経営労務情報 令和7年(2025年)12月

お 知 ら せ
◆賞与の社会保険料率にご注意ください。
本人負担率は、厚生年金 = 9.15 %
健康保険+介護保険 = 5.81 %
(健康保険5.015%、介護保険0.795%)
・65歳以上は介護保険料が、
・70歳以上は厚生年金保険料が、
・75歳以上は健康保険料が不要になります。
雇用保険料率は以下の料率です。
建設業=0.65%、建設業以外=0.55%
 賞与を払われたお客様はご連絡ください。
◆今の健康保険証は3月31日まで使えます。
 12月2日より原則「マイナ保険証」または「資格確認書」となりますが、今までの「健康保険証」は特例として3月末まで使用が可能となりました。今後「資格確認書」が必要な方で、お手元にない場合はご連絡ください。発行の申請をいたします。
◆扶養家族の見込み収入確認が変わります。
令和8年4月から、健康保険の被扶養者認定における「130万円の壁」の判定方法が大きく変わります。従来の「過去・現在の収入実績」ではなく「労働契約(労働条件通知書)に記載された年収見込み」を基準に判定されるようになります。詳細は追ってお知らせいたします。
◆本年も1年間、誠にありがとうございました。
年末年始の事故・ケガや風邪などにお気をつけください。年末年始の休業を下記のとおりお知らせいたします。

28日(日)より 新年5日(月)まで

外国人労働者に労務管理を
説明する際に役立つ支援ツール

日本の法制度や雇用慣行は外国人にとっては馴染みのないことも少なくありません。そのため厚生労働省から、職場のルールを理由や背景も含めて説明し、理解を深めてもらうことを目的とした支援ツールが出されています。
◆『職場の労務管理に使えるポイント・例文集』
採用、賃金、労働時間など9つのテーマをあげ、雇用管理で実際に想定される場面ごとに、
①外国人社員に説明する前に読んで理解しておくとよいポイント、②実際に外国人の方にそのまま話したり見せたりできるよう「やさしい日本語」による説明の例が紹介されています。
例えば「日本ではあなたに代わって会社が税金や保険の計算をします。あなたのためにしますから、必要な情報を会社に教えてください。」とルビつきで表示しています。
◆雇用管理に役立つ多言語用語集
よく使用する労働・社会保険関係の用語約420語についても、定義・例文を検索できる用語集です。やさしい日本語のほか9言語(英語、韓国語、中国語(簡・繁)、タガログ語、ベトナム語、ネパール語、ポルトガル語、スペイン語、インドネシア語、カンボジア語、タイ語、ミャンマー語、モンゴル語)に対応しています。
外国人労働者に説明する際、理解が難しそうな用語などを検索して、翻訳を提示したり、外国人社員本人が、人事・労務用語の入社前の学習や辞書として活用したりすることが想定されています。
◆モデル就業規則ほか
厚生労働省のモデル就業規則は外国語版も出されています。そのほか、日本国内で働く外国人の方に向けた「労働条件ハンドブック」や外国人労働者の労災防止に役立つ教材、資料も整備されています。

通勤手当の非課税限度額の変更

◆令和7年分年末調整における改正事項
 今年の年末調整は、(1)「基礎控除」や「給与所得控除」の見直し、(2)「扶養親族等の所得要件」の改正、(3)「特定親族特別控除」の創設、が決まっています。また、「通勤手当に係る非課税限度額が4月に遡って改正されま したので年末調整での対応にご注意ください。
◆令和8年4月以降の更なる改正も検討
 通勤手当の更なる改正について「令和8年4月から上限を『100㎞以上』とし、『60㎞以上』の部分について5㎞刻みで新たな距離区分を設ける」、「1か月当たり5,000円を上限とする駐車場等の利用に対する通勤手当を令和8年4月から新設する」などが上がっています。

高年齢者の労働災害防止対策
ガイドラインを指針に格上げへ

◆高齢者の労働災害防止の推進
令和7年改正の労働安全衛生法では、「高年齢労働者の労働災害防止の努力義務化」が盛り込まれました。この改正で国が当該措置に関する指針を公表するとされ「高年齢労働者の労働災害防止対策に関する検討会」で取り上げられています。
◆ガイドラインが指針に格上げ
労働災害防止対策としては、「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(令和2年3月策定)が公表され取組みが促されてきました。法的根拠のない現行のガイドラインから法律に基づく指針に格上げし、現行のガイドラインを廃止するとしています。
現行のガイドラインが基本とされるようですが、新たな追加修正項目として以下のような点が挙げられています。
・経営トップによる方針表明及び体制整備
・危険源の特定等のリスクアセスメント実施
・高年齢労働者の体力の把握方法
・高年齢労働者の体力に応じた対応
・安全衛生教育
◆早めの取組みを
企業が「労働災害防止対策に取り組んでいない理由」として、「自社の60歳以上の高年齢労働者は健康である」と回答した企業が約半数を占めています。身体機能の低下による労働災害のリスクへの理解が進んでいないことが指摘されます。高齢化が加速する中、企業としては高年齢労働者の労働災害対策は避けては通れない課題です。早めの取組みを検討したいところです。

「離職予測分析」サービスとは

離職予測分析とは、従業員の離職可能性をデータに基づいて予測する分析手法です。
勤怠データや人事評価などを活用し、統計分析やAIモデルによって離職リスクの高い従業員を早期に特定し、適切な対策を実施することを目的とします。近年こうしたサービスが増加しています。
◆高品質なデータの重要性
分析の成否は、データの質と量に大きく左右されます。例えば、勤怠データ収集では、出退勤時間だけではなく、残業時間の推移、遅刻・早退の頻度も必要です。これらのパターン変化は離職の前兆となることが多いからです。
従来残業を嫌がらなかった従業員が急に定時退社するようになったり、有休の申請が急増したりするなどは離職リスクの指標と考えられます。ただしこれらは組織文化や制度の変更によっても生じるため注意が必要です。
◆質的データの活用
定量的データと併せて質的データも重要です。従業員満足度調査やエンゲージメント調査により、仕事への満足度、上司との関係性、キャリア展望を測定します。退職者面談のデータは離職要因の理解に重要であり、在職中の面談データと併せた分析が必要です。
◆継続的なメンテナンスの必要性
精度の高い予測には、労働環境や従業員の価値観の変化に応じたデータ項目の新設、収集範囲の拡張、データ形式の標準化など、データ品質を保つための定期的なメンテナンスも必要です。会社の人事制度と同様に「一度作ったら終わり」ではありません。また、プライバシー保護や利用目的の制限についての配慮も不可欠です。
離職予測分析サービスを利用しない場合でも、こうしたデータの把握は有益な視点となるでしょう。

「地域若者サポートステーション」
サイトがリニューアル

 働く一歩を踏み出したい若者の就労を支援する「地域若者サポートステーション(サポステ)」の特設サイトがリニューアルされました。
◆地域若者サポートステーションとは
 15歳から49歳までの様々な事情を抱える若年無業者を対象に、働くことへの悩み相談から職場定着等までサポートする厚生労働省委託の支援機関です。令和6年度ではサポステは全国179カ所、総利用件数はのべ49.5万件、就職等率は73.7%でした。面接や履歴書の指導を行う就活セミナーのほか、就職に必要な基礎能力講座など、各種支援や、就職後の相談を通じた定着・ステップアップ支援も行っています。
専門家との面談等を通じてポート内容を決定し、若者の職業的自立を継続的に支援することを目的としています。
◆企業協力とそのメリット
 各種機関・団体と連携して職場見学や職業体験を行っており、職業体験の受け入れ企業も募集しています。企業の求人ニーズ等も踏まえた体験内容を策定でき、利用者の特性や配慮点についての情報を事前に知ったうえで職業体験の受け入れを行えるためミスマッチの少ない雇用機会に繋げることが可能です。
 人手不足等が大きな課題となる昨今では、公的な支援機関と連携し、企業と労働者の両方が実際の就労状況を確認したうえで雇用に繋げることができる機会の活用は、有効な一手となりえるでしょう。

