務地、労働時間、職務などに制約を設けた正社員)へ転換」
(3)「正社員へ転換」など。各企業は業務にふさわしい形態を選ぶ必要があります。
◆導入へのステップ
企業が「無期転換ルール」を導入するには、
(1)「有期契約者の実態を調べる」
(2)「仕事を整理し任せる仕事を考える」
(3)「労働条件見直し就業規則を改正する」
(4)「運用と改善を検討し実行する」
といったステップが必要とされています。
人手不足が進む中、より柔軟な人材の登用や、「契約期間の変更」 →「多様な正社員」 →「正社員」といった変更制度を設けるなど、一層の工夫が求められるようになりそうです。

Ⅲ 日本国内で雇用される「外国人数」が過去最高を記録◆外国人雇用状況の「届出制度」
外国人労働者の「雇用管理の改善」や「再就職支援」などを目的とし、すべての事業主に、外国人労働者の雇入れおよび離職時に「氏名」「在留資格」「在留期間」などを確認し、ハローワークへの届出が義務づけられています。
届出対象者からは「特別永住者」「在留資格」「外交」「公用」者は除かれます。
以下は、平成29年10月末時点の届出件数を基準にしています。
◆外国人雇用状況の概要
外国人労働者数は127万8,670人で、前年同期比で19万4,901人(18.0%)増加し、過去最高を記録。増加要因は、
①「高度外国人材や留学生の受入れが進んでいること」
②「永住者や日本人の配偶者等の身分に基づく在留資格者などの就労が進んでいること」
③「技能実習制度の活用が進んでいること」等。最多の国籍は、①中国37万2,263人(全体の29.1%)、②ベトナム24万259人(同18.8%)、③フィリピン14万6,798人(同11.5%)。
在留資格別では、身分に基づく在留資格の45万9,132人(35.9%)が最多、資格外活動(留学)25万9,604人(20.3%)、技能実習25万7,788人(20.2%)、専門的・技術的分野23万8,412人(18.6%)でした。
◆事業所状況
雇用事業所は、全国で19万4,595件。前年同期比2万1,797件の増加し過去最高を更新しました。
都道府県別では、①東京都5万4,020件(27.8%)が最多、②愛知県1万5,625件(8.0%)、③大阪府1万2,926件(6.6%)、
④神奈川県1万2,602件(6.5%)、⑤埼玉県9,103件(4.7%)でした。
◆産業別状況
産業別では、製造業が最多で全体の30.2%が就労していますが、建設業およびサービス業のでは減少傾向です。

Ⅳ 「働き方改革」って、実際進んでいるの?◆企業における「働き方改革」の実態
政府が推進する「働き方改革」の名のもとで様々な「働き方」の見直しが進められています。関連する国の動きや企業事例などがメディアでも多く取り上げられています。
一方で実態が伴わない「働き方改革」に対する批判もあります。実際、企業ではどのように受け止められているのでしょうか。
◆取り組んでいない企業も
株式会社オデッセイによる、全国の人事部門または「働き方改革」に係わる部門に所属している担当者を対象とした「働き方改革に関する意識アンケート」の結果では、約8割が「働き方改革」の必要性を感じていると回答したものの、実際に「働き方改革」に取り組んでいるのは約5割という結果でした。
必要性を感じるものの、実行できていないことがわかります。
◆労働時間の改善、休暇取得促進への取組みが中心
「働き方改革」の具体的に取り組んでいることで最も多かったものは、①「労働時間の見直しや改善」、②「休暇取得の促進」でした。
また「女性の働きやすい環境作り」と「育児・介護中の社員が働きやすい環境作り」という回答も多く集まり、女性を支援する施策に取り組んでいる企業も多いことがわかります。
◆実現にはまだまだ課題も
株式会社リクルートマネジメントソリューションズが、企業の人事制度の企画・運営および「働き方改革」推進責任者を対象に実施した「『働き方改革』の推進に関する実態調査」の結果では、「働き方改革」推進上の課題として、「社外を含めた商習慣を変える難しさ」を挙げる回答が62.1%と最も多く、「現場や他部署との連携が難しい」(54.0%)、「マネジメント難度上昇への懸念」(50.3%)が続いています。
◆自社の現状を踏まえて適切な対応を
人材確保や従業員のメンタルヘルス対策等の面からも、企業の「働き方改革」に対する取組みは今後も重要性が増しそうです。
自社の現状を見極めながら適切な対応を考えていく必要があります。

Ⅴ スポット情報●国民年金未納者の強制徴収 対象者を拡大へ(1月29日)
日本年金機構は、国民年金保険料の未納者の財産を差し押さえる強制徴収の対象を拡大する方針を社会保障審議会で示した。今年4月から、年間所得300万円以上で未納期間7月以上の人とする考えで、対象者は今年度の約36万人から1万人程度増える見込み。

