経営労務情報 平成30年(2018年)12月号

お知らせ◆賞与の社会保険料率にご注意を
 (以下は本人負担率です)厚生年金 9.15 % 、健康保険 4.95 %、介護保険 0.785 %(健康保険+介護保険 = 5.735 %)
◆年間5日以上の有給消化の義務化。
 平成31年4月より有給休暇を年間5日以上消化することが義務化されます。その他「働き方改革法案」に伴う中小企業の今後の対策は随時お知らせいたします。
◆インフエンザのワクチンを接種しましょう。
 欠勤短縮、感染予防、早い回復にも効果的です。接種費用の会社負担も可能です。
◆配偶者特別控除枠が拡大しました。
 配偶者のみ給与収入基準103万円が150万円に、141万円が201万円に増額されました。年末調整時の収入確認にご注意下さい。
◆本年も1年間、誠にありがとうございました。年末年始の事故・ケガなどにお気をつけください。年末年始休業をお知らせいたします。
「 29日(土)より新年6日(日)まで 」

外国人労働者受け入れ拡大で社会保険制度はどう変わる?◆治療のために来日する医療保険の「ただ乗り問題」
 日本では「国民皆保険制度」として保険証があれば誰でも1~3割の自己負担で受診できます。ところが留学や技能実習制度を利用して、治療のためだけに来日する外国人の問題が指摘されています。
低額な自己負担で、がん治療など高額な保険給付を受けるためです。また来日した家族が本人と偽って保険証を利用する「なりすまし受診」も報告されています。来年4月から外国人労働者の受け入れを拡大するなかで、不正利用をどうすべきかが議論されています。
◆医療保険で母国の家族を除外
 今は外国人労働者が生計を支える3親等以内の親族は海外在住でも扶養家族になれます。母国での受診も申請すれば医療費は協会けんぽや健康保険組合などが負担します。
政府は、膨らむ医療費を考慮して改める方針を固めました。母国に残した家族の医療費は除外する方針です。また日本人の家族で日本国内に生活実態がない場合は扶養家族から除外することも検討しています。
◆社会保険料を長期滞納する外国人の在留を認めない方針
 政府は受け入れ拡大により国民健康保険や国民年金の保険料滞納を警戒。また未加入のまま病院で受診し、医療費を踏み倒すなどが想定されるため、保険料の長期滞納者の在留を認めない方針を固めました。
法務省と厚生労働省が保険料滞納に関する情報を共有し、法務省が在留許可の運用指針要件として追加する方針です。
◆国民年金第3号被保険者に国内居住要件
 厚生年金の加入者が扶養する配偶者(国民年金の第3号被保険者)は、保険料を払わず年金を受け取れますが、受給資格に国内の居住を要件とする方向で検討に入りました。
来年度中にも、国民年金法を改正する方針です。これにより海外で生活する配偶者には年金が支給されません。ただし日本人従業員の配偶者が海外に住んでいる場合の対応が検討課題になります。

定年延長の導入状況と課題◆定年延長の状況
 (独)高齢・障害・求職者雇用支援機構が「定年延長」に関して行った調査(定年延長実施企業調査)の結果等を公表しました。
今現在は「60歳定年とし、その後継続雇用」とする企業が70%以上ですが、65歳以上を定年とする企業も着実に増え25,000社(平成29年現在)を超えています。
定年の延長をしている企業のうち、80%超が定年年齢を「65歳」とし、また95%が全社員を対象にしています。特に人手不足な職種(運転手、薬剤師、介護職、清掃・警備職等)では、職種に応じた定年年齢する企業も一部にあります。また「役職定年制」を導入している企業は、従業員が30人以下で9.3%、301人以上で21.2%でした。
◆仕事内容と賃金水準
 延長後の定年年齢までの仕事内容が、それ以前と同じである企業が90%以上でした。(59歳以前とまったく同じ:53.8%、まったく同じではないが大体同じ:42.5%)。
特に運輸業では、99.1%が同じ(まったく同じ・だいたい同じの合計)でした。仕事が同じだと、賃金をどうするのか問題にもなります。
 定年延長で社員全体の人事・賃金制度の見直しを行った企業は30.2%、行わなかった企業は67.1%でした。賃金は「59歳時点と変わらない」も61.5%でした。
59歳以降の賃金変更方法は、多い順に、①「個別に決めている」②「等級やランクなどで決めている」③「全員一律で同じ水準に決めている」となっています。
59歳時点の賃金水準を100%として、65歳時点の賃金が
「100%以上」が58.3%、
「90%~100%未満」が8.5%、
「80%~90%未満」10.4%となり、
「80%以上」の総合計は77.2%でした。
◆定年延長の提案は経営層から
 大半の企業で、定年延長に向けて検討を開始してから実際に定年を引き上げるまでの期間は半年から1年程度です。また定年延長の提案は77.5%が社長などの経営陣からの提案によるものでした。
◆社員の納得を得るには
 社員の満足度が9割を超える定年延長ですが、導入には、高齢社員の賃金、組織の若返り、健康管理、モチベーション維持が大きな課題になります。給与も個別対応だけでなく、ルールを決めることも必要になります。