若い世代が考える
仕事と育児の両立

厚生労働省の広報事業「共育(トモイク)プロジェクト」は7月30日、15歳から30歳の若年層1万3,709人を対象に実施した「若年層における仕事と育児の両立に関する意識調査」(速報)を公表しました。
結果は、若年層の64.8%が「共育てをしたいが、実現のためには社会や職場の支援が必要」と回答しました。共育ての必要性は広く認識されているものの、制度や環境面での支援整備が課題として浮き彫りになりました。
また育児や家事の分担については約7割が「性別は関係ない」と回答し、男女の役割に関する意識変化が明確です。
※「共育て」とは、父母が協力し合って、家事・育児に取り組むことをいいます。
◆育児休業取得意向の高さと理想の働き方
育児休業の取得意向は高く、若年社会人の71.8%が育休取得を希望しています。そのうち約8割が「1か月以上の育休取得」を希望していました。理想の働き方は「仕事と家庭の両立」や「柔軟な働き方」を重視する傾向が強く、理想の働き方が実現した場合に「仕事のモチベーションが高まる」と回答した割合は74.4%にのぼっています。
一方、理想の働き方ができていない若年層は、子育て期間中の離職意向が理想の働き方ができている層に比べて24.3ポイント高いことも明らかになりました。
◆企業に求められる具体的支援策
若年層が理想の働き方を実現するために望む支援としては、「残業時間の抑制」(22.3%)、「在宅勤務の活用」(22.1%)、「有給休暇の取得促進」(21.6%)が挙げられています。
これらの支援は離職抑止や働きやすさ向上に寄与すると考えられます。
また厚生労働省の調査によれば、2024年度の男性育児休業取得率は40.5%で、2025年度には50%の取得率達成を目指しています。
若年層の育児や共育てに対する意識の変化に合わせ、企業側は制度の充実と職場環境の整備を一層進める必要がありそうです。
仕事と育児の両立は、個々の社員だけでなく、企業の持続的な成長や社会全体の活力にも影響を与える重要なテーマです。今後も若年層のニーズを踏まえ、多様な働き方と支援体制の構築が求められます。

ス ポ ッ ト 情 報

●農林水産業も労災保険義務化の方針(11/20)
厚労省は20日、労災保険の加入が任意となっている農林水産業の小規模事業者について加入義務化の方針を決めた。来年の国会で労災保険法の改正を目指す。義務化されると最大約16万の事業者が新たに労災保険に入る見通し。

●通勤手当の非課税限度額引上げ (11/19)
政府はマイカー通勤者の通勤手当の非課税限度額を11年ぶりに引き上げる改正政令を公布した。片道10キロメートル以上の場合に200~7,100円の引上げで、施行は11月20日。令和7年4月に遡って適用され、改正前の非課税限度額を超える通勤手当を支払っていた場合は令和7年分の年末調整で調整の対応が必要となる。

●外国人の国民健康保険料を前納に(11/1)
厚労省は10月29日、外国人等の国民健康保険加入時に保険料を前納させることができるように改正例などを自治体に通知した。前年度の1月1日時点で日本国内に住民登録をしていない世帯主が前納の対象となり帰国した日本人も含む。最大1年分の保険料の前払いを求め、支払期限を過ぎても納付されない場合は滞納処分が可能となる。自治体ごとに判断し、早ければ来年4月から運用が始まる。

●夏のボーナス2.9%増の平均42万円(11/7)
厚労省の9月発表の「毎月勤労統計調査」で、今夏のボーナスの1人当たり平均額は42万6,337円(前年比2.9%増)となり4年連続の増加となった。事業所規模30人以上での平均額は49万6,889円(前年比3.8%増)で、規模による伸び率の差は大きくなった。

●酷暑で労働生産性低下
170兆円の経済損失に(10/30)
世界保健機構(WHO)などの研究チームは地球温暖化による労働生産性の低下などが原因で、2024年に世界の国内総生産(GDP)の1%に相当する約1兆900億ドル(約170兆円)経済損失が生じた可能性があると公表した。酷暑によって労働者の欠勤率が増えるなどして各産業での労働時間が大幅に失われたと指摘、温室効果ガス削減などの温暖化対策の強化が急務であると訴えている。

●パワハラによる精神疾患が最多 (10/29)
厚労省が公表した「令和7年版 過労死等防止対策白書」では令和6年度の労災等認定件数で精神障害事案は1,055件と過去最多だった。  
種類別の労災支給決定(認定)件数は、「パワーハラスメント」が最多の224件で、「仕事の量・質」が209件、「対人関係」が197件と続いた。 
過労死等に係る調査・研究の重点業種である外食産業のアンケート調査では、過去1ヶ月で1週当たりの労働時間が平均週60時間以上と回答した職種は、「店長」が29%、「エリアマネージャー、スーパーバイザー等」が24%「店舗従業員(調理)」13.3%の順だった。

●在留資格の許可基準を厳格化  (10/14)
外国人が日本での起業に必要な在留資格「経営・管理」の要件を厳格化する改正が10月10日に公布され16日より施行された。資本金等の要件を3,000万円以上に引き上げ、経営に関する一定以上の経歴・学歴を求める他、1人以上の日本人や永住外国人等の常勤職員を雇用すること、申請者または常勤職員が中上級者レベルの日本語能力であること等が求められる。

経営労務情報 令和7年(2025年)9月

お知らせ◆最低賃金 が10月1日より63円上がり1,140円(愛知県)となります。
今年も過去最大の引き上げ幅です。
パートさんの時給と、社員の基本給や手当など固定して支払う「月額」または「日額」が時間 単価に換算した場合に最低賃金額以上となっている必要があります。
◆年1回の社会保険料の「定期変更」です。
「社会保険の算定基礎届」に基づく年1回の社会保険料の「定期変更」は、10月に支払う 給与から対象となります。個人ごとに社会保険料を変更する必要があるかをご確認ください。
◆健康保険証の使用期限は12月1日までです。
現在の「健康保険証」は原則、今年12月1日までの使用期限です。翌日より「資格確認書」または「マイナ保険証」となります。病院によっては健康保険証でも来年3月末まで受診できる場合もありますが、「マイナ保険証」になっていない方は、まずは「資格確認書」が届いているかご確認ください。

「資格確認書」が会社に届いた場合の対応◆「資格確認書」とは
昨年12月2日からは従来の「健康保険証」から原則として「マイナ保険証」へ変更されました。
しかし本年5月現在「マイナ保険証」の利用割合は43.1%(推計)と半数に届かず、マイナ保険証を解除する人もいるため、従来の健康保険証に変わり「資格確認書」が交付されています。
◆送付対象者の自宅への送付
協会けんぽでは、本年7月下旬よりマイナ保険証に切り替わっていない加入者へ「資格確認書」を自宅へ送付しています。
また送付対象者がいる事業所へは「送付対象者一覧表」を送付しています。
◆自宅に送れない場合は会社宛へ送付
加入者の転居等で届かない場合は、会社宛に送付されます。送付先は4月30日時点の情報のため、退職者などが一覧表に掲載されていたり、退職者の資格確認書が届いたりする場合がありますのでご注意ください。

19歳以上23歳未満の健康保険の扶養認定要件が変わります◆健康保険の扶養家族の年間収入要件が変更
令和7年度税制改正で、19歳以上23歳未満の親族等を扶養する場合の「特定扶養控除」の要件見直しが行われました。これにより扶養認定を受ける者(配偶者を除く)が19歳以上23歳未満の年間収入要件が変わります。
◆19歳以上23歳未満の年間収入要件とは
扶養家族の認定日が令和7年10月1日以降で、19歳以上23歳未満の場合は、現行の「年間収入130万円未満」が「年間収入150万円未満」に変更になります。この年齢要件(19歳以上23歳未満)は、扶養の認定日が属する年の12月31日時点の年齢で判定されます。
◆他の認定要件
この年齢要件は、あくまで年齢によって判断され学生である必要はありません。
年間収入が150万円未満かどうかの判断は、「従来と同様の年間収入の考え方」によります。
具体的には「認定対象者の過去の収入」「現時点の収入」または「将来の収入の見込み」などから「今後1年間の収入」を見込むことになります。
令和7年10月1日以降の届出でも、令和7年10月1日より前の期間について認定する場合は、19歳以上23歳未満の被扶養者にかかる年間収入の要件は130万円未満で判断されます。内容をよく確認する必要があります。