●同一労働同一賃金・残業規制、中小企業への適用延期へ(1月25日)
厚生労働省は、今国会に提出予定の働き方改革関連法案で、中小企業に適用する時期を、①時間外労働時間の上限規制は2020年度から、②「同一労働同一賃金」は2021年度からと、1年延期する方針を固めた。高度プロフェッショナル制度については、従来通り 2019年度。法案の審議入りが予算成立後の4月以降となる見通しで、施行定や就業規則、人事・賃金制度の見直し等の準備期間が  十分に確保できないため。

●公的年金支給額は据え置き(1月26日)
厚労省は、2018年度の公的年金の支給額を今年度と同じに据え置くと発表。物価が上がる一方で賃金が下がったため据え置くこことした。支給額が増える時に伸び幅を抑えるマクロ経済スライドも発動されない。

●40歳以上の転職では賃金減(1月21日)
内閣府が公表した「日本経済2017―2018」(ミニ白書)では、2004年から2016年にわたり40歳以上の転職では賃金が常に減少していることがわかった。29歳以下ではほぼ全期間で賃金が増えており、年齢が転職後の賃金上昇率を大きく左右していると指摘している。2016年の転職者数は7年ぶりに300万人を超え、306万人となっている。

●年金受給開始年齢「70歳超」も選択可能に 政府案(1月18日)
政府が「高齢社会対策大綱案」を示し、公的年金の受給開始年齢について、受給者の選択により70歳超に先送りできる制度の検討を盛り込んだ。厚生労働省が制度設計を進めたうえで2020年中の法整備を目指す考え。

●労働基準監督官 人手不足対応でOBを雇用へ(1月10日)
厚労省は、残業などの監督指導を強化するため、2018年度から監督官のOBを非常勤として雇用する考えを示した。監督官の人手不足に対応するもので約50人の採用を予定。

●未払い賃金請求の時効期間延長について議論開始、厚労省検討会(12月27日)
厚生労働省の有識者検討会は、未払い賃金の「請求権の時効延長」に向けて議論を開始した。現行の労働基準法では、労働者は過去2年分の未払い賃金を会社に請求することができるが、民法改正に合わせて最長5年まで延長するかが焦点となっている。検討会では法改正に向けて議論し、2019年に法案を国会に提出。2020年にも適用する考え。

●労災保険料率を0.02ポイント引下げへ(12月21日)
労働政策審議会は、労災保険の料率を2018年度から全業種平均で0.02ポイント引き下げ、0.45%とする政府方針を了承。労災死亡事故の減少で積立金が増加等によるもので、引下げにより企業の負担は年間約1,311億円軽くなる見込み

経営労務情報 平成29年(2017年)12月号

Ⅰ お知らせ◆賞与の社会保険料率にご注意を(以下は本人負担率です) 厚生年金 9.15 %
健康保険 4.96 %、介護保険 0.825 %(健康保険+介護保険 = 5.785 %)
◆インフエンザのワクチンを接種しましょう。
感染予防、欠勤短縮、早い回復にも効果的です。接種費用の会社負担も可能です。
手洗い、うがいの徹底も大切です。
◆年末調整が始まります。従業員のマイナンバーの取り扱いには十分ご注意ください。
◆本年も1年間、誠にありがとうございました。
年末年始の事故・ケガ・風邪などにお気をつけください。
年末年始休業をお知らせいたします。「29日(金)より新年4日(木)まで」

Ⅱ 中小企業の7割近くが「賃上げ」を 実施、 その理由とは ?◆企業規模別の調査
10月下旬、経済産業省より平成29年度「企業の賃上げ動向等に関するフォローアップ調査」の結果が発表されました。
この調査は、「大企業調査」(東証一部上場企業2,001社のうち364社が回答、回答率18.2%)と、「中小企業調査」(中小企業・小規模事業者30,000社のうち8,310社が回答、回答率27.7%)に分かれています。
◆中小企業が積極的に賃上げを実施
大企業では、常用労働者の賃上げを実施は89.7%(前年度90.1%)、中小企業・小規模事業者では、66.1%(前年度59.0%)となりました。
前年度と比較すると、中小企業が積極的に賃上げを行っている傾向がうかがえます。
◆中小企業が賃上げを実施する理由は?
賃上げを実施した理由のベスト5は、
(1)人材採用・従業員の引留めの必要性(49.2%)
(2)業績回復・向上したため(34.3%)
(3)他社の賃金動向(21.6%)
(4)最低賃金引上げのため (11.4%)
(5)業績連動型賃金制度のため(15.3%)
◆賃金規定、人手不足に関する状況
中小企業・小規模事業者で、賃金表等を含む「賃金規定」を定めているとの回答は61.0%。
「人手不足・人材不足」を感じているとの回答は66.4%、採用活動方法については、「ハローワーク」が最多(78.7%)となっていました。

