経営労務情報 令和7年(2025年)12月

お 知 ら せ
◆賞与の社会保険料率にご注意ください。
本人負担率は、厚生年金 = 9.15 %
健康保険+介護保険 = 5.81 %
(健康保険5.015%、介護保険0.795%)
・65歳以上は介護保険料が、
・70歳以上は厚生年金保険料が、
・75歳以上は健康保険料が不要になります。
雇用保険料率は以下の料率です。
建設業=0.65%、建設業以外=0.55%
 賞与を払われたお客様はご連絡ください。
◆今の健康保険証は3月31日まで使えます。
 12月2日より原則「マイナ保険証」または「資格確認書」となりますが、今までの「健康保険証」は特例として3月末まで使用が可能となりました。今後「資格確認書」が必要な方で、お手元にない場合はご連絡ください。発行の申請をいたします。
◆扶養家族の見込み収入確認が変わります。
令和8年4月から、健康保険の被扶養者認定における「130万円の壁」の判定方法が大きく変わります。従来の「過去・現在の収入実績」ではなく「労働契約(労働条件通知書)に記載された年収見込み」を基準に判定されるようになります。詳細は追ってお知らせいたします。
◆本年も1年間、誠にありがとうございました。
年末年始の事故・ケガや風邪などにお気をつけください。年末年始の休業を下記のとおりお知らせいたします。

28日(日)より 新年5日(月)まで

外国人労働者に労務管理を
説明する際に役立つ支援ツール

日本の法制度や雇用慣行は外国人にとっては馴染みのないことも少なくありません。そのため厚生労働省から、職場のルールを理由や背景も含めて説明し、理解を深めてもらうことを目的とした支援ツールが出されています。
◆『職場の労務管理に使えるポイント・例文集』
採用、賃金、労働時間など9つのテーマをあげ、雇用管理で実際に想定される場面ごとに、
①外国人社員に説明する前に読んで理解しておくとよいポイント、②実際に外国人の方にそのまま話したり見せたりできるよう「やさしい日本語」による説明の例が紹介されています。
例えば「日本ではあなたに代わって会社が税金や保険の計算をします。あなたのためにしますから、必要な情報を会社に教えてください。」とルビつきで表示しています。
◆雇用管理に役立つ多言語用語集
よく使用する労働・社会保険関係の用語約420語についても、定義・例文を検索できる用語集です。やさしい日本語のほか9言語(英語、韓国語、中国語(簡・繁)、タガログ語、ベトナム語、ネパール語、ポルトガル語、スペイン語、インドネシア語、カンボジア語、タイ語、ミャンマー語、モンゴル語)に対応しています。
外国人労働者に説明する際、理解が難しそうな用語などを検索して、翻訳を提示したり、外国人社員本人が、人事・労務用語の入社前の学習や辞書として活用したりすることが想定されています。
◆モデル就業規則ほか
厚生労働省のモデル就業規則は外国語版も出されています。そのほか、日本国内で働く外国人の方に向けた「労働条件ハンドブック」や外国人労働者の労災防止に役立つ教材、資料も整備されています。

通勤手当の非課税限度額の変更

◆令和7年分年末調整における改正事項
 今年の年末調整は、(1)「基礎控除」や「給与所得控除」の見直し、(2)「扶養親族等の所得要件」の改正、(3)「特定親族特別控除」の創設、が決まっています。また、「通勤手当に係る非課税限度額が4月に遡って改正されま したので年末調整での対応にご注意ください。
◆令和8年4月以降の更なる改正も検討
 通勤手当の更なる改正について「令和8年4月から上限を『100㎞以上』とし、『60㎞以上』の部分について5㎞刻みで新たな距離区分を設ける」、「1か月当たり5,000円を上限とする駐車場等の利用に対する通勤手当を令和8年4月から新設する」などが上がっています。

高年齢者の労働災害防止対策
ガイドラインを指針に格上げへ

◆高齢者の労働災害防止の推進
令和7年改正の労働安全衛生法では、「高年齢労働者の労働災害防止の努力義務化」が盛り込まれました。この改正で国が当該措置に関する指針を公表するとされ「高年齢労働者の労働災害防止対策に関する検討会」で取り上げられています。
◆ガイドラインが指針に格上げ
労働災害防止対策としては、「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(令和2年3月策定)が公表され取組みが促されてきました。法的根拠のない現行のガイドラインから法律に基づく指針に格上げし、現行のガイドラインを廃止するとしています。
現行のガイドラインが基本とされるようですが、新たな追加修正項目として以下のような点が挙げられています。
・経営トップによる方針表明及び体制整備
・危険源の特定等のリスクアセスメント実施
・高年齢労働者の体力の把握方法
・高年齢労働者の体力に応じた対応
・安全衛生教育
◆早めの取組みを
企業が「労働災害防止対策に取り組んでいない理由」として、「自社の60歳以上の高年齢労働者は健康である」と回答した企業が約半数を占めています。身体機能の低下による労働災害のリスクへの理解が進んでいないことが指摘されます。高齢化が加速する中、企業としては高年齢労働者の労働災害対策は避けては通れない課題です。早めの取組みを検討したいところです。

