経営労務情報 平成27年(2015年)4月号

I お知らせ◆新入社員を迎える3月、4月は、社会保険への加入・異動が多いため、年金機構の事務処理も増えて、健康保険証が届くのも遅れます。早めの連絡や申請に心がけて下さい。
◆介護保険料が4月から減額変更となりました。 (お客様へは順次お知らせ致します)
協会けんぽの介護保険料率は、旧料率1.72 % → 新料率 1.58 %となります。
「建設国保」などの 国保組合 も変更になっていますのでご注意ください。
◆生年月日が、昭和26年4月1日以前の方は、4月分給与(翌月払の会社では5月支払分)から「雇用保険料」が免除となります。 (お客様へは順次お知らせ致します)
介護保険料の変更とともに、給与計算の時にはご注意ください。
◆今年9月から来年8月までの社会保険料は、4月から6月に払われる給与の「平均額」で決まります。この間の残業等の手当額が多いと社会保険料が増えます。そこで無駄な残業を減らす管理も必要となります。 4月から6月に支払う給与総額にはご注意下さい。

II 「外国人技能実習制度」 適正化 に関する法案のポイント◆技能実習生の人権侵害防止のため「監督機関」を新設
政府は、「外国人技能実習制度」を拡充する新法を閣議決定し、国会に提出しました。
受入れ期間が、現行の最長3年から5年に延長となり、低賃金や長時間労働で酷使する等の防止のため、受入団体や企業を監視する「外国人技能実習機構」を新設します。

◆不正行為があった際には罰則も!
「外国人技能実習機構」は、立入調査や不正行為のチェックを行い、外部との遮断、帰国の強要、パスポートの取上げなどの禁止や、罰則を設けて実習生の保護を図ります。

◆介護分野も受け入れに
在留資格に「介護」を新設する入管難民法改正案も閣議決定されました。
現在の実習制度では製造業や建設業、農業などの69職種ですが、介護は対人サービスで初めての職種となり、更に、林業、自動車整備、惣菜製造、店舗運営管理などが追加の職種として検討されています。

III 中小企業のトップが考える平成27年の経営施策とは? ◆経営活動に影響を与えそうな要因
産業能率大学の調査(従業員数6人以上300人以下の企業経営者635人が調査対象)によると、今年の経営活動に影響を与えそうな要因として、次のことを想定しています。

(1)人材不足(46.5%)【前年比14.5ポイント増】
(2)国の政策変化(44.1%)
(3)消費税の増税(43.6%)
(4)原材料コスト増大(29.3%)
(5)業界構造変化(28.2%)

1位の「人材不足」は、平成22年の調査開始以来、過去最高となりました。また、昨年の人員確保は「例年より難しかった」との回答が半数を超え、本年の取組対策について尋ねた結果も、「従業員の新規採用」が前年比3.8ポイント増となっています。人材不足はまだまだ続きそうです。

◆強化している採用施策
本年の新卒採用については、4社に1社が実施を検討しており、年々増加傾向にありますが、実際に確保できた企業は約半数に留まりました。こうした中で中小企業が強化している採用施策は次のように「即戦力確保」の意向が目立ちます。
(1)中途採用(33.4%)(2)大卒採用(21.4%)(3)高卒採用(15.1%)(4)女性採用(13.4%)

◆平成27年に取り組みたいこと
昨年と比較して増加傾向にある本年の取り組みとしては、(1)新規事業への進出 (2)従業員の教育、育成 (3)従業員の新規採用 (4)従業員満足度の向上 (5)女性の活躍推進 などですが、労働環境や法制度の変更が今後も予定されていますので、情報を収集しながら課題に取り組んでいきたいものです。

IV 主婦の「パート探し」に関する 調査結果 から◆6割以上が「パートをしている方が幸せ」と回答
働いていない全国の主婦200人を対象に、(株)インテリジェンスの求人情報サービス「an」が調査した結果、「専業主婦とパート主婦、どちらが幸せか」という質問に対し、61% が「パートの方が幸せ」と回答しました。理由は「家にこもりきりにならないし自分のお金ができるから」、「社会とつながっていた方が、視野が広がる」などでした。

