経営労務情報 令和6年(2024年)9月

お知らせ◆最低賃金 が10月1日より50円上がり1,077円(愛知県)となります。
今年も過去最大の増額となります。
パートさんの時給と、社員の基本給や手当など固定して支払う月額または日額が、時間単価に換算した場合に、最低賃金額以上となっている必要があります。
◆年1回の社会保険料の「定期変更」です。
「社会保険の算定基礎届」に基づく年1回の社会保険料の「定期変更」は、10月に支払う給与から対象となります。個人ごとに社会保険料を、変更する必要があるかをご確認ください。
◆ 今年も厳しい 残暑 が続いています。
外作業、工場内の「熱中症」にご注意ください。
暑い夏が来年も続きそうです。熱中症対策用品が次々出ていますので、来年のためにも、取引先やお知り合いから教えていただくのも良いかと思います。
◆ マイナ保険証は12月2日よりスタート。
健康保険証がマイナンバーカードへ移行する(マイナ保険証)ため、今年12月2日から健康保険証は新規発行されなくなります。
お手元の健康保険証は最長1年間ほど使用できます。
◆社会保険の適用が拡大されます。
10月より従業員数が51~100人の企業でも下記条件以上のパートさんなどは社会保険が適用されます。(会社の負担はまた増加します)
1. 週の所定労働時間が20時間以上
2. 所定内賃金が月額8.8万円以上
3. 2か月を超える雇用の見込みがある。
4. 学生ではない。


「人手不足倒産」過去最多ペースで増加帝国データバンクが、2024年上半期における「人手不足倒産」の件数を公表しました。
2023年上半期の110件を大きく上回る182件もの「人手不足倒産」が発生し過去最多ペースで推移しています。
【「人手不足倒産」とは、法的整理(倒産)となった企業のうち、従業員の離職や採用難等により人手を確保できなかったことが要因となった倒産をいいます】
◆倒産件数の8割が「従業員10人未満」
2024年上半期における「人手不足倒産」182件のうち、「従業員10人未満」の小規模事業者の割合は8割を占めています。厚生労働省の労働力調査(2024年5月)によれば、就業者数は22カ月連続で増加しており、人手不足感は落ち着きつつあるものの、1人の退職者が与えるダメージが大きい小規模事業者では、依然として「人手不足倒産」に追い込まれる可能性は高いと予測されています。
◆「2024年問題」の影響も
物流業や建設業では、働き方改革関連法による時間外労働の上限規制が2024 年4月からの適用による人手不足(いわゆる「2024年問題」)の影響があり、倒産件数は、建設業で53件、物流業で27件となり、どちらも上半期としては過去最多でした。特に物流業では、時間外労働上限規制や改善基準告示 (運転者の労働時間等改善の基準)が改正されたことで2023年上半期の15件と比較してほぼ倍増となりました。
1人が退職すると、残された社員でその穴を埋めることになり、負荷に耐えきれずドミノ倒し的に退職が連鎖する事例も多いようです。採用の強化や労働条件の改善による離職防止など、自社にあった人手不足対策の検討が必要です。
 
最低賃金をめぐる動向◆「最低賃金」制度の例外
最低賃金は、その金額以上の賃金を支払わなければなりませんが、例外として身体や 精神の障害によって一般の労働者より「著しく」労働能力が低いなどの場合は、労働局長の 許可を受けることで最低賃金を減額できる 特例が認められています。ただし簡単な許可ではありません。
◆昨今の最低賃金事情
2024年度の最低賃金の引上額は50円となり、1,000円の大台に乗った2023年度の額を超え4年連続で過去最大となりました。
今年も、最低賃金は引き上げられましたが、すでに社会的な人手不足等により、各業界におけるパートタイム労働者等の時給はさらに上昇しているのが現状です。
厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年6月分結果速報」によると、パートタイム労働者の時給は平均1,338円で、前年同月比4.9%増となっています。

個人データの漏えい事案が大幅増◆個人データ漏えい事案の増加
総務省所管の「個人情報保護委員会」は令和5年度の年次報告として個人データの漏えい等事案について、12,120 件(前年度7,685 件)の報告処理があったと報告しました。
◆漏えいした情報の種類
漏えいした情報の種類としては「顧客情報」が83.5%と最も多くなりました。形態別に見ると、紙媒体のみの漏えいが(82.0%)で、電子媒体のみの漏えい(12.2%)より多くなっています。また類型による分類では、最も多いのが「要配慮個人情報を含む個人データの 漏えい等」(89.7%)、次いで「不正アクセス等、不正の目的をもって行われた個人データの漏洩など」(8.1%)でした。
◆発生原因の多くがヒューマンエラー
報告書では、漏えい事案の発生原因の多くが誤交付、誤送付、誤廃棄および紛失といったいわゆるヒューマンエラーでした。
最近では不正アクセス等による漏えい事案も増加しています。企業としては、ハード面、ソフト面あらゆる角度からの対策が必要になってきています。

「退職代行」による退職経験した大企業は約2割東京商工リサーチは今年6月3日~10日、企業を対象に「人材確保の施策」と「退職代行」についてインターネットでアンケート調査を実施しました。(有効回答は5,149社)
◆大企業は18.4%、中小企業は8.3%
2023年1月以降「退職代行」業者による 退職があったか」という質問では、大企業は499社中92社(18.4%)、中小企業は4,650社中387社(8.3%)が「あった」と回答しました。
全体では「正社員・非正規社員の場合」(1.9%)、「正社員のみの場合」(0.9%)となり、合計し「退職代行の退職があった」企業は9.3%と約1割に上りました。
◆「洗濯・理容・美容・浴場業」の業種が最多
業種別では「洗濯・理容・美容・浴場業」(33.3%)に続いて、百貨店を含む「各種商品小売業」(26.6%)、旅館やホテルなどの「宿泊業」(23.5%)が上位を占め、消費者と対面する接客業や販売業も多く見られました。
「自分からは言い出しにくい」、「早く退職したい」など従業員が退職代行を利用する理由は様々です。企業としては職場の環境整備や、相談しやすい雰囲気作りがますます求められそうです。

公的年金、令和6年財政検証結果財政検証は「年金の健康診断」ともいわれ、5年に一度、今後100年間の年金財政がもつかをチェックする制度です。
◆給付水準の調整終了年度と最終的な所得代替率の見通し
会社員の夫と専業主婦という世帯の「モデル年金」は、今年度は月額22万6,000円で、現役世代の男性の平均手取り収入37万円に対する割合(所得代替率)は61.2%でした。なお所得代替率は、法律で50%を下回らないとされています。
現状の年金制度は、給付水準を物価や賃金の上昇率よりも低く調整する「マクロ経済スライド」を実施していますが、今後考えられる経済状況の下記4ケースで、調整終了の予定年度と所得代替率が例示されました。
1) 高成長実現ケース(経済成長率1.6%、賃金上昇率2.0%)→ 終了年度2039年度。所得代替率56.9%。
2) 成長型経済移行・継続ケース(経済成長率1.1%、賃金上昇率1.5%)→ 終了年度2037年度。所得代替率57.6%。
3) 過去30年投影ケース(経済成長率▲0.1%、 賃金上昇率0.5%)→ 終了年度2057年度。所得代替率50.4%。
4) ゼロ成長ケース(経済成長率▲0.7%、賃金 上昇率0.1%)→ 2059年度に国民年金積立金が0になり、所得代替率は50.1%、その後37%から33%程度へ下降。
現状では3)と考えられますが、所得代替率50.4%は政府目標をぎりぎり上回る結果とはなっています。
◆オプション試算
今回は次のオプション試算も行われました。(1)加入者の更なる適用拡大を行った場合
(2)基礎年金の拠出期間延長・給付増額を行った場合
(3)マクロ経済スライドの調整期間を国民 年金と厚生年金とを同一にした場合場合
(4)65歳以上の在職老齢年金の仕組みを撤廃した場合
(5)保険料月額の上限の見直しを行った場合
以上の5ケースについてもそれぞれの経済状況で試算が行われ、これらも今後の年金改正案に盛り込まれる可能性がありそうです。