独禁法上の問題になりそうな荷主の行為公正取引委員会では、荷主と物流事業者との取引の公正化に向けた調査を継続的に行っています。令和6年度の調査結果報告によると、現下の労務費、原材料価格、エネルギーコスト等のコスト上昇分の取引価格への反映の必要性について協議をすることなく取引価格を据え置く行為等が疑われる事案に関して、荷主100名に対する立入調査も行っていました。
また調査の結果を踏まえ、独占禁止法上の問題の恐れのある行為を行った荷主(646名)に対して注意喚起文書を送付しています。
以下は問題につながる恐れのある行為としてあがった主な事例です。
⑴不当な発注内容の変更及びやり直し
荷主(飲食料品卸売業)は、物流事業者に対し、定期便として発注した運送業務を集配送の当日にキャンセルしたが、そのような突然のキャンセルに伴い物流事業者が負担した車両の手配に要した費用を支払わなかった。
⑵代金の支払遅延
荷主(飲食料品小売業)は、物流事業者に対し、自社の事務処理が間にあわないことを理由に、あらかじめ定めた支払期日を遅らせて運賃を支払った。
⑶買いたたき
荷主(機械器具卸売業)は、物流事業者から、それまで無償で提供させていた附帯業務の料金が上乗せされた見積書を受け取ったにもかかわらず、理由を一切説明することなく、運賃を一方的に据え置いた。(注意喚起文書を送付した荷主は96件「12.9%」)
⑷不当な経済上の利益の提供要請
荷主(その他の卸売業)は、物流事業者に対し、契約では運送の委託しかしていないにもかかわらず、運送した荷物の荷卸し、検品及び棚入れを無償で行わせた。
⑸代金の減額
荷主(物品賃貸業)は、物流事業者に対し、理由を一切説明することなく、あらかじめ定めた運賃を一方的に減額して支払った。
⑹割引困難な手形の交付
荷主(機械器具卸売業)は、物流事業者に対し運賃として手形期間150日の約束手形を交付した。
⑺物の購入強制・役務の利用強制
荷主(家具・装備品製造業)は、物流事業者に対し、自社が開催する展示会における家具の運送等の委託をする際に自社製品を購入させた。

働く母親が8割超に令和6年国民生活基礎調査より◆働く母親が過去最高の8割超に
厚生労働省が公表した令和6年の「国民生活基礎調査」によると、児童(18歳未満)のいる世帯において、母親が「仕事あり」と回答した割合は80.9%に達しました。
これは過去最高の水準であり、働く母親が社会の中でますます一般的な存在となっていることを示しています。
こうした状況を背景に、企業には育児と仕事の両立支援のための環境整備がますます求められています。具体的には、柔軟な勤務形態(時短勤務、フレックスタイム制、テレワークなど)や、子育て支援に関する社内制度(子の看護等休暇、育児支援手当など)があります。
また、男性育休の取得推進も重要です。こうした取組みに対して、国は助成金や認定制度も用意しています。
◆両立支援は未来への投資
令和7年10月1日からは、改正育児・介護休業法により、育児期の柔軟な働き方を実現するための措置を講じることが事業主に義務付けられます。
法律を守るという観点はもちろんですが、従業員のライフステージに寄り添った制度設計は、職場の定着率や生産性向上につながる投資ともいえます。
夫婦で育児を担うという意識が社会に浸透し、若年層が就職・転職時に企業の育児支援制度を重視する傾向も強まっています。働き手が減少する中で、持続的な経営を実現するためにも、実効性のある人事施策を検討していくことも重要です。

40歳から始める職場の転倒対策職場での転倒事故が増えています。
東京労働局の調査では、休業4日以上の労働災害の約3割が転倒によるものでした。
ヒトの筋肉量は30歳以降年間1%ほどの割合で減少していき、40歳代からは加齢に伴う身体機能の低下が徐々に始まるとされており、筋力低下やバランス感覚の衰え、視力の変化が転倒のリスクを高めます。
フレイルとは、加齢によって心身の機能が低下し、外部の変化に対応しにくくなる状態であり、早めの対策が重要です。「まだ大丈夫」と思っていても、身体機能の衰えは思ったより早く始まります。
◆職場環境と日常業務の見直しで転倒対策
転倒災害は予防できる事故です。まずは通路の整理整頓、適切な照明、滑りやすい床面の改善など、基本的な安全対策を徹底しましょう。 
4S(整理・整頓・清掃・清潔)活動や危険の見える化、危険予知(KY)活動を取り入れ、従業員全員が危険箇所を把握しやすくすることも効果的です。
◆身体機能維持への日常的な取組み
転倒防止には個人の身体機能維持も不可欠です。厚生労働省は年齢に関わらず筋力トレーニングやストレッチの実施を推奨しています。
朝礼や業務の合間に簡単な体操や柔軟運動を取り入れる、意識的に階段を使うようにするといった対策で、転倒リスクを大きく減らすことが可能です。定期健康診断で視力やバランス機能の変化を定期的にチェックし、必要な対応を行いましょう。
40歳を過ぎたら早めの対策を心がけることが、安全確保につながります。高齢化が進む中、従業員の年齢に合わせた安全対策は、健康維持や生産性向上にも直結する重要な経営課題です。今一度、職場の安全衛生管理を見直してみる必要もあります。

Z世代の満足ポイントと中小企業の離職防止策Z世代の若手社員は、会社の現状に対して、思ったほど満足していないようです。
レバレジーズ株式会社の調査では、Z世代の働き方への満足度は51.5%。一方で会社の管理職は「社員は今の働き方に満足している」と68%が考えており、両者の間には約17ポイントものギャップがありました。現場のリアルな声と経営側の認識には意外と差がありました。
◆Z世代の満足ポイント
Z世代は、「残業時間が短いこと」や「上司との人間関係」に特に満足を感じやすい世代です。 
また、「心情的な寄り添い」や「異動の提案」など、会社や上司が自分のことを気にかけてくれていると実感できたとき、離職を踏みとどまった経験がある人も多いようです。日々のちょっとした変化や気持ちに目を向けることが、若手の安心感につながります。
◆中小企業が取れる対策
中小企業でも取り組みやすい離職防止策にはどんなものがあるのでしょうか。キーワードは「コミュニケーション」です。
⑴悩みや疑問を気軽に話せる場をつくる。
定期的な1on1や日報・チャットなどで、日々の小さな変化もキャッチします。
⑵若手が日々得た情報や学びを、朝礼やミーティングなどで共有する仕組みをつくる。
一言でも自分の意見を添えるルールにすることで思考や感情変化も見えやすくなります。
⑶若手社員の意見や成功事例を発信する。
成長や努力をみんなで認め合い「きっとうまくいく」「自分ならできる」という「自己効力感」を高めることができます。
⑷「気にかけているよ」という姿勢を伝える。
経営層や管理職も積極的に声をかけちょっとした会話を大切にします。
まずはできることから少しずつ始め、会社全体で働きやすい環境づくりと業績アップを目指していきたいものです。