「離職予測分析」サービスとは

離職予測分析とは、従業員の離職可能性をデータに基づいて予測する分析手法です。
勤怠データや人事評価などを活用し、統計分析やAIモデルによって離職リスクの高い従業員を早期に特定し、適切な対策を実施することを目的とします。近年こうしたサービスが増加しています。
◆高品質なデータの重要性
分析の成否は、データの質と量に大きく左右されます。例えば、勤怠データ収集では、出退勤時間だけではなく、残業時間の推移、遅刻・早退の頻度も必要です。これらのパターン変化は離職の前兆となることが多いからです。
従来残業を嫌がらなかった従業員が急に定時退社するようになったり、有休の申請が急増したりするなどは離職リスクの指標と考えられます。ただしこれらは組織文化や制度の変更によっても生じるため注意が必要です。
◆質的データの活用
定量的データと併せて質的データも重要です。従業員満足度調査やエンゲージメント調査により、仕事への満足度、上司との関係性、キャリア展望を測定します。退職者面談のデータは離職要因の理解に重要であり、在職中の面談データと併せた分析が必要です。
◆継続的なメンテナンスの必要性
精度の高い予測には、労働環境や従業員の価値観の変化に応じたデータ項目の新設、収集範囲の拡張、データ形式の標準化など、データ品質を保つための定期的なメンテナンスも必要です。会社の人事制度と同様に「一度作ったら終わり」ではありません。また、プライバシー保護や利用目的の制限についての配慮も不可欠です。
離職予測分析サービスを利用しない場合でも、こうしたデータの把握は有益な視点となるでしょう。

「地域若者サポートステーション」
サイトがリニューアル

 働く一歩を踏み出したい若者の就労を支援する「地域若者サポートステーション(サポステ)」の特設サイトがリニューアルされました。
◆地域若者サポートステーションとは
 15歳から49歳までの様々な事情を抱える若年無業者を対象に、働くことへの悩み相談から職場定着等までサポートする厚生労働省委託の支援機関です。令和6年度ではサポステは全国179カ所、総利用件数はのべ49.5万件、就職等率は73.7%でした。面接や履歴書の指導を行う就活セミナーのほか、就職に必要な基礎能力講座など、各種支援や、就職後の相談を通じた定着・ステップアップ支援も行っています。
専門家との面談等を通じてポート内容を決定し、若者の職業的自立を継続的に支援することを目的としています。
◆企業協力とそのメリット
 各種機関・団体と連携して職場見学や職業体験を行っており、職業体験の受け入れ企業も募集しています。企業の求人ニーズ等も踏まえた体験内容を策定でき、利用者の特性や配慮点についての情報を事前に知ったうえで職業体験の受け入れを行えるためミスマッチの少ない雇用機会に繋げることが可能です。
 人手不足等が大きな課題となる昨今では、公的な支援機関と連携し、企業と労働者の両方が実際の就労状況を確認したうえで雇用に繋げることができる機会の活用は、有効な一手となりえるでしょう。