◆パート先を決めるときの後押しになる要因は?
決める際のポイントは、(1)「急な欠勤OK」(60%)、(2)「職場に主婦のスタッフが多い」(19%)、(3)「従業員割引がある」(17%)という結果でした。子供の発熱など急な用事への対応が必要なため、柔軟に対応してくれる会社を求めている実情がみえます。

◆パート探しは 「WEBの求人サイト」と「求人誌」
パート探し方は、(1)「WEBの求人サイト」(34%)、(2)「求人誌」(28%)、(3)「ハローワーク」(19%)、(4)「お店の張り紙」(11%)となっています。スマートフォン等を使って手軽にWEBサイトを利用して小まめにチェックする主婦が多いようです。

◆主婦層のニーズに対応することも重要に
現在、人手不足感が高まっています。パートの賃金額も上昇しており、資金面の余力のない企業では、賃金だけで人材を集めるのは非常に難しい状況です。フレキシブルな勤務対応を行うことで、人材確保の一役を担うことができるかもしれません。

V スポット情報●零細企業の倒産が大幅減!23年ぶりの低水準(H27/3/23)
2月時点の零細企業の倒産件数が6,142件にとどまり、平成26年度は7,000件を下回る低水準であることが、東京商工リサーチの調査でわかった。平成3年度以来23年ぶりの低水準。ただし全倒産件数に占める割合は、調査開始以来最高の70%台に達する見込み。

●解雇・雇止めが年間47万人、平成14年以降で最少(H27/3/22)
総務省「労働力調査」の結果、平成26年の完全失業者のうち、解雇や雇止めなどで仕事を辞めた人が47万人(前年比14万人減)となり、平成14年以降で最も少ないことがわかった。倒産企業の減少、新たな人材を雇うのが困難といった事情が影響したと見られる。

●労働者派遣法 改正案 を国会に提出(H27/3/13)
政府は「改正案」を閣議決定し国会に提出した。派遣社員の受入期間は、現在最長3年だが、改正案では3年ごとに働き手を代えれば引き続き受け入れが可能となる。期間終了後も、派遣社員が働き続けられよう企業に義務付け、「専門26業務」は期限の制限を除外する特例も廃止する予定。9月の施行を目指す。

●転職者が290万人、5年ぶりの高水準に(H27/3/13)
総務省「労働力調査」の結果、平成26年の転職者は290万人(前年比4万人増)で、4年連続の増加。平成21年(320万人)以来の高い水準。企業の求人が増え、女性を中心に、より良い賃金や雇用形態の仕事を求める人が増えたこと等が要因と分析されている。

●厚生年金未加入の疑いがある中小企業は80万社(H27/2/23)
厚生労働省が国税庁からの情報提供を受けた調査によると、中小零細企業のうち約80万社が厚生年金加入をしていないことがわかった。本年4月以降、3年間かけて強制加入へ向けて指導・検査に乗り出し、立入り検査も実施したうえで加入させる方針。

経営労務情報 平成27年(2015年)1月号

明けましておめでとうございます
皆様のご健康とご繁栄を心からお祈り申し上げます。
本年も職員一同、皆様にご満足頂けるサービスを心がける所存でございます。

I お知らせ◆通勤手当の「非課税限度額」が変更されています。
1月からの給与計算時にはご注意ください。国税庁のホームページでも確認できます。
◆インフルエンザが昨年より3週間早く流行期入りしました。インフルエンザは早期診断(受診)が大変重要です。欠勤が続けて4日以上の場合は、健康保険の「傷病手当金」の請求も可能となります。詳しくはご相談ください。
◆昨年のこの時期に、3人程のお客様が脳梗塞で入院されました。血圧が高い方は特にご注意ください。就寝前と起床後の水分補給も大切です。血圧の確認もお願い致します。
◆年末調整で従業員の住所変更が確認できた場合は、社会保険の住所変更届の提出が必要となりますのでご連絡ください。通勤手当額も変更になるかご確認下さい。