中小企業の賃上げ率は3.62%日本商工会議所から、2024年4月時点の中小企業の賃上げ状況に関する調査が発表されました。
◆2024年度の賃上げ状況
①2024年度に「賃上げを実施予定」とする企業は74.3%と7割を超え、1月調査から13.0ポイント増。うち「防衛的な賃上げ」は59.1%と依然6割近くありました。
②従業員数20人以下の企業では、「賃上げを実施予定」は63.3%。うち「防衛的な賃上げ」は64.1%。規模の小さな事業所では賃上げの動きがやや鈍く厳しい状況です。
③「賃上げを実施予定」とする企業は、卸売業、製造業で8割超え。 最も低い医療・介護・看護業で5割強(52.5%)と全業種で半数以上が賃上げしていました。
④情報通信業、宿泊・飲食業、金融・保険・不動産業で「前向きな賃上げ」が5割超に達する一方、運輸業では「防衛的な賃上げ」が7割超(72.2%)と業種により差がでました。
◆正社員の賃上げ状況
①正社員の賃上げは、【全体】賃上げ額(月給)9,662円、賃上げ率3.62%(加重平均)。【20人以下】賃上げ額(月給)8,801円、賃上げ率3.34%(加重平均)。
②業種別では、その他サービス業、小売業で4%台と高く、運輸業、医療・介護・看護業は2%台にとどまりました。
◆パート・アルバイト等の賃上げ状況
①パート・アルバイト等の賃上げは、【全体】賃上げ額(時給)37.6円、賃上げ率3.43%(加重平均)。【20人以下】賃上げ額(時給)43.3円、賃上げ率3.88%(加重平均)。
②業種別では、医療・介護・看護業、運輸業で4%台後半と高い賃上げ率でした。
正社員の賃上げ率3.62%は高い数字のため、日本商工会議所は中小企業にも賃上げの動きが広がっていると分析していますが、大企業との差はなお大きいという声も聞かれます。

スポット情報●実質賃金2カ月連続プラス(9/6)
厚生労働省が5日に発表した2024年7月の毎月勤労統計調査(速報)によると、実質賃金は前年同月比0.4%増え、2カ月連続プラスとなった。前月に続き賞与の増加が寄与することによってプラスを維持した。また、名目賃金は同3.6%増で、31カ月連続で増加した。
●都道府県別の男女賃金格差を初公表(9/2)
厚生労働省は2日、政府のプロジェクトチームが、都道府県別の男女賃金格差について、 フルタイム勤務者どうしの比較を数値化したものを初めて公表した。男性の賃金を100としたときの女性の格差が最も小さかったのは高知県で80.4、最も大きかったのが栃木県で71.0だった。全国平均は74.8だった。
同省は、平均勤続年数の男女差が小さく、女性管理職の割合が高い地域などは賃金格差が小さい傾向であると分析している。
●健康リスクの「ストレス」が20年で3倍、2024年版厚生労働白書(8/27)
厚生労働省は27日、2024年版の厚生労働白書を公表した。初めて「こころの健康」を  特集し、健康状態にとって最大のリスクを「ストレス」と答えた人の割合が15.6%と、20年間で3倍に増えたことが示された。
こころの不調を学校や職場に相談すると「思う」との回答は8.0%にとどまった。精神障害による労災認定数は22年度に710件と過去最多となり、白書では「こころの不調」に  ついて対策の必要性を強調した。
●出産費用への保険適用
一時金の支給も一部存続する方向(8/7)
政府は、出産費用への公的医療保険の適用について、医療機関の診療報酬を原則「50万円以内」とし、妊婦の自己負担をゼロとしたうえで、50万円から出産費用を差し引いた額を、一時金として支給する方向で検討に入った。
現行の出産一時金は50万円を下回れば妊婦の手元に差額が残る仕組みとなっており、制度変更の前後で不公平感が出ないようにする。2026年度の適用を念頭に、来春をめどにまとめる予定。
●後期高齢者医療の現役世代負担2年連続で過去最大(8/9)
厚生労働省は後期高齢者医療制度の2022年度の財政状況を公表した。全体の支出は前年度から3%増加し17兆724億円と過去最大となった。このうち、保険給付費は4%増の16兆4,749億円。全体の収入は2%増の17兆4,629億円で、このうち現役世代が支払う交付金は前年度から3%増の6兆6,989億円と、2年連続で過去最大を更新した。
●22年度の社会保険給付費、初の減少(7/31)
国立社会保障・人口問題研究所は30日、2022年度の社会保険給付費が137兆8,337億円で、集計開始以来初めて減少したことを発表した。
過去最高だった前年度より9,189億円(0.7%)減。新型コロナウイルス感染症関連の費用が減少したためで、内訳は、「福祉その他」が33兆2,918億円(前年比6.3%減)、「年金」は55兆7,908億円(同0.04%減)、「医療」は48兆7,511億円(同2.8%増)だった。

経営労務情報 令和6年(2024年)6月

お知らせ◆7月は4月から6月に支払う給与の届出月
この届出(社会保険の算定基礎届)で今年10月払いの給与から1年間の社会保険料が決まります。3ヶ月の平均給与月額が、残業手当などの増加で多くなると社会保険料も増えますので注意が必要です。
◆7月は「労働保険料」の納付月です。
現金納付の第1期納付期限は7月10日です。
口座振替の第1期振替日は9月6日です。
◆梅雨の間も暑さが心配されます。
梅雨の季節でも外作業や工場内での「熱中症」にはくれぐれもご注意ください。気温が高くなくても湿度が高いと熱中症のリスクが高くなります。本格的な夏の前に様々な熱中症の対策もご検討ください。「熱中症特別警戒アラート」の運用も開始されています。

中小企業の賃上げ状況と企業規模による格差拡大~帝国データバンクの調査結果から~
◆賃上げの求めと中小企業の状況
2024年の春闘では、日本労働組合総連合会(連合)が4月4日に発表した集計結果では、 全体の賃上げ率は平均で5.24%と33年ぶりの高水準となりました。
人手不足や物価高騰を背景に賃上げが求められていますが、大企業が積極的に賃上げ策を進める一方、中小企業では賃上げに対する厳しい状況が見えてきます。
◆「小規模企業」は10ポイント以上下回る
帝国データバンクが2024年4月18日に公表した調査では、本年度の賃上げ実施割合は77.0%と高水準ですが、規模別に「賃上げ」する(した)企業の割合をみると、「大企業」は77.7%、「中小企業」も 77.0%とほぼ同水準の一方、「小規模企業」は65.2%となり「中小企業」を11.8ポイント下回る結果でした。
◆新卒者の採用
この調査では2024 年度入社における新卒者の採用状況も調査し、「採用あり」は45.3%、「採用なし」は53.1%でした。これを規模別で「採用あり」の割合をみると、「大企業」は76.2%、「中小企業」は40.9%、「小規模企業」は23.7%と、差が大きいことがわかります。
◆広がる格差と人手不足への対応
更に中小企業からは「大企業との賃上げ格差が拡大し、人材の確保が一段と困難になっている」との声も聞かれました。
資金的余裕がなく賃上げしたくてもできない中小企業が多く、賃上げが進む大企業との賃金格差と、これによる人手不足はますます深刻化していくものと思われます。生産性を高める様々な施策とともに、他社と差別化した人材確保の対策もあわせて検討していきたいところです。

令和5年賃金事情令和5年の総合調査より中央労働委員会は、労働争議の解決に向けて行う「あっせん」「調停等」の参考として総合調査を毎年実施しています。この調査は運輸・交通関連業種以外の資本金5億円以上、従業員1,000人以上の企業を対象に、期間の定めのない労働者を対象に実施しています。
◆令和5年6月現在の調査結果
男女平均では、平均年齢40.9歳、平均勤続年数17.3年、平均所定内賃金は年381.3千円、平均所定外賃金は65.3千円でした。所定内賃金を構成する各賃金の構成比は、基本給92.1%、奨励給0.2%、職務関連手当2.9%、生活関連手当4.2%、その他の手当0.6%でした。
◆令和5年春闘の賃金要求交渉の妥結率
調査した企業で、労働組合からの要求に交渉が妥結したのは137社で、要求があった138社の99.3%でした。妥結内容は「ベースアップの実施」 72.3%、「定期昇給の実施・賃金体系維持」67.9%でした。
◆賃金改定でベースアップを実施した企業
基本給部分の賃金表がある企業は、調査対象企業の88.7%(141社)、この中で令和5年6月までの1年間でベースアップを実施した企業は114社(全体の80.9%)、賃金を据え置いた企業は19.1%でした。
また定期昇給制度のある企業の全てで定期昇給を実施していました。昇給額は、昨年と同額とする企業は、定期昇給を実施した136社のうちの52.2%、昨年比増額とした企業は39.0%、減額した企業も5.9%ありました。
同期間において、労働者1人平均の賃金改定額(率)(昇給分+ベースアップ分)は11,398円、率で3.58%でした。うち「ベースアップ分」は額で7,176円、率で2.35%となります。
◆モデル所定内賃金
学歴、年齢別にみた「モデル所定内賃金」のピークをみると、大学卒事務・技術(総合職)は55歳で617.0千円、高校卒事務・技術(総合職)は 55 歳で483.9 千円、高校卒生産は 55 歳で 413.6 千円でした。