スポット情報●最低賃金 全国平均1,121円へ(9/5)
厚労省は5日、全国の地域別最低賃金の改定額を集計した結果を公表した。全国加重平均は過去最高の1,121円で昨年度から66円引上げとなった。過去最大の上げ幅。最高額は東京の1,226円で、最低額は高知、宮崎、沖縄の1,023円と、初めて全都道府県で1,000円を超えた。 
最大の引上げ幅は熊本の82円で、国が示した引上げ目安額64円を39県で上回った。発効日を例年の10月から遅らせる地域が相次ぎ、秋田や群馬は26年3月の予定。
●外国人雇用実態調査結果を公表(8/29)
厚労省は令和6年外国人雇用実態調査の結果を公表した。外国人労働者のうち、10.9%が就労上のトラブルを経験したことがあると回答した。トラブルの内容として多かったのは「紹介会社(送出し機関含む)の費用が高かった」18.6%、「トラブルや困ったことをどこに相談すればよいかわからなかった」14.9%。
また外国人労働者全体の54.8%が、母国に仕送りをしていると回答し、在留資格「技能実習」と「特定技能」の外国人労働者では8割以上だった。年間の仕送り金額の平均は、全体で104.3万円だった。
●雇調金コロナ特例の不正受給(8/28)
厚労省は、コロナ特例の雇用調整助成金の不正受給額が約1,044億6,000万円(2025年6月末時点、緊急雇用安定助成金を含む)、支給決定取消件数は4,820件の集計結果を発表した。雇調金支給決定額は約6兆円だった。延滞金を含めた約804億6,000万円が回収済み。
●氷河期世代支援のための交付金創設(8/27)
内閣府は「地域就職氷河期世代支援加速化交付金(仮称)」を26年度に創設し、地方自治体に交付する。来年度予算の概算要求として10億円程度を盛り込む。各自治体は交付金を活用し、正社員化の促進、個別相談、就職希望者と企業のマッチングなどの取組みに充てる。
●同一、同一指針見直しの論点案を提示(8/9)
厚労省は8日、同一労働・同一賃金の施行後5年の見直しにあわせて検討中のガイドラインの改訂(時期未定)案を労働政策審議会の部会に示した。非正規労働者の待遇改善をさらに進めるため、待遇差に関する項目について追加・見直しを検討する。追加項目は、退職金、住宅手当、無事故手当、夏季・冬季休暇、家族手当、褒賞など。見直し項目は、賞与や病気休暇。また正社員の待遇引下げに関する記載も、見直しを検討する。
●トラック運転手の負担軽減義務化(8/6)
政府は5日、トラック運転手の長時間労働抑制に向けた計画作成を2026年4月から義務化すると決めた。配送拠点で順番を待つ「荷待ち」や、荷物を積み降ろす「荷役」の時間を短縮し、負担軽減につなげる。扱う荷物の総重量が年間9万トン以上の荷主、保有トラック台数150台以上の運送業者、保管量70万トン以上の倉庫業者など、全国計3,000社超が対象。計画には予約システム導入など具体策を盛り込み、実施状況を国に定期報告することも義務となる。違反は是正勧告、命令の対象となるほか、最大100万円の罰金が科される。

経営労務情報 令和7年(2025年)6月

お知らせ◆熱中症の対策をお願いいたします。
今年は、梅雨明け前から「猛暑」となっています。外作業や工場内での「熱中症」にはくれぐれもご注意ください。湿度が高いだけでも熱中症のリスクが高くなります。本格的な夏の前に、様々な熱中症の対策をご検討ください。
コンビニでは、冷凍した飲料水のペットボトルも販売していますので、外出の際に急いで 冷やしたいときには便利です。
◆7月は、4月から6月に支払う給与の届出月
この届出(社会保険の算定基礎届)で今年10月に支払う給与から、1年間の社会保険料が決まります。3ヶ月の平均給与の月額が、残業手当などの増加で多くなると社会保険料も増えてしまいますので注意が必要です。
◆7月は「労働保険料」の納付月です。
現金納付の第1期納付期限は7月10日です。
ただし多少遅れても延滞金はかかりません。
口座振替の第1期の振替日は9月8日です。


職場での熱中症対策の義務化◆改正の概要
近年の猛暑や、職場での熱中症による死傷災害の増加を受け、職場での熱中症対策が法的義務として強化されています。
具体的には、令和7年6月1日に、職場における熱中症対策の義務化を含む「改正労働安全衛生規則」が施行されました。
対象となるのは、「WBGT(暑さ指数)28℃以上または気温31℃以上の環境で、1時間 以上または1日4時間を超えての労働」が見込まれる作業です。これについて、熱中症の重篤化を防止するため「体制の整備」「手順の作成」「関係者への周知」が事業者に義務付けられました。
◆主な義務内容
・報告体制の整備と周知とは
「熱中症の自覚症状がでた作業者」や「熱中症のおそれがある作業者を見つけた者」がそれを報告するための体制整備および関係作業者への周知の実施です。
報告を受けるだけでなく、最適温度管理バディ制(作業者が二人一組となり互いの体調変化を監視し合うこと)の採用、ウェアラブルデバイス(手首や腕、頭などに装着するコンピューターデバイス)等の活用や労働環境内での冷却装置等により、熱中症の重症状がある作業者を積極的に把握するよう努める必要があります。
・重篤化防止措置の準備と周知とは
熱中症の恐れがある労働者を把握した場合、迅速かつ的確な判断が可能となるように、
①事業場における緊急連絡網、緊急搬送先および所在地等の確認
② 作業離脱、身体冷却、医療機関への搬送等熱中症による重篤化を防止するために必要な措置の実施手順の作成および関係作業者への周知。
従業員の命を守るためにも、また法令遵守のためにも、今後は作業環境の見直しや従業員への教育や訓練の実施がより一層重要となりそうです。

中小企業の正社員賃上げ率4.03%、実施しない企業も。二極化傾向に日本商工会議所、東京商工会議所は6月4日、「中小企業の賃金改定に関する調査」の集計結果を発表しました。全国の会員企業を対象に調査したもので、2025年4月14日から5月16日にかけて、3,042社から回答を得ました。
定期昇給とベースアップを合わせた正社員の賃上げ率が平均で4%を超えましたが、一方で賃上げしない企業も全体の2割に及び、二極化の傾向がみられるとしています。
◆賃上げを実施する企業は、全体で約7割、20人以下の小規模企業で約6割
2025年度に賃上げを実施した企業(予定を含む)は69.6%と、前年より4.7ポイント低下しました。
20人以下の小規模企業では57.7%で5.6ポイント低下しています。
また、現時点で「未定」との回答は23.5%で3.1ポイント上昇。価格転嫁の遅れや米国関税措置等で先行き不透明感を懸念する声もあり、昨年に比べ、「未定」の回答が増加しています。
◆正社員の賃上げ率は4.03%、昨年比0.41ポイントの増加
中小企業全体の正社員の賃上げ額(月給)は、加重平均で1万1,074円と、昨年より1,412円上回りました。賃上げ率は4.03%で、昨年対比では、0.41ポイント増加しています。
20人以下の小規模企業では、賃上げ額(月給)は加重平均9,568円、賃上げ率は3.54%で、昨年より0.20ポイントの増加です。
◆パート・アルバイトの賃上げ率は4.21%、昨年比0.78ポイントの上昇
パート・アルバイト等の賃上げ額(時給)は46.5円、賃上げ率は4.21%で0.78ポイントの増加です。
一方、20人以下の小規模企業では、賃上げ額は37.4円、賃上げ率は3.30%で、昨年より0.58ポイントの減少となっています。
賃上げ率は全体では4%を超えるなど、中小企業も賃上げに最大限努力していますが、小規模企業は全体と比較し賃上げ額・率ともに低位となっていることから、より重点的な支援が求められます。