II「スケジュール先送り」が影響する平成28年度新卒採用◆経団連「採用選考の指針」
28年度の新卒採用は、広報開始が3年生の3月以降、選考開始が8月以降となり(いずれも経団連「採用選考の指針」)、従来よりも広報は3カ月、選考は4カ月遅れる内容となりました。ただし、指針を順守せずに選考を開始する予定の企業は多いようです。また、より早く学生への接触(インターンシップ、学内セミナー、大学とのコネクション作り等)を行うこととしている企業も多く見受けられるようです。

◆中小企業における懸念事項
人手不足により人材確保競争が激しくなっており、中小企業では採用活動が長引き、大手企業と中小企業の採用選考期間が重なり、中小企業と学生の出会いが減少することが予想されています。また、採用活動がバッティングすることで内定辞退が増加する、採用時期がずれ込むことで社内業務の調整が必要となるなど、様々な懸念がでています。

◆先を見据えて講じておきたい施策
新卒採用については、多くの中小企業では、大手の内定が出揃う10月以降が勝負となりそうです。採用目標を立てる際に目標に達しない場合の対策も講じておくとともに、内定辞退防止のための施策、新卒が辞めない組織作りなどといった取組みも必要です。

III 平成27年「上半期」施行の主な法律改正◆「労働法」関連
4月1日より、「雇入れ時・契約更新時の労働条件に関する説明義務化」等を内容とする改正パート労働法が施行されます。
6月1日より、重大な労働災害を繰り返す企業に、改善計画の提出や企業名公表等を内容とする改正労働安全衛生法 が施行されます。
同改正によるストレスチェック制度導入は12月1日です。

◆「労働保険」関連
4月1日より、労災保険率が全54業種平均で4.8/1000から4.7/1000へと、0.1/1000の引下げとなります。また、一人親方等の特別加入保険料率、海外勤務者の特別加入保険料率、労務費率の改定なども施行されます。

◆「助成金」「奨励金」関連
2月より、「育休復帰プラン」を策定・導入し、対象労働者が育休を取得・職場復帰した場合に助成金が支給されることとなります。「キャリアアップ助成金」、「トライアル雇用奨励金」、「労働環境向上助成金」、「キャリア形成促進助成金」、「建設労働者確保育成助成金」等の改正も見込まれています。

◆「社会保険」関連
1月1日より、健康保険の「高額療養費制度」が改正(70歳未満の所得区分が細分化) されています。また、昨年4月分から実施されている年金額の特例水準解消について、残る0.5%分の解消による改定(減額)が4月分より行われる予定です。

◆その他
4月1日より、10年間延長等を内容とする改正次世代育成支援推進法が施行されます。

IV スポット情報●外国人 技能実習生保護 に政府の関与を強化(2015/1/16)
政府は、外国人技能実習制度を見直す有識者懇談会による報告書案を明らかにし、実習生への賃金不払いや長時間労働を減らすため、送り出し国と日本政府が協力して悪質な仲介団体を排除する法案をまとめることがわかった。また、監理団体の許可や立入り検査を行う管理機関を新設することなどを盛り込んだ。通常国会に提出予定。

●新卒採用「経団連ルール守る」は 28.6%(2015/1/10)
採用期間が短期化した平成28年の新卒採用に関するいわゆる"経団連ルール"について、「守る」とする企業は28.6%(前年に守った企業は55.1%)だったことが株式会社ディスコの調査(574社が回答)でわかった。経団連の示したスケジュールでは、広報活動の解禁が3月から、面接等の選考が8月からとなっているが、短期化に対応できずに面接の開始時期を前年同様の4月とする企業が最も多かった。

●介護分野の外国人増員へ技能実習制度 の対象拡大 (2015/1/6)
政府は、平成28年度から外国人技能実習制度 の対象職種に「介護」を加え、人手不足が深刻な介護分野への外国人の受入れを拡充する方針を固めた。受入れ条件は、来日時にある程度の 日本語能力を身につけていることとする考え。事業者側には、待遇を日本人と同等以上 とすることを義務付け、事業者の監督・指導を強化する方針。