従業員の「通勤事故リスク」対策を取っていますか?◆会社が通勤時の事故責任を追及される ケースが増加
 今年10月1日、事故死したトラック運転手の遺族が、原因は過重労働だとして約1億円の損害賠償を求める訴えを起こしました。
同様に、通勤途中で発生した事故をめぐり責任追及されるケースが増えています。
◆上司も書類送検されたケース
 平成29年10月、業務で公用ワゴン車を運転中の兵庫県川西市職員が5人を死傷させる事故が発生。職員は当時、選挙対応で約1カ月間休みがなく、200時間超の時間外労働でしたが、今年4月に自動車運転処罰法違反(過失致死傷)で書類送検されました。 
また過労状態を知りながら運転を命じたとして、上司も道路交通法違反(過労運転下命)で書類送検されています。
◆裁判で和解が成立したケース
 今年2月には横浜地方裁判所川崎支部では、帰宅途中のバイクの居眠り運転で事故死した従業員の遺族が、過重労働が原因だとして損害賠償を求めた裁判は会社が7,590万円支払うことで和解しました。従業員は約22時間の徹夜勤務明けで、事故前1カ月の時間外労働は約90時間でした。
◆裁判官は通勤中の「安全配慮義務」に言及
 裁判所は通勤時にも過労による事故を起こさないよう安全配慮義務があると認定しました。これまで通勤中の事故で会社の責任を認めたものはほとんどなかったため、安全配慮義務が通勤でも必要となってきています。
◆「労働時間把握」だけではリスク回避できず
 働き方改革法では、労働時間把握が使用者の義務として課されることとなりました。
しかし、労働時間を記録等するだけでなく、過労状態で従業員が事故を起こさないような具体策を考える必要がでてきました。

スポット情報●働き方改革実現に向け厚労省が方針(11月15日)
 厚生労働省は、働き方改革の実現に向け、「長時間労働の事業所への監督指導を徹底し、悪質な場合は書類送検などで厳正に対処する」とする政策指針となる基本方針をまとめた。年内にも閣議決定される見通し。
●介護報酬を来年10月に臨時改定~介護職員の賃上げ目指し、厚労省が方針(11月2日)
 厚生労働省は、介護現場の人材不足解消策の1つとして介護職の賃金を引き上げるため、平成31年10月に介護報酬を臨時に改定する方針を固めた。消費税率引上げによる増収分と保険料の計2,000億円で、勤続年数の長い介護職員を中心に処遇改善を図る。12月をめどに大枠が示される見込み。
●9月の有効求人倍率1.64倍に上昇し、正社員は過去最高に (10月30日)
 厚生労働省が発表した9月の有効求人倍率(季節調整値)は、1.64倍(前月比0.01ポイント上昇)で、44年8カ月ぶりの高水準だった。また正社員の有効求人倍率は1.14倍で過去最高値を更新。総務省が発表した9月の完全失業率は2.3%(前月比0.1ポイント低下)で2カ月連続して改善した。
●継続雇用年齢70歳へ ~未来投資会議~ (10月23日)
 安倍首相が議長を務める未来投資会議で、企業の継続雇用年齢を65歳から70歳に引き上げる方針を表明した。関連法改正案を2020年の通常国会に提出する方針。
●派遣労働の約4割正社員希望(10月18日)
 厚労省が発表した平成29年に行った実態調査の結果で、派遣労働者のうち39.6%が正社員で働きたいと回答。一方、派遣労働者が働く事業所で「派遣社員を正社員に採用する制度がある」と回答した事業所は24.4%だった。また派遣労働者の年齢層は40~44歳が16.5%で最多。平均賃金は時給換算で1,363円と平成24年結果に比べ12円増加。
●外国人労働者の永住が可能に(10月11日)
 外国人労働者の受入れ拡大のため、政府は新たに2種類の在留資格「特定技能1号、2号」(仮称)を設け、来年4月の導入を目指す。
技能実習生(在留期間最長5年)が日本語と技能の試験の両方に合格すれば「特定技能1号」の資格を得られる。在留期間は最長5年で、家族の帯同は認められない。さらに難しい試験に合格すれば「特定技能2号」の資格を得られ、家族の帯同や永住も可能となる。
●電子メール等による労働条件通知書交付が可能に (10月8日)
 労働条件通知書について、従来の書面による交付に代えて電子メールやファクスなどによる交付が可能になる。労働基準法施行規則改正により来年4月から適用。電子メール等による受取りを希望した労働者に限られ、印刷してそのまま書面化できるものに限られる。
電子メール等での受取りを希望しない場合は、これまでどおり書面交付が必要です。

経営労務情報 平成30年(2018年)9月号

お知らせ◆本年も「労働保険料申告」「社会保険算定届」へのご協力、誠にありがとうございました。
◆年1回の社会保険料の「定期変更」は10月に支払う給与からです。
お客様へは改めてお知らせいたします。
◆最低賃金が10月より 898円 (愛知県)にまた上がります。今年も大幅な上昇です。
「パート募集時の時給」や「10月以降の給与計算」 にはご注意ください。
◆年金事務所による「社会保険加入促進」が更に強化されています。おどすような文面も届いています。ご不明点は連絡ください。

最低賃金が3年連続で3%増加へ◆政策どおり引上げ
厚労省の中央最低賃金審議会は今年(平成30年)度の地域別最低賃金額改定を公表。
引上げ額の全国平均は26円(昨年度25円)、改定額の全国平均額は874円(同848円)となります。引上げ率は+3.1%で、3年連続+3%以上の引上げとなり政府の「働き方改革実行計画」に沿う形になります。
◆地域別最低賃金
都道府県に適用されるランクは以下の通り(都道府県の経済実態でABCDの4ランク)
・Aランク(+27円)...愛知、埼玉、千葉、東京、神奈川、大阪
・Bランク(+26円)...茨城、栃木、富山、山梨、長野、静岡、三重、他4県
・Cランク(+25円)...北海道、宮城、群馬、新潟石川、岐阜、他8県
・Dランク(+23円)...青森、岩手、秋田、山形、福島、鳥取、島根、他10県
10月から適用(発効日は都道府県ごとによる)。
◆地域間格差の拡大
政府は毎年3%程度引き上げ、全国平均額を1,000円にする目標です。 
最低賃金が高い東京都(985円)と神奈川県(983円)は、1,000円に近く、まだ19県は700円台で地域間格差の拡大も指摘されています。