2025年卒大学生の就職意識の動向㈱マイナビが、2025年卒大学生の就職意識調査の結果を発表しました。この調査は1979年卒より毎年実施されています。
◆就職観
「楽しく働きたい」が38.9%(前年同値)で最多。増加幅が最も大きかったのは「個人の生活と仕事を両立させたい」で、前年比1.7ポイント増の24.5%となり、プライベートも充実し無理なく働きたい若者が多いことがわかります。
◆企業志向
大手企業への志向が53.7%で前年比4.8 ポイント増となり、3年ぶりに半数を超えました。
最も多い回答は、「自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」(43.9%)でした。やりたい仕事ができるかどうかということに対する関心の高さがうかがえます。
◆企業選択のポイント
「安定している会社」が49.9%で6年連続最多となり、「給料が良い会社」も3年連続で増加(23.6%)しました。待遇や働く環境への安心感を求める傾向が読み取れます。
◆行きたくない会社
「ノルマがきつそうな会社」が38.9%で最多で、また「転勤が多い会社」も4年連続で増加し、初めて3割を超えました。共働きが増える中でライフスタイルの変更を余儀なくされる転勤への抵抗感が高まっています。

来年4月から自己都合退職者の給付制限の扱いが変わります◆改正雇用保険法が成立
今回の改正は、育児休業給付の新給付、教育訓練やリスキリング支援の充実、雇用保険の適用拡大などです。
◆自己都合退職者の給付制限の変更
公共職業訓練等を受ける受給資格者は給付制限なく基本手当を受給できるようになります。また「自己都合離職者」への給付制限期間が1ヶ月に短縮されます。(5年間で3回以上自己都合退職をした場合は3ヶ月のまま)
◆育児休業に関する新給付
子の出生後間もない期間に両親がともに14日以上育児休業を取得した場合、休業開始前の賃金の13%が最大28日分支給されます。
また2歳未満の子の養育のため労働時間を短縮して短時間勤務を行う場合は短時間勤務中に支払われた賃金の約10%が支給されます。
◆雇用保険の適用拡大(令和10年から)
「31日以上雇用されることが見込まれ」かつ「1週間の見込労働時間が10時間以上」の労働者は雇用保険の加入対象となります。

労務費増加分の価格転嫁が十分に進まず足踏みする中小企業日本商工会議所は4月30日「商工会議所 LOBO(早期景気観測)」の4月調査結果を発表しました。(全国の会員企業2,472社を対象とし2,033社が回答) また付帯調査として 「コスト増加分の価格転嫁の動向」では、持続的な賃上げに向けての課題となる労務費の増加分の転嫁は、全くできていない企業が25.6%に上っていました。
原材料費やエネルギー費を含めたコスト全体の価格転嫁については、50.9%の中小企業が上昇分の4割以上を転嫁できていますが、2023年10月の前回調査より4.4ポイント低下しています。2023年11月には公正取引委員会が中小企業の賃上げ分の価格転嫁を促す指針を公表しましたが、転嫁が十分に行われていない状況です。
◆価格協議が実施できた企業は7割超、
発注側企業との「価格協議の動向」については、「協議を申し込み、話し合いに応じてもらえた」66.0%、「コスト上昇分の反映の協議を申し込まれた」7.7%で、合計で「協議できている」企業は73.7%と、2023年10月調査から0.7ポイント減少したものの7割超の高水準で価格協議は浸透しているといえます。
一方、コスト増加分の「価格転嫁の動向」は、50.9%の企業が「4割以上の価格転嫁」が実施できていますが、2023年10月調査から4.4ポイント減少しています。
◆労務費増加分の価格転嫁
コスト増加分のうち労務費増加分の「価格転嫁の動向」については、「4割以上の価格転嫁」が実施できた企業は33.9%で、2023年10月調査から0.8ポイント減少とほぼ横ばいとなっています。また全く価格転嫁できていない企業は25.6%あり、価格転嫁の進捗は足踏みしている実態が懸念されます。

転勤は退職のキッカケになるエン・ジャパン㈱の社員・バイト求人サイト『エンゲージ』上で、ユーザーを対象に「転勤」についてアンケートを実施し、1,039名から回答を得た結果が公表されました。
◆69%が「転勤は退職のキッカケになる」
「あなたに転勤の辞令が出た場合、退職を考えるキッカケになりますか?」と問うと、69%が「なる」(なる:44%+ややなる:25%)と回答。 年代別では、20代78%、30代75%、40代以上の64%が「なる」「ややなる」と回答し、年代が低いほど転勤への抵抗感が大きいことが判明しました。また男女別では、男性62%、女性75%が「なる」「ややなる」でした。
◆転勤の辞令を受けた人の動向
転勤辞令を受けたことがある人に「転勤を理由に退職したことがありますか」と問うと31%が「退職したことがある」と回答しました。
◆半数が転勤を承諾。
「もし転勤の辞令が出た場合、どう対処しますか?」と問うと50%が「承諾する」(「承諾する」8%、+「条件付きで承諾する」42%)と回答。「条件付きで承諾する」と回答した人に承諾条件を問うと、トップは「家賃補助や手当が出る」(72%)でした。
「条件に関係なく拒否する」と回答した人に理由を問うと、トップは「配偶者の転居が難しいから」(40%)でした。

スポット情報●下請への減額分の返還額が37.3億円
11年ぶり高水準(6/6)
公正取引委員会が発表した下請法の2023年度の運用状況によると、減額や支払い遅延によって下請け企業が被った不利益に対して発注側から約37憶3,000万円が返還された。
統計で比較可能な08年度以降、12年度の約57億円に次いで、過去2番目に多い額となった。
●改正子ども・子育て支援法が成立(6/5)
少子化対策の改正子ども・子育て支援法が6月5日参院で成立した。児童手当の所得制限撤廃、高校卒業までの支給期間延長は、令和6年12月に支給分から実施。児童扶養手当の第3子以降の加算額引上げは令和7年1月分から実施される。また「共働き・共育て」の推進に向け、出生後休業支援給付および育児時短就業給付が創設される。財源の支援金は、令和8年度から医療保険料とあわせて徴収される。
●4月の有効求人倍率は1.26倍(5/31)
厚労省の5月31日の発表によると、4月の有効求人倍率(季節調整値)は1.26倍(前月比0.02ポイント減)となった。物価高による収益悪化から、求人を控える傾向が続いている。製造業の新規求人数が減少(前月比7.8%減)し、4月から残業時間の上限規制が適用開始となった建設業(同3.9%)や運輸・郵便業(同2.3%)などでも減少した。一方、総務省が発表した同月の完全失業率(季節調整値)は2.6倍と、2カ月続けての横ばいとなった。
●厚生年金、企業規模要件を撤廃へ(5/29)
厚労省は、短時間労働者の厚生年金加入をめぐる企業規模要件について、撤廃する方針を固めた。試算によると、新たに130万人が適用対象者に加わる。また従業員5人以上の個人事業所の非適用業種も原則撤廃し、飲食業や宿泊業なども対象とする見通し。6月にまとめる骨太の方針に盛り込考え。
●60歳以上の労災3.9万人、8年連続の増加に(5/28)
厚労省の発表によると、昨年に労働災害で死傷した60歳以上の人は、前年比1,714人増の3万9,702人(うち死者290人)で、8年連続過去最多となった。労働者全体(死傷者数13万5,371人)に占める60歳以上の割合は29.3%。足がもつれたり、つまずいたりしたことによる転倒や、階段からの転落が多いとみられる。
●「育成就労」法案が衆院通過(5/22)
政府は2027年度までの新制度施行を目指す。育成就労で1~2年就労後は同業種での転籍を可能とし、監理団体への外部監査人の設置を義務付ける。税や社会保険料を故意に納めなかったり一定の罪を犯したりした永住者の永住許可を取り消せる規定なども盛り込まれている。
●従業員の28%からカスハラ相談(5/18)
厚労省の「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」で、過去3年間で従業員からカスタマーハラスメントについて相談を受けたと回答した企業が約28%に上った。また就職活動やインターンシップを経験した男女への調査では、約3割がセクハラ被害に遭ったと回答したことも明らかとなった。
●出産費用の保険適用、検討会設置へ(5/16)
出産費用の公的医療保険の適用について議論するため、厚労省は検討会を近く立ち上げると、16日の社会保障審議会医療保険部会で発表した。保険適用の導入検討は、政府が掲げる「こども未来戦略方針」に含まれており、次期診療報酬改定がある2026年度の実施も視野に具体的な議論に入る。