Ⅲ 来年1月から「募集」や「求人申込み」の制度が変わります!。◆職業安定法の改正
来年1月1日から施行の、募集や求人申込み制度の主な変更点は以下のとおりです◆労働条件の明示について
ハローワーク等への求人申込み、ホームページ等での募集の際、「業務内容」「契約期間」「就業時間」「賃金」といった労働条件の明示は必要でしたが、今回の改正では労働条件に変更があった場合は、「可能な限り」速やかに変更内容の明示が必要になりました。
面接等の過程で労働条件に変更があった場合も速やかに求職者へ知らせる必要があります。
◆追加された明示を必要とする「労働条件」
今回の改正により書面交付を必要とする項目に、「試用期間」、「裁量労働制(採用企業)」、「固定残業代(採用企業の場合)」、「募集者の氏名または名称」、「雇用形態(派遣労働者として雇用する場合」)の明示が追加されました。
◆変更明示の方法
下記の場合は変更明示が必要となりました。
(1)「当初の明示」と異なる内容の場合
例)当初:基本給30万円⇒基本給28万円
(2)範囲のある「当初の明示」の条件を、確定提示する場合
例)当初:基本給25万円~30万円 ⇒  基本給28万円
(3)「当初の明示」の条件を削除する場合
例)当初:基本給25万円+営業手当3万円 ⇒ 基本給25万円のみ
(4)「当初の明示」していなかった条件を追加する場合
例)当初:基本給25万円 ⇒基本給25万円+営業手当3万円
明示の方法は、「変更前と変更後の内容が対照できる書面」、「労働条件通知書で、変更事項に下線を引く、着色する」など、変更内容をより理解できる方法が必要となります。

Ⅳ 「高齢まで働くことができる中小企業」 が 増加中!◆高年齢者の雇用状況
厚生労働省が平成29年「高年齢者の雇用状況」(6月1日現在)を公表。従業員31人以上の企業15万6,113社の状況が報告されました。このうち中小企業(従業員31人~300人規模)の状況も以下のとおりです。
◆「定年制の廃止」、「65歳以上定年企業」
定年制の廃止企業は4,064社(前年比変動なし)、割合は2.6%(同0.1ポイント減)となり、定年を65歳以上としている企業は2万6,592社(同2,115社増)、割合は17.0%(同1.0ポイント増)となりました。
このうち、定年制を廃止した中小企業は3,983社(同1社増加)、2.8%(同0.1ポイント減)でした。また、65歳以上の定年としている中小企業は2万5,155社(同1,968社増)、18.0%(同1.1ポイント増)でした。
◆「希望者全員66歳以上の継続雇用制度導入」
希望者全員が66歳以上まで働ける継続雇用制度を導入している企業は、8,895社(同1,451社増)、割合は5.7%(同0.8ポイント増)となり、このうち中小企業は8,540社(同1,393社増)、6.1%(同0.9ポイント増)という状況です。
◆「70歳以上まで働くことができる」
70歳以上まで働ける企業は、3万5,276社(同2,798社増)、割合は22.6%(同1.4ポイント増)となり、このうち中小企業は3万2,779社(同2,504社増)、23.4%(同1.3ポイント増)という状況でした。
◆労働人口減への対策
以上のように、2025年までに700万人が減ると言われている日本の人口問題を抱え、人手の確保のため、定年制の廃止や、さらなる定年延長を行う中小企業は着実に増加しています。
継続雇用制度の拡大に伴い、「会社諸規則」は定期的な見直しが必要となります。
ただし再雇用に伴う「賃金変更」や「職種変更」を行う場合は、より慎重な検討が必要となります。

Ⅴ ス ポ ッ ト 情 報●「解雇の金銭解決」検討促進を提言 自民党(11月21日)
自民党は、解雇の「金銭解決ルール」の検討を急ぐよう求めることを内容とした政府への提言案をまとめ、政府に申し入れる考えを示した。金銭解決制度があれば雇用の流動性が高まり、成長分野への人材移動が起こりやすくなるとされていますが、政府では本格的な検討が始まっておらず、提言案には「労働政策審議会で速やかに検討に着手する」との文言を明記した。

●大卒内定率が75.2%で過去最高水準(11月17日)
厚生労働省・文部科学省が、来春大卒予定者の就職内定率(10月1日時点)を発表。
75.2%(前年同期比4.0ポイント増)となり、調査開始以降で過去最高となったことがわかった。国公立は73.3%(同5.7ポイント増)、私立は75.7%(同3.3ポイント増)、文系は74.4%(同3.0ポイント増)、理系は78.6%(同7.9ポイント増)となった。

●「マイナンバー」と「年金情報」の連携  来年3月から順次導入へ(11月10日)
政府は、日本年金機構と自治体がマイナンバーを使った個人情報の共有を可能とする政令を閣議決定した。年金事務所での手続きで課税証明書などが不要になったり、自治体で各種手当の申請を行う際にも年金書類が不要になったりする。来年1月から稼働テストを開始し3月から順次導入する考え。