有給取得の義務化6年目の現状
「労働時間制度等に関する実態調査結果」
有給休暇のうち、年5日の時季指定義務が法定されてから6年が経過しました。
厚生労働省の調査によると、時季指定義務の運用方法は次のような割合(10人未満事業所を除く)になっていました。
①切替え始めに、計画年休制度により年5日を指定する。   16.3%
②労働者の意見を聞いた上、で使用者が年5日を指定する。  14.2%
③労働者の取得に委ねて、年5日取得できている。      62.0%
④労働者の意見を聞かずに、使用者が年5日を指定している。  1.9%
⑤指定もできておらず、年5日も取得できていない。      3.4%
◆制度運用の課題
企業規模別では、「企業規模300~499人」では ① が、38.4%と他の企業規模(10人未満を除く)の平均より約3倍も多くなっています。一方で ⑤ も9.1%と約3倍も多いことが分かりました。
300~499人規模の企業では年間計画を立てている企業が多い一方で、年5日取得できていない企業も多いという現状でした。
これは、従業員が増えることで、有給管理が難しくなることを示しています。管理のためには制度化が必要ですが、一方で計画を立てすぎると柔軟な運用が難しくなり、現場の納得感も得られにくくなります。
制度の運用方法を見直す際は、こうした点に留意することが重要です。
◆消滅年休の活用
2年の時効を迎えた年次有給休暇については、「そのまま消滅」としている企業が60.0%と多数を占める一方で、「特別休暇等として 積み立てている」企業も6.6%ありました。
こうした有効活用の取組みは、企業の魅力向上にもつながる可能性があります。
現在、人手不足や採用難が深刻化しており、今後は介護離職による労働力不足も懸念されています。この対策の一つとして、介護などの特定の理由でも有給を利用できる制度の導入なども検討されてはいかがでしょうか。

労働基準法における「労働者」の判断基準。約40年ぶりに見直しの議論◆研究会の目的
厚生労働省は5月1日に、第1回 労働基準法における「労働者」に関する研究会を開催し、労働者性の判断基準について再検討を開始しました。
この研究会では、「労働基準関係法制研究会報告書(令和7年1月8日公表)」において、労働基準法研究会報告「労働基準法の『労働者』の判断基準について」(昭和60年)の作成から約40年が経過し、働き方の変化・多様化に必ずしも対応できない部分があるため、今まで積み重ねてきた事例・裁判例等を分析し、見直しの検討をすることにしました。
また、国際的な動向も視野に入れながら 総合的な研究を行うことにしました。
◆検討事項
この研究会では、次の事項について調査・検討を行うことにしています。
①労働基準法上の労働者性に関する事例、裁判例等や学説の研究、新たな働き方に関する課題や国際的な動向の把握・分析
②労働基準法上の労働者性を判断する基準の在り方
③新たな働き方への対応も含めた労働者性判断の予見可能性を高めるための方策
◆現在の「労働者」の判断基準
労働基準法上の「労働者」に当たるか否かについては、現在は以下の2つの基準で判断されることになっています。
①労働が他人の指揮監督下において行われているかどうか、他人に従属して労務を提供しているかどうか
②報酬が、「指揮監督下における労働」の対価として支払われているかどうか
この2つの基準を総称して「使用従属性」と呼ばれています。
近年、配達員やアイドル、劇団員、英会話 講師等が労働者として認められる裁判例があり、この研究会の議論により条件がどのように見直されるのか、今後の動向が注目されます。

改正労働安全衛生法が成立しました改正された「労働安全衛生法」及び「作業環境測定法」は、様々な労働者が、安全かつ安心して働き続けられる職場環境の整備を推進するため令和8年4月1日に施行されます。
◆改正の概要
1.個人事業者等に対する安全衛生対策の推進
既存の労働災害防止対策に「個人事業者等」も含め、
①個人事業者等を含む作業従事者の混在作業による災害防止対策の強化などを定め、業務上の安全及び健康並びに作業環境の整備を行う。
②個人事業者等自身が講ずべき措置(安全衛生教育の受講等)や業務上災害の報告制度等を定める。
2.職場のメンタルヘルス対策の推進〔公布後3年以内に政令で定める日施行〕
ストレスチェックについて、労働者数50人未満の事業場についても実施を義務化。
3.化学物質による健康障害防止対策等の推進
①化学物質の譲渡等実施者による危険性・有害性情報の通知義務違反に罰則を設ける。
②化学物質の成分名が営業秘密である場合に、一定の有害性の低い物質に限り、代替化学名等の通知を認める。
③個人ばく露測定について、作業環境測定の一つとして位置付け、作業環境測定士等による適切な実施の担保を図る。
4.機械等による労働災害防止の促進等
①ボイラー、クレーン等に係る製造許可の一部(設計審査)や製造時等検査について、民間の登録機関が実施できる範囲を拡大。
②登録機関や検査業者の適正な業務実施のため、不正への対処や欠格要件を強化し、検査基準への遵守義務を課す。
5.高齢者の労働災害防止の推進
高年齢労働者の労働災害防止に必要な措置の実施を事業者の努力義務とし、国が当該措置に関する指針を公表する。

スポット情報●愛知県内の賃上げ額が過去最高(6/16)
愛知県経営者協会は、今年の春季賃金改定について、妥結平均額14,259円、アップ率は4.72%となり、妥結平均額については記録が 確認できる1985年以降で最高額となった。
規模別では、1,000人以上で16,749円(5.21%)と5%を上回った一方、300人未満では10,631円(3.82%)と4%を下回り、規模間の格差は拡大した。
●中小賃上げに60兆円投資実質賃金年1%増を目標(5/15)
政府は14日の「新しい資本主義実現会議」で、中小企業の賃金向上を促進する5カ年計画の案を示し、実質賃金の「年1%増」の定着を掲げた。価格転嫁のさらなる推進や、飲食業や宿泊業、介護・福祉など人手不足で生産性向上の必要性が高い12業種について、業種別の「省力化投資促進プラン」による省力化投資を進める。
6月にまとめる「新しい資本主義実行計画」に盛り込む予定。
●「特定技能」に3業種追加(5/13)
政府は、人手不足が深刻な業種に限って認める「特定技能」の対象分野に、3分野を加えて全19分野に拡大する方針を近く有識者会議で示す。
追加するのは、「物流倉庫」「廃棄物処理」「リネンサプライ」の3分野。2025年12月の閣議決定を目指していて、2027年にも企業が採用を始められるよう、在留資格の制度を変更する。
●2024年度求人倍率は1.25倍で2年連続低下(5/3)
厚生労働省が2日に発表した2024年度平均の有効求人倍率は1.25倍と、2023年度を0.04ポイント下回り、2年連続で低下した。
2024年度の月平均有効求人数は約240万人(23年度比3.0%減)、有効求職者数は約192万人(同0.2%増)だった。物価高や原材料価格高騰などの影響を受け、建設業や製造業を中心に求人数が落ち込んだ。
●今年の「技能五輪全国大会」は愛知県開催(5/1)
国内の青年技能者(原則23歳以下)を対象とする「技能五輪全国大会(国際大会の選考も兼ねる)」は、令和7年10月17日(金)~10月20日(月)まで、愛知県(愛知県国際展示場他)で開催されます。

経営労務情報 令和7年(2025年)3月

お知らせ◆健康保険料・介護保険料 が変更されます。
3月より「協会けんぽ」の保険料率が変更されます。
今回も健康保険料が上がりますが、介護保険料は下がり、合計は同率です。
各保険料は「4月に支払う給与」 から変更になります。
※ 新保険料率 (以下は本人負担率です)
     健康保険 = 5.015 %
     介護保険 = 0.795 %
健康保険+介護保険 = 5.81  %
※ 厚生年金保険料率の変更はございません。
◆ 健康保険証を紛失した場合はご連絡ください
昨年12月より「マイナ保険証」に変更され、健康保険証が発行されなくなりました。
まだ「マイナ保険証」に登録していない方で 今までの「健康保険証」を紛失した場合は、健康保険証と同じように使える「資格確認書」の申請が必要です。
◆4月から6月に支払う給与にご注意を
4月から6月に支払う給与総額の「平均額」により、10月に支払う給与から1年間の社会保険料が決まります。
この間の残業など手当の増額で月額給与が増えると、社会保険料が増えてしまいます。
◆3月、4月は入社・異動が増加します。
この時期は入社や異動などが多いため、申請に時間がかかります。