労働時間の把握、来春より「管理監督者」 にも義務化◆労働時間の記録と保存
来年4月から「管理監督者」の労働時間把握と、その記録の保存が義務化されそうです。(取締役ら経営陣は対象外) 日経新聞7月31日付
◆労働基準法の「管理監督者」とは
労働基準法の「管理監督者」は、労働時間や休日の規定の対象外とされています(ただし深夜割増賃金の支給や年次有給休暇の付与は必要です)。
管理監督者は経営に参画する立場として、自らの労働時間に一定の裁量があるため、労働時間の把握や保存の義務はありませんでした。勤務時間を管理している多くの中小企業の「管理職」はここでいう「管理監督者」にはなりませんので注意が必要です。
◆改正「安全衛生法」の「面接指導」
今回の労働時間把握義務は、労働安全衛生法(安衛法)の、健康管理の「面接指導」に関連するところです。
◆管理監督者の過重労働にも注意
企業の実務上、現在一般社員に行っている出退勤記録と同じことを「管理監督者」にも徹底させる必要がありそうです。
大手電力会社の課長職の過労自殺や、大手フランチャイズ店の店長(「名ばかり管理職」)の過労自殺などの報道を見てくると、管理監督者の過重労働にも注意が必要になります。

66歳以上も働ける企業の割合に関する調査より◆66歳以上まで働ける企業の割合が増加
厚労省の労働市場分析レポート「希望者全員が66歳以上まで働ける企業の割合について」によれば、従業員31人以上の企業では、平成29年度で9.7%(前年比1.2ポイント増)となりました。
◆企業規模が小さいほど65歳を超える高齢者雇用に積極的
企業規模別では、31~100人規模で12%、
101~300人規模で6.2%、
301人以上規模で 3 %
と小さい企業ほど高齢者雇用に積極的です。
ここ5年はゆるやかな増加傾向でしたが平成28年度から平成29年度にかけての伸びは大きくなっています。
◆「定年廃止」 も約3割
「希望者全員66歳以上の継続雇用」が55%、「定年なし」も 26.8% という内訳です。
建設業、情報通信業、宿泊、飲食サービス業などでは、定年を廃止する傾向にあり、人手不足の産業を中心に長く働けるようにしている企業が多いこともわかります。
◆国も 「高齢者雇用」 を推進
厚労省は、従業員が31人以上の企業で「65歳までの継続雇用」を再雇用制度で対応している約12万社を対象に「定年制の撤廃」や「再雇用年齢の引上げ」を呼びかけるとしています。
今後は、高齢者雇用の取組みがますます求められてくる中で、企業としても、処遇制度や研修体制、健康配慮の体制などを整えていく必要がありそうです。

「新たな在留資格」で外国人の長期就労が可能に◆「骨太の方針」のひとつ
政府は、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の原案をまとめ、人手不足対策として、外国人材の受け入れを拡大するため「新たな在留資格」の創設を予定しています。
現在は単純労働の分野で外国人就労を原則として禁止していますが、医師や弁護士など高度な専門性を持った人材は積極的に受け入れ家族の帯同も認めています。
今回の新たな在留資格の対象は、人手の確保が難しく、業種の存続・発展のために外国人材の受け入れが必要と認められる業種(農業、介護、建設、宿泊、造船)の5分野を想定しています。
◆最長で10年の就労が可能
日本では約128万人の外国人が働いています。内訳は多い順に、①永住者や日本人と結婚した配偶者、②留学生などのアルバイト、③技能実習生、④専門性が高い医師や研究者などです。
技能実習生は約25万8,000人で、5年前のおよそ2倍です。今回の原案では、技能実習生に対する5年の就労延長を想定した新資格の創設を明記。実現すれば最長で10年の就労が可能となります。
政府は秋の臨時国会にも出入国管理法改正案を提出し、来年4月からの導入を目指しています。
さらに新資格を得た人が、日本語や専門 分野の試験に合格した場合には、在留期限の上限を撤廃し、家族の帯同も認める考えも掲げました。
◆技能実習制度が骨抜きになるとの懸念も
平成5年に始まった技能実習生制度は、 本来は途上国への技術移転が目的でした。
日本での就労期間が延びると、身に付けた技術を母国で活かす機会は遠のきます。
今回の案は、技能実習制度を骨抜きにする可能性も指摘され、事実上の移民政策につながるとの懸念の声も上がっています。
◆法務省で在留情報を一元管理
政府は、法務省に「在留管理インテリジェンス・センター」(仮称)を設け、雇用や婚姻などの情報を一元管理させることで、不法就労を防ぐとしています。
法務省は、外国人の離職や転職などの状況を把握しやすいよう、雇用保険を所管する厚生労働省との情報共有を進める方針です。
日本人と結婚した外国人が離婚した場合などに自治体と提携して情報を得るための法整備を進めます。
また外国人留学生の勤務先や勤務時間の管理を強化し、法定時間(1週間あたり28時間以内)を超えれば在留許可を取り消す方針です。