経営労務情報 令和6年(2024年)6月

お知らせ◆7月は4月から6月に支払う給与の届出月
この届出(社会保険の算定基礎届)で今年10月払いの給与から1年間の社会保険料が決まります。3ヶ月の平均給与月額が、残業手当などの増加で多くなると社会保険料も増えますので注意が必要です。
◆7月は「労働保険料」の納付月です。
現金納付の第1期納付期限は7月10日です。
口座振替の第1期振替日は9月6日です。
◆梅雨の間も暑さが心配されます。
梅雨の季節でも外作業や工場内での「熱中症」にはくれぐれもご注意ください。気温が高くなくても湿度が高いと熱中症のリスクが高くなります。本格的な夏の前に様々な熱中症の対策もご検討ください。「熱中症特別警戒アラート」の運用も開始されています。

中小企業の賃上げ状況と企業規模による格差拡大~帝国データバンクの調査結果から~
◆賃上げの求めと中小企業の状況
2024年の春闘では、日本労働組合総連合会(連合)が4月4日に発表した集計結果では、 全体の賃上げ率は平均で5.24%と33年ぶりの高水準となりました。
人手不足や物価高騰を背景に賃上げが求められていますが、大企業が積極的に賃上げ策を進める一方、中小企業では賃上げに対する厳しい状況が見えてきます。
◆「小規模企業」は10ポイント以上下回る
帝国データバンクが2024年4月18日に公表した調査では、本年度の賃上げ実施割合は77.0%と高水準ですが、規模別に「賃上げ」する(した)企業の割合をみると、「大企業」は77.7%、「中小企業」も 77.0%とほぼ同水準の一方、「小規模企業」は65.2%となり「中小企業」を11.8ポイント下回る結果でした。
◆新卒者の採用
この調査では2024 年度入社における新卒者の採用状況も調査し、「採用あり」は45.3%、「採用なし」は53.1%でした。これを規模別で「採用あり」の割合をみると、「大企業」は76.2%、「中小企業」は40.9%、「小規模企業」は23.7%と、差が大きいことがわかります。
◆広がる格差と人手不足への対応
更に中小企業からは「大企業との賃上げ格差が拡大し、人材の確保が一段と困難になっている」との声も聞かれました。
資金的余裕がなく賃上げしたくてもできない中小企業が多く、賃上げが進む大企業との賃金格差と、これによる人手不足はますます深刻化していくものと思われます。生産性を高める様々な施策とともに、他社と差別化した人材確保の対策もあわせて検討していきたいところです。

令和5年賃金事情令和5年の総合調査より中央労働委員会は、労働争議の解決に向けて行う「あっせん」「調停等」の参考として総合調査を毎年実施しています。この調査は運輸・交通関連業種以外の資本金5億円以上、従業員1,000人以上の企業を対象に、期間の定めのない労働者を対象に実施しています。
◆令和5年6月現在の調査結果
男女平均では、平均年齢40.9歳、平均勤続年数17.3年、平均所定内賃金は年381.3千円、平均所定外賃金は65.3千円でした。所定内賃金を構成する各賃金の構成比は、基本給92.1%、奨励給0.2%、職務関連手当2.9%、生活関連手当4.2%、その他の手当0.6%でした。
◆令和5年春闘の賃金要求交渉の妥結率
調査した企業で、労働組合からの要求に交渉が妥結したのは137社で、要求があった138社の99.3%でした。妥結内容は「ベースアップの実施」 72.3%、「定期昇給の実施・賃金体系維持」67.9%でした。
◆賃金改定でベースアップを実施した企業
基本給部分の賃金表がある企業は、調査対象企業の88.7%(141社)、この中で令和5年6月までの1年間でベースアップを実施した企業は114社(全体の80.9%)、賃金を据え置いた企業は19.1%でした。
また定期昇給制度のある企業の全てで定期昇給を実施していました。昇給額は、昨年と同額とする企業は、定期昇給を実施した136社のうちの52.2%、昨年比増額とした企業は39.0%、減額した企業も5.9%ありました。
同期間において、労働者1人平均の賃金改定額(率)(昇給分+ベースアップ分)は11,398円、率で3.58%でした。うち「ベースアップ分」は額で7,176円、率で2.35%となります。
◆モデル所定内賃金
学歴、年齢別にみた「モデル所定内賃金」のピークをみると、大学卒事務・技術(総合職)は55歳で617.0千円、高校卒事務・技術(総合職)は 55 歳で483.9 千円、高校卒生産は 55 歳で 413.6 千円でした。

2025年卒大学生の就職意識の動向㈱マイナビが、2025年卒大学生の就職意識調査の結果を発表しました。この調査は1979年卒より毎年実施されています。
◆就職観
「楽しく働きたい」が38.9%(前年同値)で最多。増加幅が最も大きかったのは「個人の生活と仕事を両立させたい」で、前年比1.7ポイント増の24.5%となり、プライベートも充実し無理なく働きたい若者が多いことがわかります。
◆企業志向
大手企業への志向が53.7%で前年比4.8 ポイント増となり、3年ぶりに半数を超えました。
最も多い回答は、「自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」(43.9%)でした。やりたい仕事ができるかどうかということに対する関心の高さがうかがえます。
◆企業選択のポイント
「安定している会社」が49.9%で6年連続最多となり、「給料が良い会社」も3年連続で増加(23.6%)しました。待遇や働く環境への安心感を求める傾向が読み取れます。
◆行きたくない会社
「ノルマがきつそうな会社」が38.9%で最多で、また「転勤が多い会社」も4年連続で増加し、初めて3割を超えました。共働きが増える中でライフスタイルの変更を余儀なくされる転勤への抵抗感が高まっています。

来年4月から自己都合退職者の給付制限の扱いが変わります◆改正雇用保険法が成立
今回の改正は、育児休業給付の新給付、教育訓練やリスキリング支援の充実、雇用保険の適用拡大などです。
◆自己都合退職者の給付制限の変更
公共職業訓練等を受ける受給資格者は給付制限なく基本手当を受給できるようになります。また「自己都合離職者」への給付制限期間が1ヶ月に短縮されます。(5年間で3回以上自己都合退職をした場合は3ヶ月のまま)
◆育児休業に関する新給付
子の出生後間もない期間に両親がともに14日以上育児休業を取得した場合、休業開始前の賃金の13%が最大28日分支給されます。
また2歳未満の子の養育のため労働時間を短縮して短時間勤務を行う場合は短時間勤務中に支払われた賃金の約10%が支給されます。
◆雇用保険の適用拡大(令和10年から)
「31日以上雇用されることが見込まれ」かつ「1週間の見込労働時間が10時間以上」の労働者は雇用保険の加入対象となります。