「雇用保険料」が下がります雇用保険法改正により、来月4月から0.1%の引き下げとなります。
給与及び賞与の計算時にはご注意ください。
◆保険料の負担率
《事業主の負担率》
       3月まで   4月から 
建設業以外  0.95%  0.9% 
建設業     1.15%   1.1% 
《従業員の負担率》
       3月まで   4月から
建設業以外  0.6% → 0.55% 
建設業    0.7% → 0.65%
◆変更のタイミング
4月の「締切日」のある給与から変更をお願いいたします。 (以下は具体例です)
・15日締切(当月25日払)→4月25日払から
・20日締切(当月 末日払)→4月 末日払から
・25日締切(翌月 5日払)→ 5月 5日払から
・末 日締切(翌月10日払)→5月10日払から
・末 日締切(翌月 末日払)→5月 末日払から

SNSへ求人情報を載せる際の注意点◆募集広告には募集主の氏名等の表示が必要
インターネットやXなどのSNSによる広告で、求人募集を提供する場合は、虚偽の表示または誤解を招く表示に注意が必要です。
インターネットで犯罪実行者の募集が行われる事案(闇バイト)が見られるケースの中に、通常の求人募集と誤解を生じさせるような広告が見られたことから、厚生労働省はSNSなどを通じて直接募集する際に、以下の「6情報」を必ず表示するよう注意しています。
① 募集主の氏名(または名称)
② 住所
③連絡先(電話番号等)
④業務内容
⑤ 就業場所
⑥ 賃金の
◆「住所(所在地)」記載の注意点
ビル名、階数、部屋番号までは記載する必要があります。
◆「連絡先」記載の注意点
電話番号、メールアドレス、または自社ウェブサイト上の専用問合せフォームのいずれかを記載する必要があります。
◆会社ウェブサイトの募集要項のリンクを 記載する場合
会社ウェブサイトの募集要項のリンクのみでは、求人であるかどうかも含め、誤解を招く可能性があるため、募集情報を提供する広告自体に、上記6情報を記載する必要があります。
◆業務内容、就業場所及び賃金について、法律で求められる詳細を記載する必要があるか。
法律と同じである必要はありませんが、求職者が誤解を生じないよう、業務内容や就業場所、賃金について記載する必要があります。
例えば「就業場所の変更の範囲」は記載せず、「雇入れ直後の就業場所」のみを示す場合や、複数の候補を示し「応相談」とする場合、賃金について「時給1,500円~」とする場合でも、記載があれば直ちに職業安定法違反とはなりません。

従業員の不祥事発覚時の初動対応について◆初動対応の基本
従業員による不祥事が発覚した場合、企業がその対応を誤ると、社内外からの信用を大きく損ねてしまう可能性があります。被害を最小限とするために、基本的な対応策を押さえておきましょう。
1.担当者を決め事実関係を把握
最初は事実関係を迅速に把握することが重要です。担当者を選任し調査を開始します。
ヒアリングや関連資料を確認し正確な情報を収集します。その際、誰がどのように調査を行うのかは慎重な判断が必要です。専門家に相談することも検討します。社外からの問い合せへの対応方針を決めておくのも重要です。
2.情報開示と対応
不祥事が確認されたら、情報の開示方法や、被害者、株主や取引先、従業員などに対して、誠実な対応を図る準備が第一歩です。確かな事実に基づき、社会的影響や再発防止等を踏まえて真摯な対応が重要です。
3.被害者対応
被害者への対応も重要です。被害者の立場に立ち、企業の責任も考え、信頼を取り戻すための準備も不可欠です。
◆再発防止に取り組む
初動対応のあとは、原因を調査し、内部強化や従業員教育など、再発防止に取り組むことになります。従業員の不祥事など考えたくありませんが、誤った対応をしないための「心構え」は重要です。

外国人労働者数が230万人!過去最多を更新厚生労働省は1月31日に、令和6年10月末現在の外国人雇用状況を公表しました。
外国人労働者は前年と比べ12.4%増え、230万2,587人となり、過去最多を更新しました。人手不足を背景に、企業が外国人の採用を増やしている状況がわかります。
◆外国人労働者数は過去最多
前年比で25万3,912人増加し、届出が義務化された平成19年以降、過去最多を更新しました。
◆外国人雇用の事業所数も過去最多を更新
外国人雇用の事業所数は34万2,087で、前年比2万3,312増加し、届出の義務化以降、こちらも過去最多を更新しました。対前年増加率は7.3%と、前年の6.7%から0.6 ポイント上昇しています。
◆ベトナムが57万708人で昨年同様に最多
国籍別ではベトナムが最も多く、外国人労働者数全体の24.8%を占めました。次いで、中国40万8,805人⁽全体の17.8%)、フィリピン24万5,565人⁽全体の10.7%)でした。
◆「専門的・技術的分野の在留資格」が、71万8,812人で最多
在留資格別では、「専門的・技術的分野の在留資格」が初めて最多となり71万8,812人で、前年比12万2,908人(20.6%)の増加、次いで「身分に基づく在留資格」が62万9,117人で、前年比1万3,183人⁽2.1%₎増加、「技能実習」が47万725人で、前年比5万8,224人⁽14.1%₎増加しました。

令和7年「年金改正」の方向◆5年に一度の年金財政検証
令和6年は5年に一度の年金財政検証が行われる年だったため、昨年12月25日に社会保障審議会年金部会の報告書が公表されました。令和7年の年金制度改正は、下記課題への対応を大きな柱に議論されてきました。
1)平均寿命・健康寿命の延伸や家族構成、ライフスタイルの多様化、女性・高齢者の就業拡大、今後見込まれる最低賃金の上昇・持続的な賃上げという社会経済の変化に対応する観点から取り組むべき課題
2)年金制度が有する所得保障機能の強化の観点から取り組むべき課題
◆令和7年年金制度改正の具体的内容(要点)
1)被用者保険の適用拡大
2)いわゆる「年収の壁」と第3号被保険者制度
①「106 万円の壁」への制度的対応
② 第3号被保険者制度
3)在職老齢年金制度の見直し
4)標準報酬月額上限の見直し
5)基礎年金のマクロ経済スライドによる給付調整の早期終了
6)高齢期より前の遺族厚生年金の見直し
①20~50代の子のない配偶者の遺族厚生年金
②20~50代の子のある配偶者の遺族厚生年金
③遺族基礎年金(国民年金)
7)年金制度における子に係る加算等
8)その他の制度改正事項
9)今後検討すべき残された課題
① 基礎年金の拠出期間の延長(45年に延長)
② 障害年金の改正
国民年金の基礎年金制度が導入されてから40年、社会や経済の状況が大きく変化してきていることに伴い、今回の改正は、被用者保険の適用拡大や在職老齢年金制度の見直しといった従来からの検討項目に加え、遺族年金や基礎年金マクロ調整の早期終了など、大きな見直しとなっています。

出所者を雇う「協力雇用主」への援制度◆協力雇用主とは
協力雇用主とは、刑務所や少年院の出所者、保護観察者などを雇用する、または雇用する意思があるとして保護観察所に登録した「民間事業主」のことです。
協力雇用主は、就労機会の提供だけでなく、社会生活の指導や助言をする役割も担います。全国で約2万5,000社が登録していますが、実際に雇用している会社は4%ほどです。
協力雇用主になるためには、保護観察所(国)に登録する必要がありますのでまずは事業所の所在地を管轄する保護観察所に連絡します。
その際、協力雇用主から暴力団を排除するため、役員等名簿、登記事項証明書等の提供が求められます。
◆協力雇用主が出所者を雇うまで
1)保護観察所に登録して協力雇用主になる。
2)ハローワークに専用の求人票を提出する。
制度上では、保護観察所からは出所者の紹介がないためです。
3)ハローワークの求人票に応募した出所者を雇用する。通常の従業員採用と同じです。
◆協力雇用主に対する支援制度
① 保護観察所による相談支援
本人への接し方や配慮すべき事項等については、保護観察所が相談に乗ってくれます。
具体的には、心理学・教育学・社会学等の専門的知識をもつ国家公務員である保護観察官や地域性・民間性をもつボランティアである保護司から助言等を受けることができます。
② 協力雇用主に対する「刑務所出所者等就労奨励金」
実際に雇用し、就労継続に必要な生活指導や助言などを行う協力雇用主に対し、年間最大72万円の奨励金が支払われます。
条件は、労災保険・雇用保険の加入手続を行うなど、一定の要件を満たす必要があります。 
また、協力雇用主は、就労継続のための指導(挨拶や言葉遣いの重要性を説き、具体例を 用いて人への接し方について助言を行う)などと、指導内容の報告が求められます。
③ 公共工事等の競争入札における優遇制度
地方自治体の間で公共工事等の競争入札における協力雇用主に対する優遇制度の導入が広がっており、その場合、優遇を受けられることがあります。