スポット情報●「70歳雇用」実現に向け、高齢者就労促進施策を検討 ~政府方針~ (9月6日)
政府は、原則70歳まで働き続けることができるよう、環境整備を始める。高齢者雇用に 積極的な企業への補助金の拡充、高齢者が働く意欲を高めるために評価・報酬体系の官民での見直しを行うとともに、高年齢者雇用安定法を改正し継続雇用年齢を徐々に70歳にまで引き上げる方針。今秋から本格的な検討に入る。
●留学生の就職可能業種緩和へ ~法務省が在留資格拡大を検討~(9月6日)
法務省は、外国人留学生らが日本で就職しやすくなるよう在留資格を得られる職種を広げる方針を固めた。「特定活動」の対象を拡大し、レストランでの接客業務やアニメーターのアシスタント等の仕事に就くことを可能とする。 
同省の告示を改正し、来年4月の運用開始を目指す。
●求人倍率1.63倍  ~44年ぶり高水準~ (8月31日)
厚労省が7月の有効求人倍率を発表し、前月比0.01ポイント上昇の1.63倍だったことがわかった。上昇は3カ月連続で44年ぶりの高水準。
●社会保障給付費が過去最高(8月31日)
国立社会保障・人口問題研究所は、平成 28年度の社会保障給付費について、前年度と比べ1.3%増え、116兆9,027億円だったと発表した。高齢化に伴う医療費や介護費の増加が影響し、過去最高を更新した。
●厚生年金、パート適用拡大へ (8月27日)
厚労省が、厚生年金に加入するパート労働者の適用対象を拡大することを検討していることがわかった。パート労働者の月収要件を、現在の8.8万円から6.8万円に緩和することなどが軸。9月にも社会保障審議会に検討会を設置する。
●入国在留管理庁(仮) ~来年設置へ~ (8月25日)
法務省は、平成31年4月に「入国在留管理庁」(仮称)を設置する方針を固めた。現在4,870人いる入国管理局を再編し、「庁」に格上げ。外国人労働者の受入れ拡大への対応や、不法就労の取締り等を強化する。
●パワハラ対策で中小企業を支援(8月17日)
厚労省は9月から、中小企業のパワーハラスメント対策の支援に乗り出す。パワハラ対策は従業員1,000人以上の企業の88%が対策を行っているのに対し、99人以下では26%にとどまる。このため全国約100社を対象に、専門知識を持った社労士らを無料で 派遣し、相談窓口の設置や社内規定の整備などを後押しする。

経営労務情報 平成30年(2018年)3月号

Ⅰ お知らせ◆3月より 「健康保険料」 「介護保険料」の保険料率が下がります。給与の保険料は、「4月に支払う給与」から下げることになります。お客様へは改めてお知らせいたします。
◆本年4月からの「雇用保険料免除(不要)」対象者は昭和29年4月1日以前生の方です。対象者は改めてお知らせいたします。
◆4月から6月に支払う「給与総額」にご注意ください。本年9月から1年間の社会保険料は4月から6月に支払う給与の「平均額」で決まります。この間で残業などの手当が多いと社会保険料が増えてしまいます。
◆4月は入社・異動が増え「年金事務所」への申請が多くなり「保険証」が届くのが遅れてしまいます。早めの連絡をお願いいたします。

Ⅱ 無期転換ルールがスタート
◆「無期転換ルール」とは
平成25年4月の「労働契約法」の改正で、同じ使用者(企業)との「有期労働契約」が「5年」を超えて更新されてきた場合に、労働者からの「申込み」によって「無期労働契約」に転換されるルールのことです。今年4月で5年経過し、いよいよ「申込み」がスタートすることになります。
例えば、「契約期間1年」の場合、5回目の更新後の1年間に無期転換の申込権が発生し、使用者は断ることができません。
◆切り替えを回避する動きも
雇用の安定が目的の制度ですが、再雇用する際に空白期間が6ヶ月以上あると、それ以前の契約期間はリセットされ、通算されないという抜け道もあります。これを利用し、大手自動車メーカーは契約終了後に6ヶ月の空白期間を設けて、無期雇用への切り替えを回避する動きも見られています。
◆「無期雇用転換者」=「正社員」?
もう一つの注意点は、「無期雇用転換者」=「正社員」と考えなくてもよい点です。正社員と区別し別管理をする企業もあり、選択を各企業で決めることになります。考えられる選択肢は
(1)「同一条件で契約期間のみを変更」
(2)「多様な正社員(勤務地、労働時間、職務などに制約を設けた正社員)へ転換」
(3)「正社員へ転換」など。各企業は業務にふさわしい形態を選ぶ必要があります。
◆導入へのステップ
企業が「無期転換ルール」を導入するには、
(1)「有期契約者の実態を調べる」
(2)「仕事を整理し任せる仕事を考える」
(3)「労働条件見直し就業規則を改正する」
(4)「運用と改善を検討し実行する」
といったステップが必要とされています。
人手不足が進む中、より柔軟な人材の登用や、「契約期間の変更」 →「多様な正社員」 →「正社員」といった変更制度を設けるなど、一層の工夫が求められるようになりそうです。

Ⅲ 日本国内で雇用される「外国人数」が過去最高を記録◆外国人雇用状況の「届出制度」
外国人労働者の「雇用管理の改善」や「再就職支援」などを目的とし、すべての事業主に、外国人労働者の雇入れおよび離職時に「氏名」「在留資格」「在留期間」などを確認し、ハローワークへの届出が義務づけられています。
届出対象者からは「特別永住者」「在留資格」「外交」「公用」者は除かれます。
以下は、平成29年10月末時点の届出件数を基準にしています。
◆外国人雇用状況の概要
外国人労働者数は127万8,670人で、前年同期比で19万4,901人(18.0%)増加し、過去最高を記録。増加要因は、
①「高度外国人材や留学生の受入れが進んでいること」
②「永住者や日本人の配偶者等の身分に基づく在留資格者などの就労が進んでいること」
③「技能実習制度の活用が進んでいること」等。最多の国籍は、①中国37万2,263人(全体の29.1%)、②ベトナム24万259人(同18.8%)、③フィリピン14万6,798人(同11.5%)。
在留資格別では、身分に基づく在留資格の45万9,132人(35.9%)が最多、資格外活動(留学)25万9,604人(20.3%)、技能実習25万7,788人(20.2%)、専門的・技術的分野23万8,412人(18.6%)でした。
◆事業所状況
雇用事業所は、全国で19万4,595件。前年同期比2万1,797件の増加し過去最高を更新しました。
都道府県別では、①東京都5万4,020件(27.8%)が最多、②愛知県1万5,625件(8.0%)、③大阪府1万2,926件(6.6%)、
④神奈川県1万2,602件(6.5%)、⑤埼玉県9,103件(4.7%)でした。
◆産業別状況
産業別では、製造業が最多で全体の30.2%が就労していますが、建設業およびサービス業のでは減少傾向です。