労務費増加分の価格転嫁が十分に進まず足踏みする中小企業日本商工会議所は4月30日「商工会議所 LOBO(早期景気観測)」の4月調査結果を発表しました。(全国の会員企業2,472社を対象とし2,033社が回答) また付帯調査として 「コスト増加分の価格転嫁の動向」では、持続的な賃上げに向けての課題となる労務費の増加分の転嫁は、全くできていない企業が25.6%に上っていました。
原材料費やエネルギー費を含めたコスト全体の価格転嫁については、50.9%の中小企業が上昇分の4割以上を転嫁できていますが、2023年10月の前回調査より4.4ポイント低下しています。2023年11月には公正取引委員会が中小企業の賃上げ分の価格転嫁を促す指針を公表しましたが、転嫁が十分に行われていない状況です。
◆価格協議が実施できた企業は7割超、
発注側企業との「価格協議の動向」については、「協議を申し込み、話し合いに応じてもらえた」66.0%、「コスト上昇分の反映の協議を申し込まれた」7.7%で、合計で「協議できている」企業は73.7%と、2023年10月調査から0.7ポイント減少したものの7割超の高水準で価格協議は浸透しているといえます。
一方、コスト増加分の「価格転嫁の動向」は、50.9%の企業が「4割以上の価格転嫁」が実施できていますが、2023年10月調査から4.4ポイント減少しています。
◆労務費増加分の価格転嫁
コスト増加分のうち労務費増加分の「価格転嫁の動向」については、「4割以上の価格転嫁」が実施できた企業は33.9%で、2023年10月調査から0.8ポイント減少とほぼ横ばいとなっています。また全く価格転嫁できていない企業は25.6%あり、価格転嫁の進捗は足踏みしている実態が懸念されます。

転勤は退職のキッカケになるエン・ジャパン㈱の社員・バイト求人サイト『エンゲージ』上で、ユーザーを対象に「転勤」についてアンケートを実施し、1,039名から回答を得た結果が公表されました。
◆69%が「転勤は退職のキッカケになる」
「あなたに転勤の辞令が出た場合、退職を考えるキッカケになりますか?」と問うと、69%が「なる」(なる:44%+ややなる:25%)と回答。 年代別では、20代78%、30代75%、40代以上の64%が「なる」「ややなる」と回答し、年代が低いほど転勤への抵抗感が大きいことが判明しました。また男女別では、男性62%、女性75%が「なる」「ややなる」でした。
◆転勤の辞令を受けた人の動向
転勤辞令を受けたことがある人に「転勤を理由に退職したことがありますか」と問うと31%が「退職したことがある」と回答しました。
◆半数が転勤を承諾。
「もし転勤の辞令が出た場合、どう対処しますか?」と問うと50%が「承諾する」(「承諾する」8%、+「条件付きで承諾する」42%)と回答。「条件付きで承諾する」と回答した人に承諾条件を問うと、トップは「家賃補助や手当が出る」(72%)でした。
「条件に関係なく拒否する」と回答した人に理由を問うと、トップは「配偶者の転居が難しいから」(40%)でした。

スポット情報●下請への減額分の返還額が37.3億円
11年ぶり高水準(6/6)
公正取引委員会が発表した下請法の2023年度の運用状況によると、減額や支払い遅延によって下請け企業が被った不利益に対して発注側から約37憶3,000万円が返還された。
統計で比較可能な08年度以降、12年度の約57億円に次いで、過去2番目に多い額となった。
●改正子ども・子育て支援法が成立(6/5)
少子化対策の改正子ども・子育て支援法が6月5日参院で成立した。児童手当の所得制限撤廃、高校卒業までの支給期間延長は、令和6年12月に支給分から実施。児童扶養手当の第3子以降の加算額引上げは令和7年1月分から実施される。また「共働き・共育て」の推進に向け、出生後休業支援給付および育児時短就業給付が創設される。財源の支援金は、令和8年度から医療保険料とあわせて徴収される。
●4月の有効求人倍率は1.26倍(5/31)
厚労省の5月31日の発表によると、4月の有効求人倍率(季節調整値)は1.26倍(前月比0.02ポイント減)となった。物価高による収益悪化から、求人を控える傾向が続いている。製造業の新規求人数が減少(前月比7.8%減)し、4月から残業時間の上限規制が適用開始となった建設業(同3.9%)や運輸・郵便業(同2.3%)などでも減少した。一方、総務省が発表した同月の完全失業率(季節調整値)は2.6倍と、2カ月続けての横ばいとなった。
●厚生年金、企業規模要件を撤廃へ(5/29)
厚労省は、短時間労働者の厚生年金加入をめぐる企業規模要件について、撤廃する方針を固めた。試算によると、新たに130万人が適用対象者に加わる。また従業員5人以上の個人事業所の非適用業種も原則撤廃し、飲食業や宿泊業なども対象とする見通し。6月にまとめる骨太の方針に盛り込考え。
●60歳以上の労災3.9万人、8年連続の増加に(5/28)
厚労省の発表によると、昨年に労働災害で死傷した60歳以上の人は、前年比1,714人増の3万9,702人(うち死者290人)で、8年連続過去最多となった。労働者全体(死傷者数13万5,371人)に占める60歳以上の割合は29.3%。足がもつれたり、つまずいたりしたことによる転倒や、階段からの転落が多いとみられる。
●「育成就労」法案が衆院通過(5/22)
政府は2027年度までの新制度施行を目指す。育成就労で1~2年就労後は同業種での転籍を可能とし、監理団体への外部監査人の設置を義務付ける。税や社会保険料を故意に納めなかったり一定の罪を犯したりした永住者の永住許可を取り消せる規定なども盛り込まれている。
●従業員の28%からカスハラ相談(5/18)
厚労省の「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」で、過去3年間で従業員からカスタマーハラスメントについて相談を受けたと回答した企業が約28%に上った。また就職活動やインターンシップを経験した男女への調査では、約3割がセクハラ被害に遭ったと回答したことも明らかとなった。
●出産費用の保険適用、検討会設置へ(5/16)
出産費用の公的医療保険の適用について議論するため、厚労省は検討会を近く立ち上げると、16日の社会保障審議会医療保険部会で発表した。保険適用の導入検討は、政府が掲げる「こども未来戦略方針」に含まれており、次期診療報酬改定がある2026年度の実施も視野に具体的な議論に入る。

経営労務情報 令和6年(2024年)3月

お知らせ◆健康保険料・介護保険料が変更されます。
3月より「協会けんぽ」の保険料が変更されます。今回は健康保険料が上がりますが、介護保険料が下がるため、合計では少し下がります。
※ 新保険料率 (以下は本人負担率です)
     健康保険 = 5.01 %
     介護保険 = 0.8  %
健康保険+介護保険 = 5.81 %
◆4月から4業種の残業規制が強化されます。
現在、一般企業に定められている「時間外労働の上限規制」が、この4月から建設業、運送業、医療関係、砂糖製造業にも適用されます。今後は長時間労働の改善に向けた取り組みを実施していかなければなりません。
◆4月から6月に支払う給与にご注意を
4月から6月に支払う給与総額の「平均額」により、10月に支払う給与から1年間の社会保険料が決まります。
この間の残業など手当の増額で月額給与が増えると、社会保険料が増えてしまいます。
◆3月、4月は入社・異動が増加します。
この時期は入社や異動の申請が多く、新しい「保険証」の発行が遅れます。


9割の建設事業者が賃金引上げ◆建設工事における実態を調査
国交省では、毎年、建設工事における下請取引等の実態調査を行い、下請代金の決定方法や工期の設定、建設労働者への賃金支払状況等の項目における建設業の法令違反行為の有無を調べ、違反している建設業者に対して指導を実施しています。1月31日公表の令和5年度調査では、9,136業者が集計対象でした。
◆約9割の建設業者が賃金を引上げ
今回の調査結果では、賃金を引上げた、あるいは引上げる予定があると回答した建設業者は89.6%と、昨年度の84.2%よりアップしました。賃金を引上げた理由としては、「引上げなければ必要な労働者が確保できない」が55.9%で最多でした。一方、引上げない理由としては、「経営の先行きが不透明で引き上げに踏み切れない」が46.2%で最多でした。
◆見積書の項目に問題のある例も
下請負人に対し、見積書へ法定福利費の内訳を明示するよう働きかけている元請負人は69.3%、労務費の内訳を明示するよう働きかけている元請負人は65.2%にとどまり、逆に元請負人に対して、見積書に法定福利費の内訳を明示した下請負人は77.6%、労務費の内訳を明示した下請負人は68.3%でした。
調査の結果、建設業法に基づく指導を行う必要があると認められた建設業者には指導票の送付と指導が行われ、必要に応じて立入検査等も実施されます。