スポット情報●パート社会保険料の肩代わり(全額還付)
(2/28)
厚労省は従業員50人以下の中小企業が一定年収のパート従業員の社会保険料を肩代わりした場合の特例について、肩代わりした保険料を全額企業に還付する方向で調整する。今国会への提出を目指す年金制度改革法案に盛り込む。成立すれば、2026年10月をめどに3年間の時限措置として実施される予定。
●下請法改正案全容
「下請け」を法律名から削除(2/26)
通常国会に提出される下請法改正案の全容が明らかになった。⑴ 発注企業が中小企業と交渉せずに取引価格を一方的に決めることの禁止、⑵ 法律名の「下請代金支払遅延等防止法」から「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払い遅延等の防止に関する法律」(中小受託法)への改称、⑶ 発注企業と中小企業を区分する基準として新たに従業員数の基準を設けること、⑷ 荷主と運送事業者の取引にも法律を適用できるようにすること等を盛り込んだ。近く自民党の会合に提示する。
●厚生年金加入の企業規模要件撤廃、2035年に先送り(1/29)
厚労省は、自民党の会合に「パート労働者」の厚生年金加入要件のうち、企業規模要件の 撤廃時期を2035年とする案を示した。2029年からとする当初案に、自民党内から中小企業の負担増に懸念の声があるとして先送りした。
また対象拡大は2段階ではなく4段階で進め、「2027年10月から36人以上」、「2029年10月から21人以上」、「2032年10月から11人以上」、2035年10月に完全撤廃とする案を通常国会に提出予定。
●公共工事の労務単価 3月発注分から6%引上げに(2/15)
国交省は、国や自治体が公共工事を発注する際に使う公共工事設計労務単価を、2025年度は前年度から平均6.0%引き上げることを発表した。13年連続の引上げで,3月以降に発注する工事から適用される。これにより、全51職種の全国平均(1日8時間)は過去最高額の2万4,852円となる。
●24年の実質賃金前年比0.2%減(2/5)
厚労省は、2024年の毎月勤労統計調査(速報)を発表した。実質賃金は前年比0.2%減で、3年連続のマイナスとなった。名目賃金は賃金や賞与の引上げにより、月平均で前年比2.9%増となったが、消費者物価指数は同3.2%の上昇で追いつかなかった。マイナス幅でみると、23年の2.5%から改善した。
●2024年の就業者数が過去最多に(2/1)
総務省の発表によると、2024年の就業者数が6,781万人⁽前年比34万人増₎で、過去最大だった。女性就業者の伸びが過去最多の31万人増となったことが大きな要因。また、2024年平均の完全失業率は2.5%(前年比0.1ポイント減)だった。一方、厚生労働省の発表した2024年の平均有効求人倍率は1.25倍(前年比0.06ポイント減)だった。

経営労務情報 令和6年(2024年)12月

お知らせ◆賞与の社会保険料率にご注意ください。
本人負担率は、厚生年金 = 9.15 %
  健康保険+介護保険 = 5.81 %
(健康保険5.01%、介護保険0.8%)
雇用保険料率は以下の料率です。
(建設業=0.7%、建設業以外=0.6%)
◆ マイナ保険証は12月2日よりスタート。
12月2日よりマイナ保険証に変更される ため健康保険証が新規発行されなくなります。
今までの健康保険証は最長1年間使用できます。
◆年末調整が始まります。
今年は特別減税があり、年末調整の扶養家族数と特別減税対象者数との違いがあるため、配偶者や扶養家族の収入確認なども含めてしっかりご確認ください。
◆インフルエンザやコロナ感染にご注意を。
風邪の季節になり、いろいろな感染も少しずつ広がっています。感染対策としてインフエンザワクチン接種やコロナワクチン接種も考える必要がありそうです。

マイナ健康保険証とは現在の保険証は令和6年12月2日以降、発行されなくなります。
経過措置として、令和6年12月2日時点で有効な健康保険証は、最長1年間は従来通り使用することが可能です。
また、氏名変更や紛失による再発行もできませんのでご注意ください。
◆マイナンバーカード保険証への変更方法
マイナンバーカードを取得し、健康保険証利用の登録をする必要があります。
登録後に医療機関・薬局での使用が可能になります。
◆マイナンバーカードがない場合
マイナンバーカードがない方、または利用登録をしていない方は、令和7年12月1日までに協会けんぽから「資格確認書」が送付されます。
この「資格確認書」で従来通り医療機関・ 薬局の受診が可能です。
しかし、「資格確認書」には有効期限がありますので注意が必要となります。
◆会社での対応
マイナ健康保険証の利用にあたり、協会けんぽより「資格情報」が送られてきますので、確認して皆さんへお渡しください。
また、新入社員の社会保険加入手続きの際、「資格確認書」の希望確認が必要となります。
◆「資格情報」のお知らせとは
資格情報は、令和7年1月までに各事業所に送付される予定です。加入者個人ごとの封筒がまとめて送付されてきます。
◆12月2日以降の受診
マイナ健康保険証に対応していない医療 機関等を受診する際には、「マイナ保険証」+「資格情報」を提示し受診することになります。マイナンバーカードの取得は義務ではありませんので、「資格確認書」申請などの対応が必要となりそうです。

愛知の平均賃金29・3万円 過去最高、愛知経協調べ◆愛知県経営者協会が、「2024年度、愛知のモデル賃金」を11月5日に発表しました。
調査対象企業の平均額は前年比3.1%増の29万3559円でした。
4年連続で増加し、比較可能な2005年以降の調査で平均額、増加率ともに過去最高を更新しました。同協会では「初任給の引き上げに加えて、全体的な賃金の底上げが行われた。」と分析しています。
同調査は1962年から実施し、愛知県経営者協会と名古屋商工会議所の会員企業2,289社を対象に行い、430社から回答を得て、回答率は18.7%でした。
◆調査結果では、モデル条件で全30の年齢ポイント(大学卒総合職25歳・勤続年数3年など)のうち、29の年齢ポイントで前年を上回っていました。前回調査でも25の年齢ポイントで前年を上回っていました。
◆24年度の新卒者確定初任給について調査した結果は、大学卒初任給の平均額は22万  2,901円でした。前回調査から3.8%(8,112円)増加しました。
◆初任給を引上げた企業は76%で、前年の63%を上回り、規模別では、従業員99人以下の企業では62%(前年は39%)、
従業員千人以上の企業では92%(同89%)と、従業員規模が小さい企業においても初任給引上げの実施率が大幅に高まりました。
◆引上げで考慮した要素(複数回答)は、「人材の確保」(211社)が最も多く、次いで「世間相場」(179社)などの結果でした。