Ⅳ 「働き方改革」って、実際進んでいるの?◆企業における「働き方改革」の実態
政府が推進する「働き方改革」の名のもとで様々な「働き方」の見直しが進められています。関連する国の動きや企業事例などがメディアでも多く取り上げられています。
一方で実態が伴わない「働き方改革」に対する批判もあります。実際、企業ではどのように受け止められているのでしょうか。
◆取り組んでいない企業も
株式会社オデッセイによる、全国の人事部門または「働き方改革」に係わる部門に所属している担当者を対象とした「働き方改革に関する意識アンケート」の結果では、約8割が「働き方改革」の必要性を感じていると回答したものの、実際に「働き方改革」に取り組んでいるのは約5割という結果でした。
必要性を感じるものの、実行できていないことがわかります。
◆労働時間の改善、休暇取得促進への取組みが中心
「働き方改革」の具体的に取り組んでいることで最も多かったものは、①「労働時間の見直しや改善」、②「休暇取得の促進」でした。
また「女性の働きやすい環境作り」と「育児・介護中の社員が働きやすい環境作り」という回答も多く集まり、女性を支援する施策に取り組んでいる企業も多いことがわかります。
◆実現にはまだまだ課題も
株式会社リクルートマネジメントソリューションズが、企業の人事制度の企画・運営および「働き方改革」推進責任者を対象に実施した「『働き方改革』の推進に関する実態調査」の結果では、「働き方改革」推進上の課題として、「社外を含めた商習慣を変える難しさ」を挙げる回答が62.1%と最も多く、「現場や他部署との連携が難しい」(54.0%)、「マネジメント難度上昇への懸念」(50.3%)が続いています。
◆自社の現状を踏まえて適切な対応を
人材確保や従業員のメンタルヘルス対策等の面からも、企業の「働き方改革」に対する取組みは今後も重要性が増しそうです。
自社の現状を見極めながら適切な対応を考えていく必要があります。

Ⅴ スポット情報●国民年金未納者の強制徴収 対象者を拡大へ(1月29日)
日本年金機構は、国民年金保険料の未納者の財産を差し押さえる強制徴収の対象を拡大する方針を社会保障審議会で示した。今年4月から、年間所得300万円以上で未納期間7月以上の人とする考えで、対象者は今年度の約36万人から1万人程度増える見込み。

●同一労働同一賃金・残業規制、中小企業への適用延期へ(1月25日)
厚生労働省は、今国会に提出予定の働き方改革関連法案で、中小企業に適用する時期を、①時間外労働時間の上限規制は2020年度から、②「同一労働同一賃金」は2021年度からと、1年延期する方針を固めた。高度プロフェッショナル制度については、従来通り 2019年度。法案の審議入りが予算成立後の4月以降となる見通しで、施行定や就業規則、人事・賃金制度の見直し等の準備期間が  十分に確保できないため。

●公的年金支給額は据え置き(1月26日)
厚労省は、2018年度の公的年金の支給額を今年度と同じに据え置くと発表。物価が上がる一方で賃金が下がったため据え置くこことした。支給額が増える時に伸び幅を抑えるマクロ経済スライドも発動されない。

●40歳以上の転職では賃金減(1月21日)
内閣府が公表した「日本経済2017―2018」(ミニ白書)では、2004年から2016年にわたり40歳以上の転職では賃金が常に減少していることがわかった。29歳以下ではほぼ全期間で賃金が増えており、年齢が転職後の賃金上昇率を大きく左右していると指摘している。2016年の転職者数は7年ぶりに300万人を超え、306万人となっている。

●年金受給開始年齢「70歳超」も選択可能に 政府案(1月18日)
政府が「高齢社会対策大綱案」を示し、公的年金の受給開始年齢について、受給者の選択により70歳超に先送りできる制度の検討を盛り込んだ。厚生労働省が制度設計を進めたうえで2020年中の法整備を目指す考え。

●労働基準監督官 人手不足対応でOBを雇用へ(1月10日)
厚労省は、残業などの監督指導を強化するため、2018年度から監督官のOBを非常勤として雇用する考えを示した。監督官の人手不足に対応するもので約50人の採用を予定。

●未払い賃金請求の時効期間延長について議論開始、厚労省検討会(12月27日)
厚生労働省の有識者検討会は、未払い賃金の「請求権の時効延長」に向けて議論を開始した。現行の労働基準法では、労働者は過去2年分の未払い賃金を会社に請求することができるが、民法改正に合わせて最長5年まで延長するかが焦点となっている。検討会では法改正に向けて議論し、2019年に法案を国会に提出。2020年にも適用する考え。

●労災保険料率を0.02ポイント引下げへ(12月21日)
労働政策審議会は、労災保険の料率を2018年度から全業種平均で0.02ポイント引き下げ、0.45%とする政府方針を了承。労災死亡事故の減少で積立金が増加等によるもので、引下げにより企業の負担は年間約1,311億円軽くなる見込み

経営労務情報 平成29年(2017年)12月号

Ⅰ お知らせ◆賞与の社会保険料率にご注意を(以下は本人負担率です) 厚生年金 9.15 %
健康保険 4.96 %、介護保険 0.825 %(健康保険+介護保険 = 5.785 %)
◆インフエンザのワクチンを接種しましょう。
感染予防、欠勤短縮、早い回復にも効果的です。接種費用の会社負担も可能です。
手洗い、うがいの徹底も大切です。
◆年末調整が始まります。従業員のマイナンバーの取り扱いには十分ご注意ください。
◆本年も1年間、誠にありがとうございました。
年末年始の事故・ケガ・風邪などにお気をつけください。
年末年始休業をお知らせいたします。「29日(金)より新年4日(木)まで」