●4割の企業が「面接解禁前」 に内々定(11月7日)
平成29年度の就職活動について、全国の大学でつくる就職問題懇談会と内閣府が企業や学生を対象に行った調査結果を発表し、経団連が定めている採用面接解禁日(6月1日)より前に内々定を出したと回答した企業が39.6%(前年度比4.8ポイント増)だったことがわかった。選考開始時期については「6月」と回答した企業が最多(33.8%)だったが、「5月以前」とする回答が計59.3%だった。

●適職探しの情報サイトを平成29年度にも運用開始、厚労省(11月6日)
厚生労働省は、働き方改革の一環として、就職を控えた学生や求職者が自らに適した職業を見つけやすくするため、インターネット上で職業情報を網羅的に提供するサイトを開設する方針を示した。2019年度末の運用開始を目指すとしている。

●外国人技能実習制度 法施行で新制度スタート(11月1日)
技能実習法(外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)が施行された。技能実習生制度の拡大と実習生の保護強化を目的とするもので、新制度では、優良な管理団体や企業については実習の最長期間が5年(従来は3年)に延長され、技能実習の対象職種に「介護」が加わった。
一方、実習生の保護強化のため、新設した「外国人技能実習機構」 が受け入れ先などを監督し、技能実習計画を審査・認定する体制が整備され、外出禁止などの私生活の不当制限やパスポート取り上げなどの人権侵害行為には罰則が設けられた。

●法人所得が7年連続増 過去最高額に(10月19日)
国税庁が、平成28年度に決算期を迎え、今年7月末までに税務申告があった法人の所得総額が、過去最高の63兆4,749億円となったことを明らかにした。昨年度から3.2%増加して7年連続の上昇。建設業やサービス業が特に伸びた。

●9月の求人倍率は1.52倍 高水準を維持(10月31日)
昭和49年2月以来の高水準を持している。正社員の有効求人倍率は1.02倍で、4カ月連続で1倍を上回った。総務省が発表した9月の完全失業率は、前月と同じく2.8%だった。

経営労務情報 平成29年(2017年)9月号

Ⅰ お知らせ◆ 今年も厳しい 残暑 が続きます。外作業、工場内の「熱中症」には十分ご注意ください。
◆ 最低賃金が、10月より 871円(愛知県) にまた上がる予定です。今年もまた大幅な上昇です。パート募集時の時給や、10月以降の給与計算時にはご注意ください。
◆ 年1回 の 社会保険料 の「定期変更」は、10月 に支払う給与 からです。
「厚生年金」の 料率 も また 上がります。 お客様へは改めてお知らせいたします。
◆ 年金事務所による社会保険「未加入」事業所への「加入促進」が強化されています。 1人以上の法人と5人以上の個人事業が対象になります。 ご不明な点はご遠慮なくお問い合わせください。
◆ 本年も「労働保険料申告」「社会保険算定届」にご協力頂きありがとうございました。

Ⅱ 「人手不足倒産」が増えている! 深刻化する企業の人手不足問題◆「人手不足倒産」増加の状況
人手不足の問題が各方面で叫ばれています。帝国データバンクが7月上旬に公表したデータでは、人手不足による倒産件数は4年前の約2.9倍に増えています。
平成29年上半期の「人手不足」による倒産件数は前年同期比で44.1%増、2年連続の前年同期比増でした。
倒産件数全体では、「人手不足倒産」の割合はまだ小さいですが、業種や倒産する会社の規模に変化が出てきおり、人手不足の影響の広がりが懸念されています。
◆影響が出ている業界にも変化が
人手不足倒産の業種は、以前から「介護事業」や「IT関連」などが高くなっていましたが、近ごろはこれらの資格やノウハウがいらない業種でも人手不足倒産が増えています。
退職する社員が、待遇や給与を理由にして他の従業員を引き抜いて退社し、人材不足から倒産に陥るという事例も見られます。
◆影響が出ている中小企業は約7割
日本商工会議所の調査(全国約 3,500の中小企業を対象)では、「人手不足の影響あり」と回答した企業は約7割に上りました。
具体的な影響は、「売上維持・売上増への対応が困難」53.3%、「従業員の時間外労働増加や休暇取得の減少」48.8%、「業務・サービスの質低下」46.1%となり、人手不足への対応策としては、「既存従業員の多能工化・兼任化」53.5%、「採用活動の拡大」51.6%、「離職防止や新規人材獲得の為の労働条件の改善」38.8%となっています。
◆問題が起きていない企業も他人事ではない
今後、人手不足はさらなる影響の拡大が懸念されます。経済産業省では、昨年10月に『中小企業・小規模事業者の人手不足対応研究会』を立ち上げました。企業も動向も見極めながら、人材確保策を考えていくべきでしょう。