続く売り手市場、最近の学生の就活状況は?◆大学生の就職内定率は86%
厚労省と文科省が公表した、令和6年3月大学等の卒業予定者の就職内定状況調査 (令和5年12月1日現在)では、大学生の 就職内定率は86.0%(前年同期比1.6 ポイント上昇)でした。
また短大の就職内定率は66.7%で同2.7ポイント低下、高等専門学校および専修学校 (専門課程)の就職内定率は、それぞれ97.8%(同1.2ポイント上昇)、73.2%(同3.4ポイント上昇)となり、売り手市場が続いています。
◆学生の囲い込みのための「オヤカク」
学生優位の売り手市場の中、企業側も内定者の囲い込みに必死です。最近では、内定辞退等を防ぐため、就職希望者の入社や内定の承諾を直接親に確認する「オヤカク」などの広がりが報道されています。
◆難しい人材確保への対応を
これまで新卒採用は4月入社が主流でしたが、労働力人口の減少やグローバル化の状況を踏まえ、経団連は多様な人材の獲得に向けて通年採用の拡大を提言しています。
今後、大企業の通年採用の拡大が予想される中、内定辞退率の高さで悩む中小企業では人材獲得の難しさが増しており、深刻な人材確保の問題について検討する必要があります。

外国人労働者数が初の200万人超え◆外国人労働者数は過去最高を更新
国内で働く外国人は昨年10月末時点で前年と比べ12.4%増えて、204万8,675人 (前年比で22万5,950人増加)に上り、平成25年から11年連続で過去最多を更新しました。外国人労働者の増加率はコロナ禍前の水準にまで回復しています。また、比較可能な平成20年以降、200万人超えは初めてです。
◆外国人を雇用する事業所数も過去最高
外国人を雇用する事業所数は31万8,775所で、前年比1万9,985所増加し、届出の義務化以降、こちらも過去最高を更新しました。 
対前年増加率は6.7%と、前年の4.8%から1.9 ポイントの上昇でした。
◆国別ではベトナムが昨年同様に最多
ベトナムが51万8,364人で、外国人労働者数全体の25.3%を占め、次いで中国39万7,918人(全体の19.4%)、フィリピン22万6,846人(全体の11.1%)の順でした。
対前年増加率では、1位インドネシア(56.0%増)、2位ミャンマー(49.9%増)、3位ネパール(23.2%増)の順でした。
◆在留資格別では
在留資格別では、「専門的・技術的分野の在留資格」が対前年増加率として最も大きく 59万5,904人で、前年比11万5,955人(24.2%)の増加、次いで「技能実習」が41万2,501人で、前年比6万9,247人(20.2%)増加、「資格外活動」が35万2,581人で、前年比2万1,671人(6.5%)の増加でした。

4月からの施行!労働者募集に関する注意点◆明示すべき労働条件が追加されます
令和6年4月より、労働契約の締結時や 有期労働契約の更新時に明示すべき労働条件として、「就業場所」と「業務の変更範囲」について「雇入れ直後」とその後の「変更範囲」を記載することになります。これは求人申込の際にも明示が必要になります。
更に有期労働契約を締結する場合には、 「有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項」(通算契約期間または更新回数の上限を含む)も明示しなければなりません。
◆「変更範囲」はどこまで書けばよいか
正社員の場合は契約期間が長いため、厚労省では「募集時点で具体的に想定されていないものを含める必要はない」としています。
◆求人票に書ききれない場合はどうするか
求人広告内に書き込めない場合は、「詳細は面談時にお伝えします」などとし、一部を別途明示することも可能です。この場合は面接などで求職者と最初に接触する時までに労働条件を明示する必要があります。

4月より労災保険率が改定!厚生労働省は令和6年4月1日施行に向け、主に労災保険率改定の作業を進めています。
◆労災保険率とは
労災保険率とは、労災保険料の計算に用いられる料率のことです。労災保険率は、54の事業についてそれぞれの業種の過去3年間の災害発生状況などを考慮し、原則3年ごとに改定されています。建設事業などの危険な業種ほど高く、労災事故が起こりにくい業種ほど低く設定されています。
◆業種平均で0.1/1000引下げへ
労災保険率の業種平均は現在4.5/1000ですが、4.4/1000へ引き下げられる予定です。
・引下げは、「林業、定置網漁業又は海面魚類養殖業」「採石業」「めつき業」「金属材料品製造業」などの17業種
・引上げは、「パルプ又は紙製造業」「電気機械器具製造業」「ビルメンテナンス業」の3業種
・変化なしは34業種
◆一人親方などの特別加入保険料率を改定へ
特別加入全25区分中、5区分で引下げとなる予定です。
・引下げは、「個人タクシー、個人貨物運送業者、原動機付自転車又は自転車を使用して行う貨物運送の事業」「建設業の一人親方」「医薬品の配置販売業者」「金属等の加工、洋食器加工作業」「履物等の加工作業」の5区分
◆建設の事業に係る労務費率(請負金額に対する賃金総額の割合)を改定へ
「鉄道又は軌道新設事業」「その他の建設事業」の労務費率を引き下げる予定です。

賃金改定率が過去最高に~厚生労働省・実態調査から~◆「賃金引上げ等の実態に関する調査」結果
1人当たりの平均賃金を引き上げたまたは引き上げる企業の割合は89.1%(前年同比3.4ポイント増)、1人当たりの平均賃金の引上げ額は9,437円(同3,903円増)でした。
平均賃金引上げ率は3.2%(同1.3ポイント増)で平成11年以降最も高い数値でした。
同調査は、常用労働者100人以上を雇用する民間企業を対象とし、3,620社中1,901社から有効回答を得ました。
◆産業別にみると、平均賃金を引き上げた、または引き上げる企業の割合は、「建設業」が100.0%で最も高く、次いで「製造業」が97.7%、「電気・ガス・熱供給・水道業」が92.9%となっています。
◆平均賃金の引上げ額は、「鉱業、採石業、砂利採取業」が18,507円(引上げ率5.2%)で最も高く、次いで「情報通信業」15,402円(同4.5%)、建設業12,752円(同3.8%)
◆業績好調による賃金引上げとは限らない
賃金改定の決定に当たり最も重視した要素をみると、「企業業績」が36.0%で最も多く、次いで「労働力確保・定着」が16.1%、「雇用維持」が11.6%でした。
近年、物価上昇への対応や従業員のモチベーション向上、人材確保・定着などを理由として賃金引上げを実施する企業が増加しています。しかし、賃金引上げを実施するすべての企業が業績好調による引上げとは限らず、業績は改善しないが従業員の生活を守り、人材流出を防ぐことを狙いとして実施する企業も多いと考えられます。