Ⅱ 中小企業の7割近くが「賃上げ」を 実施、 その理由とは ?◆企業規模別の調査
10月下旬、経済産業省より平成29年度「企業の賃上げ動向等に関するフォローアップ調査」の結果が発表されました。
この調査は、「大企業調査」(東証一部上場企業2,001社のうち364社が回答、回答率18.2%)と、「中小企業調査」(中小企業・小規模事業者30,000社のうち8,310社が回答、回答率27.7%)に分かれています。
◆中小企業が積極的に賃上げを実施
大企業では、常用労働者の賃上げを実施は89.7%(前年度90.1%)、中小企業・小規模事業者では、66.1%(前年度59.0%)となりました。
前年度と比較すると、中小企業が積極的に賃上げを行っている傾向がうかがえます。
◆中小企業が賃上げを実施する理由は?
賃上げを実施した理由のベスト5は、
(1)人材採用・従業員の引留めの必要性(49.2%)
(2)業績回復・向上したため(34.3%)
(3)他社の賃金動向(21.6%)
(4)最低賃金引上げのため (11.4%)
(5)業績連動型賃金制度のため(15.3%)
◆賃金規定、人手不足に関する状況
中小企業・小規模事業者で、賃金表等を含む「賃金規定」を定めているとの回答は61.0%。
「人手不足・人材不足」を感じているとの回答は66.4%、採用活動方法については、「ハローワーク」が最多(78.7%)となっていました。

Ⅲ 来年1月から「募集」や「求人申込み」の制度が変わります!。◆職業安定法の改正
来年1月1日から施行の、募集や求人申込み制度の主な変更点は以下のとおりです◆労働条件の明示について
ハローワーク等への求人申込み、ホームページ等での募集の際、「業務内容」「契約期間」「就業時間」「賃金」といった労働条件の明示は必要でしたが、今回の改正では労働条件に変更があった場合は、「可能な限り」速やかに変更内容の明示が必要になりました。
面接等の過程で労働条件に変更があった場合も速やかに求職者へ知らせる必要があります。
◆追加された明示を必要とする「労働条件」
今回の改正により書面交付を必要とする項目に、「試用期間」、「裁量労働制(採用企業)」、「固定残業代(採用企業の場合)」、「募集者の氏名または名称」、「雇用形態(派遣労働者として雇用する場合」)の明示が追加されました。
◆変更明示の方法
下記の場合は変更明示が必要となりました。
(1)「当初の明示」と異なる内容の場合
例)当初:基本給30万円⇒基本給28万円
(2)範囲のある「当初の明示」の条件を、確定提示する場合
例)当初:基本給25万円~30万円 ⇒  基本給28万円
(3)「当初の明示」の条件を削除する場合
例)当初:基本給25万円+営業手当3万円 ⇒ 基本給25万円のみ
(4)「当初の明示」していなかった条件を追加する場合
例)当初:基本給25万円 ⇒基本給25万円+営業手当3万円
明示の方法は、「変更前と変更後の内容が対照できる書面」、「労働条件通知書で、変更事項に下線を引く、着色する」など、変更内容をより理解できる方法が必要となります。

Ⅳ 「高齢まで働くことができる中小企業」 が 増加中!◆高年齢者の雇用状況
厚生労働省が平成29年「高年齢者の雇用状況」(6月1日現在)を公表。従業員31人以上の企業15万6,113社の状況が報告されました。このうち中小企業(従業員31人~300人規模)の状況も以下のとおりです。
◆「定年制の廃止」、「65歳以上定年企業」
定年制の廃止企業は4,064社(前年比変動なし)、割合は2.6%(同0.1ポイント減)となり、定年を65歳以上としている企業は2万6,592社(同2,115社増)、割合は17.0%(同1.0ポイント増)となりました。
このうち、定年制を廃止した中小企業は3,983社(同1社増加)、2.8%(同0.1ポイント減)でした。また、65歳以上の定年としている中小企業は2万5,155社(同1,968社増)、18.0%(同1.1ポイント増)でした。
◆「希望者全員66歳以上の継続雇用制度導入」
希望者全員が66歳以上まで働ける継続雇用制度を導入している企業は、8,895社(同1,451社増)、割合は5.7%(同0.8ポイント増)となり、このうち中小企業は8,540社(同1,393社増)、6.1%(同0.9ポイント増)という状況です。
◆「70歳以上まで働くことができる」
70歳以上まで働ける企業は、3万5,276社(同2,798社増)、割合は22.6%(同1.4ポイント増)となり、このうち中小企業は3万2,779社(同2,504社増)、23.4%(同1.3ポイント増)という状況でした。
◆労働人口減への対策
以上のように、2025年までに700万人が減ると言われている日本の人口問題を抱え、人手の確保のため、定年制の廃止や、さらなる定年延長を行う中小企業は着実に増加しています。
継続雇用制度の拡大に伴い、「会社諸規則」は定期的な見直しが必要となります。
ただし再雇用に伴う「賃金変更」や「職種変更」を行う場合は、より慎重な検討が必要となります。

Ⅴ ス ポ ッ ト 情 報●「解雇の金銭解決」検討促進を提言 自民党(11月21日)
自民党は、解雇の「金銭解決ルール」の検討を急ぐよう求めることを内容とした政府への提言案をまとめ、政府に申し入れる考えを示した。金銭解決制度があれば雇用の流動性が高まり、成長分野への人材移動が起こりやすくなるとされていますが、政府では本格的な検討が始まっておらず、提言案には「労働政策審議会で速やかに検討に着手する」との文言を明記した。