増加する「過重労働」に関する脳・心臓疾患、精神疾患の労災請求
◆平成28年度「過労死等の労災補償状況」
厚生労働省は、過重労働で発症した脳・心臓疾患や、ストレスなどが原因で発病した精神障害に関して、平成14年から、労災の請求件数や支給決定件数などを年1回取りまとめています。今回平成28年度の集計結果が公表されました。
◆脳・心臓疾患に関する労災補償状況
請求件数は825件で、前年より30件増加。支給決定件数は260件で前年比9件増、うち死亡件数も同11件増の107件。
業種別では、「運送業、郵便業」が212件と最も多く、次いで「卸売業、小売業」106件、「製造業」101件と続きます。
年齢別では、「50~59歳」が請求件数266件、支給決定件数99件とともに一番多く、「40~49歳」が請求件数239件、支給決定件数90件と、2番目に多くなりました。
時間外労働時間別の支給決定件数は、「80時間以上~100時間未満」が106件で最多、「100時間以上」の合計件数は128件。
◆精神障害に関する労災補償状況
精神障害の請求件数は、前年から71件増の1,586件と過去最多。未遂を含む自殺件数は前年から1件減の198件。支給決定件数は498 件で前年から26件増加、うち未遂を含む自殺の件数は前年から9件減の84件。
業種別請求件数は 「医療、福祉」302件、「製造業」279件、「卸売業、小売業」220件、支給決定件数は「製造業」91件、「医療、福祉」80件、「卸売業、小売業」57件でした。
年齢別では、「40~49歳」歳の請求件数が542件、支給決定件数が144件と最も多く、次いで「30~39歳」の請求件数が408件、支給決定件数136件でした。
理由別の支給決定件数は、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」が74件、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」が63件でした。
企業側は、事業場の労災事故に限らず、労働時間・働き方等の管理も必要な状況になってきました。

厚生労働省が労働法令違反による送検企業名を H P で公表◆全国の労働局の送検企業を一覧で公表
厚生労働省は今年5月上旬から、長時間労働や賃金不払い、労災につながる安全配慮義務違反などの労働関係法令に違反した疑いで書類送検した企業名を、同省ホームページ(HP)に掲載しました。
最初に掲載されたのは334件で、全国の労働局が昨年10月以降に書類送検した企業・事業所名、所在地、公表日、違反した法律、事案概要などを県別に並べてあります。
各労働局の発表内容を一覧表にまとめて公表したのは初めてです。
◆安衛法違反の事例が最多
リストの内訳をみると、企業が安全対策を怠った労働安全衛生法違反が209件で最も多く、次いで賃金未払いなど最低賃金法違反が62件、違法な長時間労働などの労働基準法違反が60件、労働者派遣法違反19件。
労働基準法違反では、女性社員が過労自殺した電通や、違法残業の疑いで書類送検されたパナソニック、労災事故を隠した疑いで書類送検された日本郵便などの大企業も含まれました。
他に36協定を超える違法残業の疑いで、印刷会社や運送会社などが書類送検されました。同じ会社が複数回書類送検されたケースもあり、地域別では最も多かったのが愛知労働局の28件、次いで大阪労働局の20件、福岡労働局の19件でした。
◆一覧は毎月公表、掲載期間は1年
厚生労働省は各労働局に、企業を書類送検したら公表するよう通達しています。
これまでは報道機関に資料配布だけが大半でしたが、昨年末に発表した「『過労死等ゼロ』緊急対策」の一環として、「一覧表にして社会に警鐘を鳴らす狙いがある」としています。
その後は月に一度内容が更新されています。公表期間は書類送検した日から約1年です。期間中に違法状態を改善した企業名は、ホームページから削除されます。

ス ポ ッ ト 情 報●外国人技能実習生への法令違反事業場が過去最多(8月9日)
厚生労働省は、平成28年に外国人技能実習生に対する労働関係法令違反が発覚した事業場が4,004事業所あり、平成15年以降で最多となったと発表した。
法令違反の内訳では「労働時間」(23.8%)が最も多く、「使用する機械に対して講ずべき措置などの安全基準」(19.3%)、「割増賃金の支払」(13.6%)が続いた。

●長期失業者68万人 19年ぶりの低水準(8月9日)
総務省が今年4~6月の「労働力調査」の結果を発表し、求職期間が1年以上に及ぶ「長期失業者」は68万人(前年同期比10万人減)で、約19年ぶりの低水準となったことがわかった。年齢別では35~44歳の女性の減少幅が最も大きかった。

●正社員の有効求人倍率が初めて1倍超に(7月28日)
厚生労働省は、6月の有効求人倍率(季節調整値)が43年4カ月ぶりに1.51倍(前月比0.02ポイント増)となったと発表した。
また、正社員の有効求人倍率は1.01倍となり、平成16年11月の集計開始以来、初めて1倍を超えた。
また、総務省の発表による同月の完全失業率(季節調整値)は2.8%(前月比0.3ポイント低下)だった。

●児童扶養手当の支給を「年6回」に変更へ(8月14日)
厚生労働省は、低所得のひとり親家庭向けの児童扶養手当について、2ヶ月ごとの年6回支給に見直す方針を明らかにした。
現在は4ヶ月ごとにまとめて支給しているが、小まめに受け取れるようにすることで家計管理を手助けするのが狙い。
自治体のシステムの改修し、平成31年度にも変更される見込み。