●平成27年度の雇用保険料率は据置き(2015/1/4)
厚生労働省は、平成27年度の雇用保険料率を1.35%(労働者負担分0.5%、事業主負担分0.85%)に据え置く方針を示した。ここ数年で失業給付の受給者数が約5万人減少していることを受けたもので、正式決定は1月以降に開かれる労働政策審議会で行う。

●賃上げ企業の 減税優遇策 を拡充へ (2014/12/29)
政府は、賃上げを実施した企業への減税策を拡充する方針を明らかにした。中小企業については平成28・29年度とも「3%以上」(平成24年度の給与総額との比較)の賃上げで減税を認め、大企業については平成28年度に限り「4%以上」(同)で認める。平成29年4月に消費税率を10%に上げる予定のため、賃上げを促すことで個人消費を高める狙い。

●高卒者の 就職内定率 が7割超に (2014/12/13)
文部科学省は、来春卒業予定で就職希望の高校生の就職内定率が10月末時点で20年ぶりに7割を超えたと発表した。リーマン・ショック後の2009年(55.2%)から5年連続の上昇。男女別では男子72.9%、女子68.3%となった。学科別では「工業」「福祉」「商業」などが高く、都道府県別では、富山、愛知、石川の順に高い。

経営労務情報 平成26年(2014年)12月号

I お知らせ◆賞与を計算される時の、社会保険料率にご注意ください。
夏の賞与時より、厚生年金の料率が変わっています。 ⇒⇒ 厚生年金 8.737%
健康保険4.985% 介護保険0.86% (健康保険+介護保険=5.845%
◆通勤手当の「非課税限度額」が増額されました。
本年4月にさかのぼって変更されました。課税となる通勤手当を支給している場合はご注意ください。変更案内は、税務署からの「年末調整書類」の中に同封されています。
国税庁のホームページより確認もできます。
◆早いもので今年も12月!慌ただしい頃ですが、事故・ケガや風邪などひかれませんようお気をつけになってください。本年もご愛読いただきありがとうございました。

II 「高年齢者雇用」の実態はどうなっている?◆9割以上が 高年齢者雇用確保措置 を実施済
厚労省が、平成26年「高年齢者の雇用状況」(6月1日現在)の集計結果を発表した。高年齢者雇用を実施済の企業の割合は、98.1%(143,179社)となりました。規模別では、大企業99.5%(15,015社)、中小企業98.0%(128,164社)でした。

◆約8割が「継続雇用制度」を導入
雇用確保の内訳では、「定年制の廃止」2.7%(3,850社)、「定年の引上げ」15.6%(22,317 社)、「継続雇用制度の導入」81.7%(117,012 社)となりました。

◆希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合
この割合は71.0%(103,586社)となり、大企業51.9%(7,831社)、中小企業73.2%(95,755社)でした。さらに、70 歳以上まで働ける企業の割合は19.0%(27,740社)で、大企業11.8%(1,780 社)中小企業19.8%(25,960社)となり中小企業の取組みが進んでいます。

◆今後の取組み
同省では、労働局、ハローワークにより未実施企業の早期解消を図るとしています。また、「70 歳まで働ける企業」の普及・啓発等に取り組むとしています。

III 各種調査結果に見る「人材不足」の実態 と 対応策◆雇用・労働分野の切実な問題
「人材不足」は雇用・労働をめぐる最も切実な問題となっています。「人材不足により倒産する中小企業も増え始めている」との報道もあります。特に、飲食サービス業や小売業、運送業等で状況が深刻です。人材不足により社員の業務の負担が高まり、それがさらなる離職につながるといった悪循環も発生しています。

◆厳しい採用状況
リクルートワークス研究所が行った「人手不足の影響と対策に関する調査」では、3社に1社は必要な人数を確保できておらず、うち50%以上は事業に影響が出ているとの結果が出ています。さらに、人材不足の企業の52.7%が「見通しがない」と回答、今後ますます人材不足の悪影響が出てくることが懸念されます。