●大卒内定率が75.2%で過去最高水準(11月17日)
厚生労働省・文部科学省が、来春大卒予定者の就職内定率(10月1日時点)を発表。
75.2%(前年同期比4.0ポイント増)となり、調査開始以降で過去最高となったことがわかった。国公立は73.3%(同5.7ポイント増)、私立は75.7%(同3.3ポイント増)、文系は74.4%(同3.0ポイント増)、理系は78.6%(同7.9ポイント増)となった。

●「マイナンバー」と「年金情報」の連携  来年3月から順次導入へ(11月10日)
政府は、日本年金機構と自治体がマイナンバーを使った個人情報の共有を可能とする政令を閣議決定した。年金事務所での手続きで課税証明書などが不要になったり、自治体で各種手当の申請を行う際にも年金書類が不要になったりする。来年1月から稼働テストを開始し3月から順次導入する考え。

●4割の企業が「面接解禁前」 に内々定(11月7日)
平成29年度の就職活動について、全国の大学でつくる就職問題懇談会と内閣府が企業や学生を対象に行った調査結果を発表し、経団連が定めている採用面接解禁日(6月1日)より前に内々定を出したと回答した企業が39.6%(前年度比4.8ポイント増)だったことがわかった。選考開始時期については「6月」と回答した企業が最多(33.8%)だったが、「5月以前」とする回答が計59.3%だった。

●適職探しの情報サイトを平成29年度にも運用開始、厚労省(11月6日)
厚生労働省は、働き方改革の一環として、就職を控えた学生や求職者が自らに適した職業を見つけやすくするため、インターネット上で職業情報を網羅的に提供するサイトを開設する方針を示した。2019年度末の運用開始を目指すとしている。

●外国人技能実習制度 法施行で新制度スタート(11月1日)
技能実習法(外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)が施行された。技能実習生制度の拡大と実習生の保護強化を目的とするもので、新制度では、優良な管理団体や企業については実習の最長期間が5年(従来は3年)に延長され、技能実習の対象職種に「介護」が加わった。
一方、実習生の保護強化のため、新設した「外国人技能実習機構」 が受け入れ先などを監督し、技能実習計画を審査・認定する体制が整備され、外出禁止などの私生活の不当制限やパスポート取り上げなどの人権侵害行為には罰則が設けられた。

●法人所得が7年連続増 過去最高額に(10月19日)
国税庁が、平成28年度に決算期を迎え、今年7月末までに税務申告があった法人の所得総額が、過去最高の63兆4,749億円となったことを明らかにした。昨年度から3.2%増加して7年連続の上昇。建設業やサービス業が特に伸びた。

●9月の求人倍率は1.52倍 高水準を維持(10月31日)
昭和49年2月以来の高水準を持している。正社員の有効求人倍率は1.02倍で、4カ月連続で1倍を上回った。総務省が発表した9月の完全失業率は、前月と同じく2.8%だった。

経営労務情報 平成29年(2017年)9月号

Ⅰ お知らせ◆ 今年も厳しい 残暑 が続きます。外作業、工場内の「熱中症」には十分ご注意ください。
◆ 最低賃金が、10月より 871円(愛知県) にまた上がる予定です。今年もまた大幅な上昇です。パート募集時の時給や、10月以降の給与計算時にはご注意ください。
◆ 年1回 の 社会保険料 の「定期変更」は、10月 に支払う給与 からです。
「厚生年金」の 料率 も また 上がります。 お客様へは改めてお知らせいたします。
◆ 年金事務所による社会保険「未加入」事業所への「加入促進」が強化されています。 1人以上の法人と5人以上の個人事業が対象になります。 ご不明な点はご遠慮なくお問い合わせください。
◆ 本年も「労働保険料申告」「社会保険算定届」にご協力頂きありがとうございました。

Ⅱ 「人手不足倒産」が増えている! 深刻化する企業の人手不足問題◆「人手不足倒産」増加の状況
人手不足の問題が各方面で叫ばれています。帝国データバンクが7月上旬に公表したデータでは、人手不足による倒産件数は4年前の約2.9倍に増えています。
平成29年上半期の「人手不足」による倒産件数は前年同期比で44.1%増、2年連続の前年同期比増でした。
倒産件数全体では、「人手不足倒産」の割合はまだ小さいですが、業種や倒産する会社の規模に変化が出てきおり、人手不足の影響の広がりが懸念されています。
◆影響が出ている業界にも変化が
人手不足倒産の業種は、以前から「介護事業」や「IT関連」などが高くなっていましたが、近ごろはこれらの資格やノウハウがいらない業種でも人手不足倒産が増えています。
退職する社員が、待遇や給与を理由にして他の従業員を引き抜いて退社し、人材不足から倒産に陥るという事例も見られます。
◆影響が出ている中小企業は約7割
日本商工会議所の調査(全国約 3,500の中小企業を対象)では、「人手不足の影響あり」と回答した企業は約7割に上りました。
具体的な影響は、「売上維持・売上増への対応が困難」53.3%、「従業員の時間外労働増加や休暇取得の減少」48.8%、「業務・サービスの質低下」46.1%となり、人手不足への対応策としては、「既存従業員の多能工化・兼任化」53.5%、「採用活動の拡大」51.6%、「離職防止や新規人材獲得の為の労働条件の改善」38.8%となっています。
◆問題が起きていない企業も他人事ではない
今後、人手不足はさらなる影響の拡大が懸念されます。経済産業省では、昨年10月に『中小企業・小規模事業者の人手不足対応研究会』を立ち上げました。企業も動向も見極めながら、人材確保策を考えていくべきでしょう。