スポット情報●実質賃金22カ月連続で減少も
マイナス幅は縮小(3/7)
厚労省が7日発表した2024年1月の毎月勤労統計調査(速報)によると、労働者1人当たりの実質賃金が前年同月比0.6%減で、22カ月連続の減少となった。名目賃金は同2.0%増で、25カ月連続のプラス。実質賃金の算出に使う 1月の消費者物価指数は2.5%増で12月より0.5ポイント下がり、名目賃金の伸びが前月を1.2ポイント上回ったため、物価上昇と賃金の伸びの差が縮まった。
●マイナンバーカードの全機能をスマホに搭載(3/5)
政府は3月5日マイナンバー法などの改正案を閣議決定し国会に提出した。マイナンバーカードのICチップが備える3つすべての機能を スマートフォンに搭載し、マイナンバーカードをスマホにかざしたり画像を撮影して送ったりしなくても本人確認ができ、実物のカードが手元になくてもスマホのみで様々な手続きができるようにする。今国会で成立させ2025年夏以降の運用開始を目指す。
●求人倍率2カ月連続で横ばい(3/1)
厚労省が3月1日に発表。1月の全国の有効求人倍率(季節調整値)は1.27倍で、前月から横ばいだった。新規求人数(現数値)は前年同月比で3.0%減少した。また総務省が同日発表した1月の完全失業率は2.4%で、前月から0.1ポイント低下し、3カ月ぶりに改善した。
●日本で就職する留学生の在留資格変更が柔軟に(3/1)
出入国在留管理庁は2月29日、在留資格に関連する告示と運用指針を改正。専門学校等を卒業した留学生に日本での就職を促すため、 文科相の認定課程を修了した学生らが日本で働く場合に、在留資格を「留学」から高度人材に相当する「技術・人文知識・国際業務」に変更する際、専攻科目と就業分野の関連性が低くても認めるなど、従事できる業務の幅を広げる。
●在留カードと一体にした新マイナカード発行(2/26)
政府は外国人の在留カードとマイナンバーカードを一体にした新たなカードを発行する。新たなカードは表面に氏名、国籍、在留資格の種類、就労の可否、裏面にマイナンバー情報などを記載する方針。3月中に出入国管理法改正案など関連法案を国会に提出し、システムを改修した後、2025年度に希望する外国人から受付を開始する。
●2024年度の公共工事の労務単価5.9%の引上げへ(2/17)
国交省は2月16日、公共工事の予定価格の見積もりに使う賃金基準「公共工事設計労務単価」について、2024年度は前年度より平均5.9%引き上げ、全職種の全国平均で2万3,600円とすると発表した。引上げは12年連続で、公表を始めた1997年以降で過去最高。3月以降に発注する工事から適用される。
●中堅企業の賃上げを重点支援(2/17)
政府は2月16日、産業競争力強化法の改正案を閣議決定した。従業員2,000人以下の企業を「中堅企業」と定義し、賃上げ等の重点支援を行う。これまで大企業と同等に扱われ、中小企業と比べて税制面での支援が手薄だったが、設備投資減税や法人税の減税により成長の後押しをし、経済の底上げと賃上げ拡大につなげる。年内の成立、施行を目指す。
●中小企業の61%が賃上げを予定 (2/15)
日本商工会議所が2月14日に公表した中小企業の人手不足・賃金等に関する調査結果で、4月以降に賃上げ予定との回答が、61.3%に上った。このうち36.3%が3%以上の賃上げを計画していると回答。人手が不足しているとの回答は65.6%だった。調査は今年1月、全国の中小6,013社を対象に行われ、回答率は49.7%。
●特定技能に4分野追加を検討(1/28)
政府は、在留資格「特定技能」に4分野(自動車運送、鉄道、林業、木材産業)の追加を検討している。2023年度内の閣議決定を目指す。また既存の飲食料品製造分野、産業機械製造業分野については、対象業務の追加を検討している。
●コスト増を下請企業が価格転嫁しているか 最低業種は運送業(1/19)
公正取引委員会と中小企業庁は1月18日、2023年度の企業の価格転嫁状況に関する調査結果を公表。下請法違反などが多い27業種を対象に取引状況を調査したもので、下請企業からの価格転嫁を「おおむね受け入れた」と回答した発注企業の割合は、全業種平均で84.5%、ただし運送業では45.5%だった。運送業は昨年度より2.9ポイント悪化し全業種で最低となった。
●自己都合退職の失業給付が1カ月早く(1/5)
厚労省の労働政策審議会が1月10日、雇用保険制度の改正に向けた報告書を提出。失業給付の給付制限が「自己都合退職」では2カ月以上だったが、1カ月に短縮する。このほか、在職中にリスキリングに取り組んでいたことを 条件に、自己都合でも会社都合と同じ期間受給できるようにする。通常国会に関連法案を提出し、2025年度の実施をめざす。

経営労務情報 令和5年(2023年)12月

お知らせ◆賞与の社会保険料率にご注意ください。
以下は本人負担率です。
     厚生年金 = 9.15%
健康保険+介護保険 = 5.915%
(健康保険5.005 %、介護保険0.91%)
 ・雇用保険料率は以下の料率です。
(建設業=0.7%、建設業以外=0.6%)
◆建設業、運送業の残業協定が変更されます。
令和6年4月より建設業、運送業の残業協定(36協定)の上限時間が原則45時間に減少し、一般の事業所と同じになります。
申請書式も変わりますので、ご注意ください。
◆インフルエンザの拡大にご注意を。
感染が広がっています。感染対策としてインフエンザのワクチン接種もご検討ください。
◆年末調整が始まります。
大きな変更はありませんが、配偶者や扶養家族の収入確認などをしっかりご確認ください。

建設業の時間外労働の変更適用猶予されていた時間外労働の上限規制が、令和6年4月から開始されます。
◆時間外労働の傾向に職種の差
帝国データバンクの「建設業の時間外労働に関する動向調査」(2023年8月時点)では、建設業全体の時間外労働は前年を下回っているものの職種により増加していました。
「建設業全体」の時間外労働DI(※)= 48.8
 ・「はつり・解体工事業」=54.4
 ・「内装工事業」=52.4
 ・「建築工事業(木造建築業を除く)」=51.8
 ・「鉄骨工事業」=51.6
※時間外労働DIは、0~100の値をとり、50超が増加、50未満は減少を表しています。
◆職種に応じた対策を
「建設業」全体では48.8(年平均も48程度)で減少していますが、土木工事業(造園工事業を除く)の44.8を除く職種が50を超えています。来年4月1日まで残された時間は多くありません。それぞれの職種の特性を踏まえ、時間外対策を具体化していく必要があります。

中途採用は即戦力重視の傾向株式会社マイナビが2023年1~7月に中途採用をした企業の人事担当者を対象(有効回答数1,600件)とする「中途採用実態調査」を実施しました。
◆「即戦力の補充」のため、中途採用を実施
直近半年(2023年1~7月)の正社員の過不足感については、「余剰」が27.3%(前年比1.9ポイント増)、「不足」が43.1%(前年比0.2ポイント減)となり、人手不足状況は変わっていませんでした。また、役職やスキル別では、「スペシャリスト人材(IT人材など)」の不足が最も多い47.9%でした。
中途採用する理由は、「即戦力の補充」が48.1%で最も多く、これは専門的な人材を求めた結果です。また運輸・物流業では、「労働時間短縮への対応」が33.7%と全体平均より10ポイント以上高く、来年4月からドライバーなどの残業時間上限規制が始まる、「2024年問題」に対応する人材確保と考えられます。
◆今後の中途採用の課題
課題としては、「求職者の質が低い」が36.3%で最も高く、次に「入社後の早期退職の増加」が30.3%でした。また今後の動向は、「積極的」が53.8%(前年比0.9ポイント増)で、「消極的」の8.1%と大きく差がでました。
特に、経験者採用を積極的に(52.1%)が、未経験者を積極的に(41.6%)を上回りました。
今後の採用基準は、「書類選考」「面接」ともに「厳しくする予定」と回答した企業が増加し、ています。

「年収の壁」への当面の対応厚生労働省は、パートさんの社会保険料負担による手取り収入の減少を避けるため出勤調整をする「年収の壁」問題への対策として、支援強化を発表し10月から実施しています。
◆106万円の壁への対応
・キャリアアップ助成金のコースの新設
 パート収入増の取組みをした事業所へは、一定期間助成(1人当たり3年で最大50万円)を支給します。賃上げや就労時間の延長、保険料負担分の手当(社会保険適用促進手当)の支給が対象です。この「社会保険適用促進手当」は最大2年間、社会保険料決定の対象外になります。
◆130万円の壁への対応
パート収入が130万円を超えてしまっても、人手不足による時間延長等で一時的な収入増であるという事業所の証明があれば、扶養者家族でいられます。
◆配偶者手当への対応
・企業の配偶者手当の見直し促進
 中小企業でも配偶者手当(家族手当など)の見直しが進む取り組みがされます。

転職者が前職を辞めた理由◆年間で常用労働者の15%が退職
採用に苦慮する企業も多いですが反面、退職者を減らさなくては状況が変わりません。
厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果」では、令和4年の1年間の離職者数(事業所を退職したり解雇された者)は約765万人となり、常用労働者数に対する離職率は15.0%となりました。
◆転職者が前職を辞めた理由
同調査で、前職を辞めた理由は、男女とも「その他の個人的理由」(男性19.6%、女性25.0%)と「その他の理由(出向等を含む)」(男性14.7%、女性8.6%)を除くと、①「定年・契約期間の満了」(男性15.2%、女性10.9%)が最も多く、②「労働時間・休日等の労働条件が悪かった」(男性9.1%、女性10.8%)、③「職場の人間関係が悪かった」(男性8.3%、女性10.4%)となりました。
◆企業で可能な取組みを検討
上記調査とは別に、エン・ジャパン㈱が実施した「就業前後のギャップ」についてのアンケート調査では、約8割が入社前後で「ギャップを感じた経験がある」と回答し、上位の理由 ①「仕事内容」②「職場の雰囲気」③「仕事量」の3項目で合計55%となりました。特に「職場の雰囲気」は離職理由のトップでした。