◆対応策は?
(1)採用対象の拡大(未経験者も採用対象とする、外国人を採用対象とするなど)
(2)処遇の改善(賃金の引上げ、パート・アルバイトの正社員登用など)
(3)業務等の調整(業務効率の向上、外部人材活用、アウトソーシング、受注調整、営業時間の調整など)です。
今後、主婦(20~49歳の既婚・子供あり女性)や高齢者の活用が人材不足の解消につながることが大いに期待されます。

IV パートタイマー用の「労働条件通知書」が変更されました◆改正法で 労働条件に関する説明 を義務化
改正パートタイム労働法が、平成27年4月1日から施行されます。パート・アルバイトの雇入れ時や契約更新時に、労働条件(賃金の決定方法、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用、正社員転換等の措置内容等)についての説明が義務化されます。労働条件は、必ず文書など(電子メールやFAXでも可)を渡す必要があります。違反した場合は10万円以下の罰金となってしまいます。

◆労働条件通知書の変更箇所
新たに「雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口」を記載することになります。この「相談窓口」の体制整備が事業主の義務とされたため、パート・アルバイトを採用している会社では、担当者または担当部署を決めておく必要があります。

◆労務管理に関する疑問は早めに相談を
「平成26年版労働経済白書」では、平成25年の非正規労働者(パート・アルバイト含む)の割合は36.7%、10年前と比較して6%増、人数は約400万人増加しています。非正規労働者の増加に伴い、正社員との労働条件の差について、不公平感を感じるパートと事業主の間でトラブルとなるケースが増えており、パートタイム労働法が改正された大きな理由の1つにもなっていました。労務管理に関する疑問や不安は、早めに対策を検討する必要があります。

V スポット情報 ●就職内定率が大卒・高卒ともに改善(2014/11/15)
文科省と厚労省は、来春卒業予定の大学生の就職内定率が68.4%(10月1日時点。前年同期比4.1ポイント増)となり、4年連続で上昇したと発表した。また、高校生の内定率も54.4%(9月末時点。同8.8ポイント増)に上昇した。

●「配偶者控除」の見直しを検討へ(2014/10/22)
首相は、女性の就労拡大に向け、配偶者控除など税制上の措置や社会保険制度の見直し案を検討するよう、経済財政諮問会議において関係官僚に指示した。政府は、先行して国家公務員の配偶者手当の見直しを検討する考え。

●連合がベア2%以上要求へ 17年ぶりの高水準(2014/10/18)
連合は、来年の春闘で定期昇給(2%)を確保したうえで、全組合員の賃金を2%以上引き上げるベースアップの実施を要求する方針を決定した。ベア要求は2年連続で、1998年の2.9%以来、17年ぶりの高水準。

●高額給与者の健康保険料を引き上げへ -厚労省方針-(2014/10/17)
厚労省は、高所得の会社員の医療保険料を引き上げる方針を明らかにした。標準報酬月額の上限(現在121万円)より上に新たに4段階設定する。約32万人が対象となり、最大で月1万円ほど保険料が上がる見通し。来年の通常国会での法改正を目指すとしている。

●来年度から公的年金給付の抑制策を実施へ(2014/10/16)
厚労省は、現役世代の減少と平均余命の伸びに合わせて公的年金給付額を抑える「マクロ経済スライド」を来年度から導入する方針を固めた。物価下落時も年金額を減額できるようにすることで高齢者への給付を抑え、若者の将来の受給額が減りすぎないようにする。来年の通常国会に国民年金法などの改正案を提出する方針。

監修 :中島光利、坂山徹

経営労務情報 平成26年(2014年)9月号

I お知らせ◆年1回の社会保険料の「定期変更」は、10月に支払う給与からお願い致します。
具体的には以下のとおりです。(先引の会社では、例年どおり変更してください)
翌月払の会社では9月分から(例:9月末日締切の10月10日支払)
当月払の会社では10月分から(例:10月20日締切の10月末日支払)
◆最低賃金が、10月1日より800円(愛知県)に変更されます。今回は大幅な変更になります。パート募集時の時間給決定や、10月1日以降、パートさんの給与計算時に下回らないようご注意ください。
◆新「パートタイム労働法」が、平成27年4月1日から施工されます。社員とパートの就業規則をはっきり分ける必要があります。詳細は随時お知らせ致します。