若い世代が考える
仕事と育児の両立

厚生労働省の広報事業「共育(トモイク)プロジェクト」は7月30日、15歳から30歳の若年層1万3,709人を対象に実施した「若年層における仕事と育児の両立に関する意識調査」(速報)を公表しました。
結果は、若年層の64.8%が「共育てをしたいが、実現のためには社会や職場の支援が必要」と回答しました。共育ての必要性は広く認識されているものの、制度や環境面での支援整備が課題として浮き彫りになりました。
また育児や家事の分担については約7割が「性別は関係ない」と回答し、男女の役割に関する意識変化が明確です。
※「共育て」とは、父母が協力し合って、家事・育児に取り組むことをいいます。
◆育児休業取得意向の高さと理想の働き方
育児休業の取得意向は高く、若年社会人の71.8%が育休取得を希望しています。そのうち約8割が「1か月以上の育休取得」を希望していました。理想の働き方は「仕事と家庭の両立」や「柔軟な働き方」を重視する傾向が強く、理想の働き方が実現した場合に「仕事のモチベーションが高まる」と回答した割合は74.4%にのぼっています。
一方、理想の働き方ができていない若年層は、子育て期間中の離職意向が理想の働き方ができている層に比べて24.3ポイント高いことも明らかになりました。
◆企業に求められる具体的支援策
若年層が理想の働き方を実現するために望む支援としては、「残業時間の抑制」(22.3%)、「在宅勤務の活用」(22.1%)、「有給休暇の取得促進」(21.6%)が挙げられています。
これらの支援は離職抑止や働きやすさ向上に寄与すると考えられます。
また厚生労働省の調査によれば、2024年度の男性育児休業取得率は40.5%で、2025年度には50%の取得率達成を目指しています。
若年層の育児や共育てに対する意識の変化に合わせ、企業側は制度の充実と職場環境の整備を一層進める必要がありそうです。
仕事と育児の両立は、個々の社員だけでなく、企業の持続的な成長や社会全体の活力にも影響を与える重要なテーマです。今後も若年層のニーズを踏まえ、多様な働き方と支援体制の構築が求められます。

ス ポ ッ ト 情 報

●農林水産業も労災保険義務化の方針(11/20)
厚労省は20日、労災保険の加入が任意となっている農林水産業の小規模事業者について加入義務化の方針を決めた。来年の国会で労災保険法の改正を目指す。義務化されると最大約16万の事業者が新たに労災保険に入る見通し。

●通勤手当の非課税限度額引上げ (11/19)
政府はマイカー通勤者の通勤手当の非課税限度額を11年ぶりに引き上げる改正政令を公布した。片道10キロメートル以上の場合に200~7,100円の引上げで、施行は11月20日。令和7年4月に遡って適用され、改正前の非課税限度額を超える通勤手当を支払っていた場合は令和7年分の年末調整で調整の対応が必要となる。

●外国人の国民健康保険料を前納に(11/1)
厚労省は10月29日、外国人等の国民健康保険加入時に保険料を前納させることができるように改正例などを自治体に通知した。前年度の1月1日時点で日本国内に住民登録をしていない世帯主が前納の対象となり帰国した日本人も含む。最大1年分の保険料の前払いを求め、支払期限を過ぎても納付されない場合は滞納処分が可能となる。自治体ごとに判断し、早ければ来年4月から運用が始まる。

●夏のボーナス2.9%増の平均42万円(11/7)
厚労省の9月発表の「毎月勤労統計調査」で、今夏のボーナスの1人当たり平均額は42万6,337円(前年比2.9%増)となり4年連続の増加となった。事業所規模30人以上での平均額は49万6,889円(前年比3.8%増)で、規模による伸び率の差は大きくなった。

●酷暑で労働生産性低下
170兆円の経済損失に(10/30)
世界保健機構(WHO)などの研究チームは地球温暖化による労働生産性の低下などが原因で、2024年に世界の国内総生産(GDP)の1%に相当する約1兆900億ドル(約170兆円)経済損失が生じた可能性があると公表した。酷暑によって労働者の欠勤率が増えるなどして各産業での労働時間が大幅に失われたと指摘、温室効果ガス削減などの温暖化対策の強化が急務であると訴えている。

●パワハラによる精神疾患が最多 (10/29)
厚労省が公表した「令和7年版 過労死等防止対策白書」では令和6年度の労災等認定件数で精神障害事案は1,055件と過去最多だった。  
種類別の労災支給決定(認定)件数は、「パワーハラスメント」が最多の224件で、「仕事の量・質」が209件、「対人関係」が197件と続いた。 
過労死等に係る調査・研究の重点業種である外食産業のアンケート調査では、過去1ヶ月で1週当たりの労働時間が平均週60時間以上と回答した職種は、「店長」が29%、「エリアマネージャー、スーパーバイザー等」が24%「店舗従業員(調理)」13.3%の順だった。

●在留資格の許可基準を厳格化  (10/14)
外国人が日本での起業に必要な在留資格「経営・管理」の要件を厳格化する改正が10月10日に公布され16日より施行された。資本金等の要件を3,000万円以上に引き上げ、経営に関する一定以上の経歴・学歴を求める他、1人以上の日本人や永住外国人等の常勤職員を雇用すること、申請者または常勤職員が中上級者レベルの日本語能力であること等が求められる。

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