メンタルヘルス不調者の増加帝国データバンク「健康経営への取り組みに対する企業の意識調査が発表されました。
◆「50人の壁」とは
社員数が50人を超えると発生する経営課題をさします。50人を超えると経営をするために社長のほか複数の管理職が必要となり、人事制度も複雑化し管理のレベルも高まります。また情報共有や意思疎通が難しくなるため、組織内のコミュニケーションの質が低下しメンタルヘルス不調者の割合が高まります。
◆社員数50人超で大きく増加
この調査では、過去1年間で「過重労働時間となる労働者」や「メンタルヘルスが不調となる労働者」がいるかどうかを質問しています。(有効回答企業数は1万1,039社)
<社員数と メンタルヘルス不調者がいる割合 (%)>
 ・5人 以下 :5.0%
 ・6 人~ 20人:10.8%
 ・21人~ 50人:19.5%   
 ・51人~ 100人 :31.6%
 ・101人~300人:45.5%
 ・301人~1,000人 :59.0%
 ・1,000人 超 :62.0%
(全体では21.0%が「いる」と回答(5社に1社)
規模が大きくなるほど割合が高まり、50人を超えたところで大きく増加しています。
考えられる改善策は、定期健康診断の確実な実施、職場の喫煙対策、労働時間管理や仕事の進め方の見直しなどによる労働密度の適正化などが重要となってきます。

新規学卒就職者の離職状況厚生労働省は令和2年3月卒業の新規学卒就職者の離職状況を公表しました。
◆就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者が37.0%(前年度比1.1ポイント上昇)、新規大卒就職者が32.3%(同0.8ポイント上昇)となりました。
◆事業所規模別、産業別の離職率
事業所規模別では、1,000人以上で高卒者26.6%、大卒者26.1%と3割を切るのに対し、5人未満で高卒者60.7%、大卒者54.1%、5~29人で高卒者51.3%、大卒者49.6%と規模別の差が大きいことがわかります。
産業別では、宿泊業、飲食サービス業(大卒51.4%)、生活関連サービス業、娯楽業(同48.0%)、教育、学習支援業(同46.0%)、医療、福祉(同38.8%)、小売業(同38.5%)などで離職率の高さが目立っています。
◆人材の流出を防ぐために
株式会社リクルートマネジメントソリューションズによる「新人・若手の早期離職に関する実態調査」によれば、入社3年目以下社員の退職理由は、
「労働環境・条件がよくない」(25.0%)
「給与水準に満足できない」(18.4%)
「職場の人間関係がよくない、合わない」、
「上司と合わない」、「希望する働き方ができない」(各14.5%)となっています。
企業にとってはすぐに対応が難しい課題もありますが、人手不足の中で様々な工夫をしている状況も見られることから、各企業でも人材の流出を防ぐための施策をいろいろと検討したいところです。

有給休暇の取得率が過去最高◆年次有給休暇の取得率が初の6割超え
厚生労働省の令和5年「就労条件総合調査」結果によると、令和4年の年次有給休暇の 付与日数の平均は17.6日(前年調査17.6日)、実際に取得した日数は10.9日(同10.3日)で、平均取得率は62.1%(前年比3.8ポイント増)と初めて6割を超え、昭和59年以降では過去最高となりました。
産業別では、郵便局、農業協同組合等の「複合サービス事業」が74.8%と最も高く、「宿泊業、飲食サービス業」が 49.1%と最も低くなりました。
政府は、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(令和3年7月30日閣議決定)において、令和7年までに年次有給休暇取得率を70%以上とすることを目標に掲げています。
◆有給休暇の取得率を上げるためには
厚生労働省は、毎年10月を「年次有給休暇取得促進期間」として、年次有給休暇を取得しやすい環境整備を推進するための集中的な広報を行っています。今年は、リーフレットを使い「年次有給休暇の計画的付与制度」の導入、年次有給休暇付与計画表による個人別付与方式の活用方法についても紹介しています。
平成31年4月に年次有給休暇の年5日取得義務が施行されて以来、年次有給休暇の取得率は過去最高となりましたが、政府の目標の70%には及ばない状況です。各企業で年次有給休暇の取得率を上げるにはどのような取組みが必要なのか検討も必要となります。
中小企業でも、若者の採用を増やすための検討課題のひとつにする必要がありそうです。

スポット情報●少子化財源の「支援金」概要案判明(11/10)
少子化対策の財源の一つとして創設する 「支援金制度(仮称)」の概要案が、9日のこども家庭庁の会合で示された。現役世代や後期高齢者を含む全世代から、収入に応じた額を医療保険の保険料に上乗せして徴収する。
使い道は法律に明記し、まずは妊娠・出産期から0~2歳の支援策に充てるほか、育児休業給付の拡充、親の就労に関わらず保育を利用できる「こども誰でも通園制度(仮称)」などの施策に充てる。年内に詳細を詰め、2024年の通常国会への関連法案提出を目指す。
●有休取得率が6割超え義務化で拡大(11/3)
厚生労働省の2023年就労条件総合調査によると、労働者の年次有給休暇の取得率は62.1%と初めて6割を超えた。2019年(52.4%)から10ポイント近く上がった。有給休暇の1人当たり平均持ち分は17.6日で、実際の取得日数は10.9日。労基法改正による年5日の有休取得義務化が追い風になった。
●フリーランスを労災保険の対象に(11/2)
厚生労働省は、フリーランスの労災保険特別加入の対象範囲を原則全業種に拡大する。
加入は任意で、企業から業務委託を受け、企業で働く労働者と同じ条件にある事が加入条件となる見通し。労災保険法施行規則を改正し、2024年秋の施行を目指す。
●求人倍率が 3カ月連続で低下(10/31)
厚生労働省の31日の発表によると、9月の全国の有効求人倍率(季節調整値)は1.29倍で、前月から横ばいだった。有効求人数も横ばいだったが、新規求人数(現数値)は前年同月比で3.4%減少した。また、総務省が同日発表した9月の完全失業率は2.6%で、前月から0.1ポイント減少した。
●潜在的な働き手約530万人(10/31)
内閣府は「眠る働き手」が約530万人いるとの試算を公表した。内訳は「就労時間を増やしたくて、それができる労働者」265万人と完全失業者184万人、就業希望はあるが今は求職活動をしていない84万人。
人手不足が成長の制約とならないためには、これらの人が力を発揮できるよう、「年収の壁」の是正や働き手のスキルの磨き直し等を行うことで、潜在的な労働力を掘り起こせるとみる。
●2024年春闘の賃上げ目標発表(10/20)
連合は19日、2024年の春闘での統一要求の賃上げ目標を「5%以上」とする方針を正式発表した。物価上昇を踏まえ、今春闘の「5%程度」より表現を強めた。来春闘について、日本商工会議所会頭は「少なくとも中小企業では難しいというのが実感だ」、経団連会長は「(今春闘と)同じ熱量で賃上げを目指す」と述べている。
●高齢者の職場への送迎制度を新設へ(10/19)
厚生労働省は、交通が不便な地域に住む高齢者の就労を支援するため、2024年度より職場への送迎制度を新設する。全国シルバー人材 センター事業協会に委託し、費用は国が負担する。モデル事業として数十カ所から開始し、将来的には全国展開を目指す。
●労基法改正を求める報告書まとまる(10/14)
働き方の多様化に対応するため、労基法の改正を求める報告書が、13日の「新しい時代の
働き方に関する研究会」でまとめられた。
労基法の対象となる「労働者」の定義や、労働条件を「事業場」ごとに決める原則、労働者の「過半数代表者」の枠組みの見直しなどを求めている。年度内にも新しい研究会を立ち上げ、法改正に向けた本格的な議論に入る。

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