II 人手不足の業界には光明? (外国人労働者活用) ◆外国人労働者活用への期待が高まる
労働力人口の減少を補うため、外国人労働者活用への期待が高まっています。これまでは高度人材(研究者や経営者など)を中心に受入れ体制が整えられてきましたが、比較的単純な労働も可能とする議論が進み、建設、農業、製造業、家事支援、介護などでの活用が期待されています。また技能実習制度の拡大も検討されています。

◆受入れの際の留意点
経営戦略・事業運営方針にも大きく関わるため、雇用する目的や必要性を十分に検討し担当業務を決めていく必要があり、諸官庁への手続きなども注意が必要です。

◆トラブル防止のための知識
トラブルを防ぐためには、次のような知識が必要です。
(1)入管法(出入国管理及び難民認定法) (2)労働関係法  (3)日常の労務管理 (4)文化、宗教 (5)生活様式、生活慣習 (6)ビジネス慣習 (7)コミュニケーション方法
社会保険加入となるため賃金は単純に安くならないようです。検討が重要です。

III 深刻な 「後継者不在」問題 と 制度改正の動向 ◆28万社超の企業を分析
4人に1人が高齢者時代。経営者も約3割が65歳超の時代です。帝国データバンクが有する企業概要(145万社収録)及び信用調査ファイル(160万社収録)を分析し、後継者問題に関する調査の結果が発表されました。

◆深刻な後継者不在の状況
国内企業の65.4%が後継者不在。社長年齢が「60歳代」の企業では53.9%が後継者不在、「70歳代」では42.6%、「80歳以上」では34.2%でした。どのような後継者がいるかでは、「子供」38.4%が最多、 「親族」19.9%、「配偶者」10.9%、つまり同族が約7割(69.2%)となりました。

◆業種別の状況
後継者不在割合が、平均値の65.4%以上の業種は、1)サービス業70.4%、2)建設業70.0%、 3)不動産業67.8%、4)小売業66.1%、でした。

◆制度改正の動向
経済産業省の調査結果では、「親族外が後を継ぐ中小企業の割合は約4割でした。同省は法務省と連携し、親族外の事業承継がしやすい制度づくりを進める考えです。親族が無理なら早い対策が重要です。また後継者対策を含めた採用計画も重要です。

IV 中小企業における賃上げなどの取組み状況◆6割強の企業が何らかの賃上げを実施
経済産業省が、「中小企業の雇用状況に関する調査」、及び「中堅・中小企業等における賃上げ等の取組みに関する調査」の結果を発表しました。平成26年度に、ベースアップや賞与・一時金の増額など何らかの賃上げ(正社員1人当たり平均賃金の引上げ)を行った企業の割合は64.5%(前年度比7.7ポイント増)でした。またベースアップに相当する賃上げを行った企業は36.2%で、賞与・一時金の増額を行った企業は48.0%でした。

◆賃上げを行った理由は?
「従業員の定着・確保」とした企業が最多の75.7%、「業績回復の還元」が28.9%、「消費税率の上昇への対応」が21.3%でした。逆に賃上げなしの企業の理由は、「業績の低迷」が71.7%で最多、「賃金より従業員の雇用維持を優先」が33.1%、「原油・原材料価格の高騰」が33.0%でした。

結果からは、人手不足により賃上げせざるを得ない状況、業績低迷により賃上げができない状況、雇用維持への努力やコストアップへの影響が見てとれます。地域別では、賃上げした企業は、昨年度に比べ全国的に増加し、地域間の格差も少なくなり、地方への「経済の好循環」が波及しつつある状況も見られました。