●女性管理職が過去最多に(8月10日)
厚生労働省は、平成28年度の女性管理職(課長相当以上)の割合が、平成21年度以降で過去最高の12.1%だったと発表した。
役割別では「部長相当職」が6.5%、「課長相当職」が8.9%と、いずれも前年度より上昇。
産業別では「医療・福祉業」50.6%、「飲食・宿泊サービス業」21.0%で割合が高かった。

●派遣事業の許可基準を緩和へ(8月7日)
厚生労働省は、労働者派遣法に基づく派遣事業の許可基準を緩和し、9月上旬にも適用する方針を固めた。
現状では派遣労働者への賃金支払いを滞らせない目的で「純資産額」や「現預金額」に要件が設けられているが、地方自治体と債務保証や損失補填の契約を結ぶことを条件に、これらの要件を撤廃する。

経営労務情報 平成29年(2017年)4月号

I お知らせ(該当されるお客様へは、改めてお知らせいたします) ◆ 3月より「健康保険料 率」が 下がり、「介護保険料 率」が 上がる 変更となりました。
支払日が4月の給与から(翌月払いは3月分、当月払は4月分)から保険料の変更をお願い致します。◆ 4月の給与より「雇用保険料」が下がります。(詳細は、改めてお知らせいたします)
本人負担率 は、建設業の会社は、0.4%、建設業以外 の会社は、0.3%となります。
◆ 4月の給与より、次の従業員は「雇用保険料」が 不要(免除)になります。
対象者は 昭和28年 4月 1日以前 に生まれた方です。(対象者は 改めてお知らせいたします)
◆ 4月から6月に支払う給与総額にご注意ください。今年9月から1年間の社会保険料は、4月 から 6月に支払う給与の「平均額」で決まります。この間で残業などの手当が多いと社会保険料が増えてしまいます。

Ⅱ 社会保険・納税事務の手続き見直しへ ~ 企業の負担軽減策 ~◆厚生年金、健康保険、雇用保険の申請手続きの一元化を検討
政府は、重点分野の社会保険手続きの見直しで、2割のコスト削減を目標に、ハローワークや年金事務所へ別々に申請する手間をなくし、また許認可の申請様式の統一など、手続きの簡素化に乗り出します。
マイナンバーや法人番号の連携により、重複する書類申請の簡素化を検討することが挙げられています。
◆企業の約半数が行政手続に負担感
昨年11月の調査結果によれば、中小企業の半数近くが、行政手続きを負担に感じると回答しています。
負担の上位は、「社会保険・労務」48.6%、「補助金・助成金」48.2%、「税務申告」45.0%の順でした。
◆負担感は企業規模による違いも
経団連の調査では「調査・統計への協力」の47.8%が最多で、「社会保険」と「納税に関する事務」が同率の46.7%でした。経済同友会の調査では「社会保険」52%、「納税」50.3%、日本商工会議所の調査では「営業の許認可」46.4%、「補助金の交付申請」41.5%の順となっています。
◆住民税の特別徴収手続きの見直しも検討
社員の住む市区町村から届く「住民税課税決定通知書」の送付も、法改正により電子データでの送付が検討される見通しです。

Ⅲ タクシー運転手の「歩合給」をめぐる「注目の裁判」◆「歩合給だから割増賃金なし」は 有効?無効?
タクシー運転手の給与には、一定の「基本給」と 運賃収入に応じて支給される「歩合給制」が多くの会社で採用されていますが、この歩合給制をめぐる注目の判決が間もなく出される見通しです。
今回は運転手など14人が、「歩合給」の計算額から「残業手当相当額」を引く給与規則は無効として、引かれた「残業手当相当額」の支払いを求めています。東京地裁は公序良俗に反するとして「残業手当相当額」の合計約1,500万円の支払いを命じました(国際自動車事件・東京地判平27.1.28)。
◆分かれる裁判所の判断
このような訴訟は現在、第4次訴訟まで提起され、原告も200名を超える大きな訴訟となっています。そのうち第2次訴訟では、「残業手当相当額」を引く計算は労働基準法37条に違反せず、公序良俗にも違反しない(東京地判平28.4.21)としており、裁判所の判断が分かれています。
◆高裁判決も「無効」だが...
第1次訴訟の高裁判決(二審)では、地裁判決(一審)が支持され、会社側に未払い賃金の支払いが命じられたことから、会社側が上告し、現在も最高裁で係争中です。
◆運転手の「残業代計算」に大きな影響が
タクシー運転手の給与では「歩合給制」が採用されているケースが多いため、この事件の確定判決が注目されます。タクシー会社に限らず「歩合給制」を採用されている職種では、自社の「賃金規則」のチェックが必要になってきます。

Ⅳ スポット情報●「雇用保険法 改正案」が 衆院通過 年度内に成立見込み(3月16日)
雇用保険料 の 引下げ などを盛り込んだ 雇用保険法改正案 が 衆議院本会議で可決された。同法案には、育児休業期間を 最長2年 に延ばす 育児・介護休業法改正案や、「残業時間超過企業」 の取締まりを強化する 職業安定法改正案 などを含めた 一括法案で、年度内に成立する見込み。