増加する「過重労働」に関する脳・心臓疾患、精神疾患の労災請求
◆平成28年度「過労死等の労災補償状況」
厚生労働省は、過重労働で発症した脳・心臓疾患や、ストレスなどが原因で発病した精神障害に関して、平成14年から、労災の請求件数や支給決定件数などを年1回取りまとめています。今回平成28年度の集計結果が公表されました。
◆脳・心臓疾患に関する労災補償状況
請求件数は825件で、前年より30件増加。支給決定件数は260件で前年比9件増、うち死亡件数も同11件増の107件。
業種別では、「運送業、郵便業」が212件と最も多く、次いで「卸売業、小売業」106件、「製造業」101件と続きます。
年齢別では、「50~59歳」が請求件数266件、支給決定件数99件とともに一番多く、「40~49歳」が請求件数239件、支給決定件数90件と、2番目に多くなりました。
時間外労働時間別の支給決定件数は、「80時間以上~100時間未満」が106件で最多、「100時間以上」の合計件数は128件。
◆精神障害に関する労災補償状況
精神障害の請求件数は、前年から71件増の1,586件と過去最多。未遂を含む自殺件数は前年から1件減の198件。支給決定件数は498 件で前年から26件増加、うち未遂を含む自殺の件数は前年から9件減の84件。
業種別請求件数は 「医療、福祉」302件、「製造業」279件、「卸売業、小売業」220件、支給決定件数は「製造業」91件、「医療、福祉」80件、「卸売業、小売業」57件でした。
年齢別では、「40~49歳」歳の請求件数が542件、支給決定件数が144件と最も多く、次いで「30~39歳」の請求件数が408件、支給決定件数136件でした。
理由別の支給決定件数は、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」が74件、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」が63件でした。
企業側は、事業場の労災事故に限らず、労働時間・働き方等の管理も必要な状況になってきました。

厚生労働省が労働法令違反による送検企業名を H P で公表◆全国の労働局の送検企業を一覧で公表
厚生労働省は今年5月上旬から、長時間労働や賃金不払い、労災につながる安全配慮義務違反などの労働関係法令に違反した疑いで書類送検した企業名を、同省ホームページ(HP)に掲載しました。
最初に掲載されたのは334件で、全国の労働局が昨年10月以降に書類送検した企業・事業所名、所在地、公表日、違反した法律、事案概要などを県別に並べてあります。
各労働局の発表内容を一覧表にまとめて公表したのは初めてです。
◆安衛法違反の事例が最多
リストの内訳をみると、企業が安全対策を怠った労働安全衛生法違反が209件で最も多く、次いで賃金未払いなど最低賃金法違反が62件、違法な長時間労働などの労働基準法違反が60件、労働者派遣法違反19件。
労働基準法違反では、女性社員が過労自殺した電通や、違法残業の疑いで書類送検されたパナソニック、労災事故を隠した疑いで書類送検された日本郵便などの大企業も含まれました。
他に36協定を超える違法残業の疑いで、印刷会社や運送会社などが書類送検されました。同じ会社が複数回書類送検されたケースもあり、地域別では最も多かったのが愛知労働局の28件、次いで大阪労働局の20件、福岡労働局の19件でした。
◆一覧は毎月公表、掲載期間は1年
厚生労働省は各労働局に、企業を書類送検したら公表するよう通達しています。
これまでは報道機関に資料配布だけが大半でしたが、昨年末に発表した「『過労死等ゼロ』緊急対策」の一環として、「一覧表にして社会に警鐘を鳴らす狙いがある」としています。
その後は月に一度内容が更新されています。公表期間は書類送検した日から約1年です。期間中に違法状態を改善した企業名は、ホームページから削除されます。

ス ポ ッ ト 情 報●外国人技能実習生への法令違反事業場が過去最多(8月9日)
厚生労働省は、平成28年に外国人技能実習生に対する労働関係法令違反が発覚した事業場が4,004事業所あり、平成15年以降で最多となったと発表した。
法令違反の内訳では「労働時間」(23.8%)が最も多く、「使用する機械に対して講ずべき措置などの安全基準」(19.3%)、「割増賃金の支払」(13.6%)が続いた。

●長期失業者68万人 19年ぶりの低水準(8月9日)
総務省が今年4~6月の「労働力調査」の結果を発表し、求職期間が1年以上に及ぶ「長期失業者」は68万人(前年同期比10万人減)で、約19年ぶりの低水準となったことがわかった。年齢別では35~44歳の女性の減少幅が最も大きかった。

●正社員の有効求人倍率が初めて1倍超に(7月28日)
厚生労働省は、6月の有効求人倍率(季節調整値)が43年4カ月ぶりに1.51倍(前月比0.02ポイント増)となったと発表した。
また、正社員の有効求人倍率は1.01倍となり、平成16年11月の集計開始以来、初めて1倍を超えた。
また、総務省の発表による同月の完全失業率(季節調整値)は2.8%(前月比0.3ポイント低下)だった。

●児童扶養手当の支給を「年6回」に変更へ(8月14日)
厚生労働省は、低所得のひとり親家庭向けの児童扶養手当について、2ヶ月ごとの年6回支給に見直す方針を明らかにした。
現在は4ヶ月ごとにまとめて支給しているが、小まめに受け取れるようにすることで家計管理を手助けするのが狙い。
自治体のシステムの改修し、平成31年度にも変更される見込み。

●女性管理職が過去最多に(8月10日)
厚生労働省は、平成28年度の女性管理職(課長相当以上)の割合が、平成21年度以降で過去最高の12.1%だったと発表した。
役割別では「部長相当職」が6.5%、「課長相当職」が8.9%と、いずれも前年度より上昇。
産業別では「医療・福祉業」50.6%、「飲食・宿泊サービス業」21.0%で割合が高かった。

●派遣事業の許可基準を緩和へ(8月7日)
厚生労働省は、労働者派遣法に基づく派遣事業の許可基準を緩和し、9月上旬にも適用する方針を固めた。
現状では派遣労働者への賃金支払いを滞らせない目的で「純資産額」や「現預金額」に要件が設けられているが、地方自治体と債務保証や損失補填の契約を結ぶことを条件に、これらの要件を撤廃する。

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