◆非正規社員の処遇改善の取組み例
非正規社員の処遇改善では、賃金改善や、正規雇用への転換(会社側から積極的に働きかけて非正規社員を正規雇用へ転換)が挙げられます。賃金以外では、介護休業や介護休暇の拡充、女性の積極的登用するため短時間 勤務制度を導入、出産祝い金の増額、社員旅行の実施などが挙げらました。全社員の賃上げが不可能でも、若手社員の賃上げ方法が重要になっています。

V スポット情報●「入職率」が「離職率」を6年ぶりに上回る(2014/9/10)
厚生労働省が平成25年の「雇用動向調査」の結果を発表し、入職率(転職も含めて新たに仕事に就いた就職者の労働者全体に占める割合)が16.3%(前年比1.5ポイント増)となり、離職率(仕事を辞めた人の労働者全体に占める割合)の15.6%(同0.8ポイント増)を上回った。入職率が離職率を上回るのは6年ぶり

●現金給与総額が5カ月連続で増加(2014/9/2)
厚生労働省が7月の「毎月勤労統計調査」の結果を発表し、現金給与総額が36万9,846円(前年同月比2.6%増)となり、5カ月連続で増加したことがわかった。伸び率は、平成9年1月以来、17年半ぶりの高さとなった。

●生活保護世帯数が過去最多の160万世帯に (2014/9/4)
厚生労働省が生活保護に関する集計結果を発表し、今年6月時点で生活保護を受給している世帯数が160万4,414世帯(前月比1,321世帯増)となり、過去最多を更新した。受給者数は215万8,840人(同1,012人減)だった。

●医療費が過去最高の39.3兆円に(2014/8/27)
厚生労働省は、平成25年年度における医療費(概算)が39.3兆円(前年度比2.2%増)となり、11年連続で過去最高を更新したと発表した。国民1人当たりの医療費は平均30.8万円(同2.4%増)で、75歳以上の後期高齢者は92.7万円、75未満は20.7万円だった。

監修 :中島光利、坂山徹

経営労務情報 平成26年(2014年)7月号

I お知らせ◆給与から引く住民税の額が7月より一定額に変わります。給与計算の際に注意して控除をお願い致します。
◆社会保険「算定基礎届」の提出は無事終わりましたが、「消えた年金問題」も落ち着いてきたことから社会保険調査が増えています。調査3点セットの 1)給与台帳 2)出勤簿 3)給与所得税の領収書 が必要になります。問題にならぬように日頃の 準備をお願い致します。仕事が忙しい場合は、調査予定日の変更も可能です。
◆毎回のお願いになりますが、「熱中症」で倒れる事故が発生しています。皆様の会社でも具体的な暑さ対策をお願い致します。
最近は、労災事故が発生するとすぐ監督署の監督官が来ます。曖昧な事故発生状況の記入は避け、できるだけ分かりやすい事故状況の記入に心掛けてください。

II 好況で変わってきた? 新入社員の働くことに対する意識◆「第一志望に入社」昨年から微増
日本生産性本部と日本経済青年協議会が今年度の新入社員を対象に実施した「働くことの意識」の調査結果によると、「第一志望の会社に入れた」と答えた新入社員は、質問を開始した2009年以降で、過去最低を更新した昨年の52%からわずかに改善され55%でした。

◆「定年まで同じ会社で働きたい」は減少
「この会社でずっと働きたいか」という問いには、一昨年は過去最高を記録した「定年まで勤めたい」が28.8%までに減少し、代わって「状況次第でかわる(転職)」が34.5%となり、2年連続で「定年まで勤めたい」を上回りました。「定年まで同じ会社で働きたい」は景況感の好転とともに減少傾向です。

◆ 約7割が「手当が出るなら残業はいとわない」
「残業について」は、昨年度に続き「手当が出るならやってもよい」が最多となり、昨年度の63%から69.4%に急増し、過去最高を更新しました。いわゆる「ブラック企業」による残業代不払いなどの報道に敏感になっており、残業はいとわないけれども、それに見合った処遇を求めている傾向にあるようです。