●「労基署業務」の 民間委託案 に 厚労省が難色(3月16日)
政府の 規制改革推進会議 が、労働基準監督署の業務 を 一部民間に委託する検討会の初会合を開いた。残業規制の強化に伴う労基署の人手不足を解消するのがねらい。6月の答申に委託解禁を盛り込む予定。会合では社労士などへの業務委託が提案されたが、厚生労働省は「複雑な仕事」などとして難色を示した。

●5年ぶり に「実質賃金」が増加(2月22日)
厚生労働省が平成28年の「毎月勤労統計調査(確報値)」の結果を発表し、実質賃金が前年より0.7%増加し、5年ぶり にプラスに転じたことがわかった。名目賃金にあたる 現金給与総額 は 0.5%増加し、3年連続 の増加となった。

●高齢者の「就業促進」のため 官民協議会 を大幅増へ(2月20日)
厚生労働省は、地方自治体が中心となってつくる官民の協議会を、2020年までに現在の15から100に増やす方針を示した。地域の企業などを支援して 高齢者の 雇用増加 につなげたい考え。また、高齢者の 再就職支援を行うハローワークの窓口も 300カ所(現在80カ所)に増やす考え。

●公共工事の「労務単価」を 3.4% 引上げ 3月より適用(2月10日)
国土交通省は、公共工事設計労務単価(国や自治体が公共工事を発注する際に使う労務単価)について、人手不足による賃金の上昇傾向を反映し、全国全職種平均 で 対前年度比3.4%(東日本大震災の被災3県は平均3.3%)引き上げると発表した。1日8時間労働で1万8,078円となり、平成11年以来の高い水準。平成29年3月1日以降に契約する工事から適用される。

●平成29年度「税制改正」関連法案 が 国会提出(2月4日)
今年度の 税制改正に関する法案 が閣議決定され、国会に提出された。法案では、配偶者控除についてパートタイマーなどで 配偶者が働いている場合の 減税枠が拡大 されている一方、 高所得世帯においては控除の 適用を制限する 内容。3月末までに成立の見込み。

●平成29年度「年金額」は 0.1%引下げ 3年ぶりマイナス(1月27日)
厚生労働省から「平成29年度の年金額改定」が発表された。総務省が発表した 「平成28年平均の全国消費者物価指数」 が対前年比で0.1%下落したことを受け、平成29年度の 年金額 は平成28年度から0.1%引下げ となる。 マイナスとなるのは 3年ぶり。

経営労務情報 平成28年(2016年)12月号

Ⅰ お知らせ◆ 賞与を計算される時の、社会保険料率 にご注意ください。(以下は本人負担率です)
夏の賞与時より、厚生年金の料率が変わっています。⇒ ⇒ 厚生年金 9.091 %
健康保険 4.985 % 介護保険 0.79 % ( 健康保険+介護保険= 5.775 % )
◆ 年末調整や法定調書(支払調書)でのマイナンバーの取り扱いが開始されました。
事業所内でのマイナンバーの取り扱いも増えています。マイナンバー担当者を決め、関係書類の紛失がないよう十分ご注意ください。1月からは、厚生年金・健康保険への扱いもスタートします。
◆ 本年もいろいろとお世話になりありがとうございました。年末年始及び冬場の、事故・ケガ・風邪などにお気をつけください。
年末年始の休業は、29日(木)より5日(木)までとさせていただきます。

Ⅱ 平成29年1月より 65歳以上 も加入者へ!今まで加入できなかった65歳以上の方も、雇用保険へ加入することになります。(64歳前からの加入者のみ現在も65歳以上で加入しています)
◆適用拡大に伴い、1週間に20時間以上働く「未加入者」の加入の手続きが必要
1月からは、すでに働いている人で採用時に65歳以上だったため雇用保険に入ってない人や、新たな65歳以上の採用者へも加入手続きが必要となります。(お客様へは改めてお知らせいたします)
◆保険料の免除(今回の加入でも、雇用保険料はすぐには増額しません)
毎年4月1日時点で満64歳以上の方は、本人も会社負担も、現在は雇用保険料が免除されています。
ただし、今回の改正により平成32年4月1日で保険料の免除制度が廃止となり、平成32年4月1日以降は年齢にかかわらず、本人も会社も雇用保険料を負担することになってしましました。
◆雇用保険の給付も対象に
65歳以上の方も「⾼年齢被保険者」として失業給付が受給できるほか、要件を満たすと育児休業や介護休業の⽀給対象となり、また要件を満たせば退職後の教育訓練給付⾦の⽀給対象ともなります。