最低賃金の引上げと企業対応労働政策研究・研修機構では、「最低賃金の引上げと企業行動に関する調査」
を実施しました。
◆過去最高の引上額となった今年の最低賃金
今年も10月以降、各都道府県にて新しい最低賃金が適用されています。今年の全国加重平均額は 1,055円となり、前年から51円引き上げられ過去最大の引上げ幅(引上げ率5.1%)となっています。
11月1日に新しい最低賃金が発効した徳島県は、全国平均を大きく上回る84円の引上げ(引上げ率9.4%)となったことが大きく報じられるなど、最低賃金引上げの企業への影響の大きさを物語っています。
◆企業はどう対応しているか
労働政策研究・研修機構は、厚生労働省からの要請に基づき、地域別最低賃金の引上げが中小企業・小規模事業者に及ぼす影響や対応状況についての調査を2021年度・2022年度と連続で実施しています。
そのうち 2022年度調査の全有効回答企業(7,634社)に、最低賃金の引上げに対処するため、2022年に経営面や雇用・賃金面で取り組んだことがあったか尋ねたところ、「取り組んだことがあった」との割合は30.7%となっています。
具体的な取組内容(複数回答)は、①「賃金の引上げ(正社員)」が53.1%と最も多く、次いで ②「製品・サービスの価格・料金の引上げ」(45.3%)や ➂「人件費以外の諸経費のコスト削減」(43.7%)、 ④「人員配置や作業方法の改善による業務効率化」(36.1%)、⑤「賃金の引上げ(非正社員)」(34.9%)、⑥「給与体系の見直し」(28.1%)、⑦「労働時間の短縮」(24.4%)などでした。
◆今後も予想される最低賃金の引上げ
最低賃金の引上げは今後も続いていくことが予想されます。自社における影響を踏まえて、引き続き対応を検討していく必要がありそうです。

転職理由の真相と企業の対応策◆「給与の低さ」が若年層の転職理由のトップ
厚生労働省の「若年者雇用実態調査」(令和5年)によると、若年労働者(満15~34歳の労働者)の前職の離職理由として最も多かったのは「給与の低さ」で59.9%でした。
特に20~24歳の年齢層では男性64.6%、女性60.3%と高く、若年層の転職動機における給与の重要性が浮き彫りになっています。
◆「やりがい」と「スキルアップ」も重要な転職要因
一方で「仕事の内容が自分に合わない」(41.9%)や「自分の技能や能力を活かしたい」、「責任のある仕事を任されたい」(33.8%)といったキャリアアップ・スキルアップでの理由も上位に来ています。
これは、若年労働者が単に給与だけでなく、仕事の質や自己成長の機会も重視していることを示しています。
企業側としては、給与水準の適正化だけでなく、従業員のキャリア開発やスキルアップの機会を提供することが、人材確保と定着率向上につながると言えるでしょう。
また、入社時のミスマッチを防ぐため、採用プロセスでの職務内容の明確な説明や、入社後のフォローアップ体制の強化も重要です。いわゆる「ゆるブラック」、「自分が成長できない」ということでの人材流出につながらないよう効果的な施策を考えていきたいものです。
◆給与制度の設計から人材育成プログラムの構築、さらには採用戦略の立案など、これらの課題に対応するには、専門的な知識と経験が必要になります。企業の競争力を高めるための見直しも必要となりそうです。

労働者不足の対処方法~厚生労働省の調査より~厚生労働省の「労働経済動向調査」(令和6年8月1日現在の状況について、令和6年8月1日~8月7日の調査概況)が公表され、調査項目の1つとして「労働者不足の対処方法に関する事項」が盛り込まれています。
人手不足に悩む事業者(同調査では労働者が不足している事業所の割合は80%に上る)にとって、参考になるものと思われます。
◆労働者不足の対処方法
過去1年間(令和5年8月~令和6年7月)に行った労働者不足への対処方法と、今後1年間(令和6年8月~令和7年7月)について割合の大きかったものから順から見てみます。
(いずれも複数回答)
①「正社員等採用・正社員以外から正社員への登用の増加」
(過去1年間59%、今後1年間60%)。
②「在職者の労働条件の改善(賃金)」(過去1年間55%、今後1年間48%)。
③「臨時、パートタイムの増加」(過去1年間40%、今後1年間41%)
④「派遣労働者の活用」(過去1年間38%、今後1年間35%)
⑤「求人条件の緩和」(過去1年間36%、今後1年間34%)
求人条件の緩和内容としては、賃金、労働時間、休暇、学歴、必要資格・経験等の緩和などが挙げられています。
⑥「離転職の防止策の強化、又は再雇用制度、定年延長、継続雇用」(過去1年間34%、今後1年間36%)
◆離転職の防止策としては、労務管理 (労働条件以外の福利厚生、労使関係など)の改善や教育訓練の実施など。
◆再雇用制度には、定年退職者だけでなく、子育てのためにいったん退職した女性などを再雇用する仕組みも含まれています。
⑦「在職者の労働条件の改善(賃金以外)」(過去1年間31%、今後1年間31%)
◆在職者の労働条件の改善内容としては、休暇の取得促進、所定労働時間の削減、 育児支援や復帰支援制度の充実など。
⑧「配置転換・出向者の受入れ」(過去1年間25%、今後1年間24%)
⑨「省力化投資による生産性の向上・外注化・下請化等」(過去1年間16%、今後1年間19%)

スポット情報●在職老齢年金見直し案提示へ(11/20)
厚生労働省は、在職老齢年金制度を見直し、減額の対象者を縮小する調整に入った。現行の基準額(給与と厚生年金の合計額が月50万円超)を引上げもしくは撤廃する案を、25日の年金部会に提案する。一方、年金財政を安定させるため、厚生年金保険料の上限引上げも提案する。年末までに議論をまとめ、来年の通常国会に関連法案を提出する方針。
●「106万円の壁」
会社が保険料肩代わりする案検討(11/16)
厚生労働省は15日の社会保障審議会年金部会で、働き控えが発生する年収層の短時間労働者の保険料について、現在の年収の壁支援策 終了にあわせて会社が一部肩代わりする特例制度を導入する案を示したが、反対意見が多く、検討を重ねる。一方、厚生年金加入要件のうち、企業規模と賃金要件の撤廃、常時5人以上の全業種の個人事業所を加入対象に加える案は、大筋で了承された。また、脱退一時金を見直す案も示し了承された。
●大学生内定率低下72.9%(11/16)
文部科学省と厚生労働省は15日、2025年春卒業の大学生の就職内定率(10月1日現在)が72.9%で、前年同期より1.9ポイント低下したと発表した。前年を下回るのは4年ぶり。  
低下の理由について文科省では、「売り手市場が続き、複数の内定を得て就職先を決めかねている学生が多い影響とみられる」とした。
●基礎年金の給付水準3割底上げ(11/15)
厚生労働省は、国民年金(基礎年金)の給付水準を3割底上げする案を同省の年金部会で示し、来年の通常国会に提出する年金改革関連法案に盛り込む方針。基礎年金しか受け取れない自営業者らの老後資金の不足を解消するため、厚生年金のマクロ経済スライド適用による給付抑制期間を延長し、浮いた財源を基礎年金に活用する
●離婚時年金分割 
請求期限を5年に延長(11/6)
厚生労働省は、5日の社会保障審議会年金部会で、離婚時の厚生年金分割を請求できる期限を現在の2年以内から5年以内に延ばす案を示し、大筋で了承された。2025年通常国会への提出を目指す法案に盛り込む。また、受け取る公的年金の支給額について、これまで「サラリーマンと専業主婦」がモデル世帯の厚生年金と国民年金の2パターンだったが、ライフスタイルの変化に合わせて5パターン追加し、65歳時点で受け取る平均的な一人当たりの給付 水準を男女別に示す方針を説明した。
●国保年間上限を3万円引上げへ(11/1)
厚生労働省は10月31日、国民健康保険(国保)の保険料の年間上限額を3万円引き上げ、109万円とする案を社会保障審議会の医療保険部会に提示した。来年度から実施される 見通し。新たな上限額は単身世帯で年間給与収入が約1,170万円以上の場合に適用される見込みで、国保加入世帯の約1.5%が対象となる予定。
●技能実習生の来日が減少(10/19)
出入国管理庁が18日に公表した2024年上半期の出入国者数等によると、6月末時点での在留外国人は359万人と、過去最高を記録した。このうち技能実習は7万7,000人で前年 同期比12.7%減。一方、特定技能は2万9,000人(同52.8%増)、高度人材向け「技術・人文知識・国際業務」は2万5,000人増(同20.1%増)と、特定技能に移行する動きが見られた。 
また、技能実習生の最大の送り出し国であるベトナムからの入国者数が前年同期比2割減となったことも影響している。

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