◆「社長になりたい」は1割を下回る
産業能率大学がまとめた「2014年度新入社員の会社生活調査」によると、最終目標とする役職・地位について、「社長」と答えた人が9.0%となり、調査を開始した1990年以降で過去最低だった昨年の11.9%を下回り初めて1割を下回りました。女性の管理職登用を進める企業が増えている中、将来「管理職で部門の指揮をとる」と回答した女性の新入社員が28.8%で過去最高となりました。

III 人手不足産業でも採用できた事業所とできなかった事業所の違い◆ 医療・福祉、建設業における人手不足が深刻
厚生労働省発表の「人手不足産業における高卒求人の充足状況」によると、平成25年度の高卒者向け求人は、製造業、医療・福祉、建設業、卸売・小売業などで多かったものの、充足率をみると医療・福祉で31.3%、建設業で34.2%と低く、人手不足の深刻化による充足率の向上が課題となっています。

◆ 採用できた事業所・できなかった事業所の差は?
高卒求人票を用いて採用できた事業所とできなかった事業所の違いは、医療・福祉では、早期(7月末まで)に求人票を高校に送付した事業所の割合が、採用できた事業所で77.2%、採用できなかった事業所で 58.7%となり大きな差がでました。

また、求人票に「採用・離職状況」の記載があった事業所や、賞与支払いがある事業所が採用割合を高くしています。建設業でも、早期に求人を提出し採用できた事業所69.2%が採用できなかった事業所45.1%を大きく上回りました。「早期の求人提出」、「求人票における積極的な情報提供」が重要と考えられます。

◆ なぜ人が集まらないのか?改善点はなに?
高校の進路指導担当教諭に対して、生徒が応募しない理由を聞いたところ、宿泊業・飲食サービス業では、「休日が少ない・労働時間が長い・勤務時間が不規則等、労働時間の問題」、建設業と医療・福祉では、「仕事がきつそう・面白くなさそう等、仕事内容(職種)の問題」という回答でした。給与・休日・労働時間等労働条件の改善、イメージの向上、日勤・夜勤でもリズムが崩れない配慮、3Kのイメージ払拭、長時間拘束の改善などの取り組みが重要になります。

IV スポット情報●建設業の外国人労働者に日本人並みの給与支給を義務化へ(2014/7/25)
政府は、人手不足が問題となっている建設業において、来年度から技能実習制度による受入れを拡大する外国人労働者にも、同じ技能を有する日本人と同等以上の給与を支払うことを受入れ企業に義務付ける方針を明らかにした。同水準であるかどうかを確認する体制づくりを今後検討するとしている。

●外国人技能実習制度で不正「3年連続で増加」(2014/7/13)
外国人技能実習制度で来日した外国人に対し、昨年は賃金等の不払いなどの不正を行った受入れ団体・機関の数が230団体に上り、現行制度が開始されてから3年連続で増加したことが法務省の調査で明らかになった。これらの団体に対し、同省は新たに罰則を制定する方針。

●精神障害での労災申請が「過去最多」を更新(2014/6/28)
厚生労働省が「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」を公表し、2013年度に精神障害により労災申請をした人が1,409人(前年度比152人増)で、過去最多を更新したことがわかった。労災認定者は436人(同39人減)で減少となったが、2年連続で400人を超えた。
〔関連リンク〕平成25年度「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」まとめ

●ハローワークの求職者情報を民間の職業紹介会社に開放へ(2014/6/19)
厚生労働省の労働政策審議会は、来年度からハローワークが持つ 求職者情報 を、民間の職業紹介会社に開放する制度案を固めた。求職者が希望した場合に限り、職歴や資格等の情報を職業紹介の実績のある職業紹介会社に限定して公開する。同制度は、2015年度からスタートする見込み。

●所定内給与が26カ月ぶりに増加 (2014/7/1)
厚生労働省が5月の「毎月勤労統計調査」の結果を発表し、所定内給与が平均24万1,739円(前年同月比0.2%増)となり、26カ月ぶりに増加したことがわかった。残業代を含めた現金給与総額は26万9,470円(同0.8%増)で、3カ月連続で増加した。

監修 :中島光利、坂山徹

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