Ⅲ 売り手市場が続く中、「多様な選考」を検討する企業が増加◆売り手市場が続く!
ここ数年、新卒採用は「売り手市場」が続き、企業は採用活動を活発化させています。日本経済団体連合会(経団連)が会員企業を対象に実施した「平成28年度 新卒採用に関するアンケート調査」(平成28年7月5日~8月22日調査、回答社数709社)では、平成28年4月入社の採用選考を実施した企業(実施予定も含む)の割合は96.8%と高水準で推移。平成29年4月入社については「前年と比べて売り手市場であった」は71.3%と回答、売り手市場の状況は続いていることがわかります。
◆「多様な選考」を提供する企業が増える?
この調査では、「新卒一括採用について」も調査しており、現在は「春季一括採用のみ実施」(45.8%)との回答が最も多かったものの、今後は「春季一括採用に加え、「多様な選考」を設ける」が53.6%と最も多く、「春季一括採用のみ実施」(27.6%)よりもかなり多くなりました。
◆経営環境の変化を踏まえた選考活動の検討
「多様な選考」を設ける理由は、「様々な機会を設けることで優秀な人材を確保しやすくするため」(87.3%)がトップ、「既卒者、留学生、外国人など多様な人材を確保するため」(74.8%)、「経営環境の変化を踏まえ、柔軟に必要な人材を採用するため」(71.3%)となっています。
◆中小企業も柔軟な発想が求められる
売り手市場の中、中小企業でも「売り手市場」「買い手市場」などの動向に惑わされず、長いスパンでみた独自の人材確保策を模索していくことが必要となりそうです。

Ⅳ「定年後、再雇用者の賃金減額」をめぐる裁判で会社側が逆転勝訴◆東京地裁 から 東京高裁へ
今年5月、東京地裁で、定年後に嘱託社員(1年ごとの契約)として再雇用されたトラックドライバーが、定年前と仕事が変わらないにもかかわらず、会社(長澤運輸)が賃金を 約3割 引き下げたことは「違法」との判決がありました。このような正社員と定年後の賃金格差について違反を認めた判決は過去に例がなく、人事労務担当者にとっては大きなインパクトのある判決として受け止められました。
◆11月2日の東京高裁における判断は?
控訴審判決において、裁判長は「定年後、再雇用での賃金減額は一般的であり、社会的にも容認されている」とし、賃金の引下げは違法として差額の支払い等を命じた東京地裁 判決を取り消しました。
しかし、労働者側の弁護士は上告する方針を示しています。
◆賃金の設定には慎重な判断が必要
この裁判は最高裁まで進む可能性があるため、司法における最終的な判断がどのように確定するのかは不明ですが、「東京高裁の判断が妥当」と見る向きが多いようです。
しかし、この事件が 定年後 再雇用者の処遇についてのこれまでの常識(当然のように賃金の引下げを行うこと)について一石を投じたことには間違いはなく、最終的な結論がどちらに転んだとしても、会社としては「定年後の再雇用者の処遇」について、今後は慎重な対応が求められると言えるでしょう。

Ⅴ スポット情報●「年金制度改革関連法 」が成立(12月14日)
将来の年金支給水準を維持するために年金支給額の新たな改定ルールを導入することを柱とする「年金制度改革関連法」が成立した。厚生年金加入対象の拡大も盛り込まれており、平成29年4月から従業員500人以下の企業で 週20時間以上働く短時間労働者も 労使で合意 すれば 厚生年金に加入できる。
また、平成31年4月から、国民年金第1号被保険者の産前産後期間の保険料が免除となる。

●雇用保険料率を 0.6% に引き下げへ 、平成29年度 から(12月8日)
労働政策審議会が来年度の 雇用保険制度改正案 に関する報告書を承認し、来年度から3年間、雇用保険料率を0.2ポイント 引き下げて 0.6% となることが明らかになった。来年の通常国会に関連法の改正案を提出する見通し。

●育児休業期間 を「最長2年」に延長へ(12月7日)
労働政策審議会(雇用均等分科会)が「経済対策を踏まえた仕事と育児の両立支援について(案)」を示し、育児休業期間 の「最長2歳まで」への 延長 が盛り込まれたことがわかった。女性の 離職 を防ぐのがねらいで、来年の通常国会に 育児・介護休業法改正案 を提出して早ければ 来秋にも実施される見通し。

●実質賃金 の伸びが止まる 、9カ月ぶり(12月6日)
厚生労働省が10月の「毎月勤労統計調査(速報値)」を発表し、実質賃金が 前年同月 と比べて 横ばいだったことがわかった。9月まで8カ月連続で前年を上回っていたが、9カ月ぶりに伸びが止まった。
消費者物価指数は 0.1%上昇 した。

●「賃上げ」実施企業 が 過去最高(12月1日)
厚生労働省が 「賃金引上げ等の実態に関する調査」 の結果を発表し、平成28年に 賃金の引上げ を「実施した」または「実施予定」の企業が 5年連続 で増加し、過去最高の86.7% となったことがわかった。1人平均の 改定額(予定を含む)は5,176 円(前年5,282 円)で、前年を下回った。

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