経営労務情報 平成27年(2015年)4月号

I お知らせ◆新入社員を迎える3月、4月は、社会保険への加入・異動が多いため、年金機構の事務処理も増えて、健康保険証が届くのも遅れます。早めの連絡や申請に心がけて下さい。
◆介護保険料が4月から減額変更となりました。 (お客様へは順次お知らせ致します)
協会けんぽの介護保険料率は、旧料率1.72 % → 新料率 1.58 %となります。
「建設国保」などの 国保組合 も変更になっていますのでご注意ください。
◆生年月日が、昭和26年4月1日以前の方は、4月分給与(翌月払の会社では5月支払分)から「雇用保険料」が免除となります。 (お客様へは順次お知らせ致します)
介護保険料の変更とともに、給与計算の時にはご注意ください。
◆今年9月から来年8月までの社会保険料は、4月から6月に払われる給与の「平均額」で決まります。この間の残業等の手当額が多いと社会保険料が増えます。そこで無駄な残業を減らす管理も必要となります。 4月から6月に支払う給与総額にはご注意下さい。

II 「外国人技能実習制度」 適正化 に関する法案のポイント◆技能実習生の人権侵害防止のため「監督機関」を新設
政府は、「外国人技能実習制度」を拡充する新法を閣議決定し、国会に提出しました。
受入れ期間が、現行の最長3年から5年に延長となり、低賃金や長時間労働で酷使する等の防止のため、受入団体や企業を監視する「外国人技能実習機構」を新設します。

◆不正行為があった際には罰則も!
「外国人技能実習機構」は、立入調査や不正行為のチェックを行い、外部との遮断、帰国の強要、パスポートの取上げなどの禁止や、罰則を設けて実習生の保護を図ります。

◆介護分野も受け入れに
在留資格に「介護」を新設する入管難民法改正案も閣議決定されました。
現在の実習制度では製造業や建設業、農業などの69職種ですが、介護は対人サービスで初めての職種となり、更に、林業、自動車整備、惣菜製造、店舗運営管理などが追加の職種として検討されています。

III 中小企業のトップが考える平成27年の経営施策とは? ◆経営活動に影響を与えそうな要因
産業能率大学の調査(従業員数6人以上300人以下の企業経営者635人が調査対象)によると、今年の経営活動に影響を与えそうな要因として、次のことを想定しています。

(1)人材不足(46.5%)【前年比14.5ポイント増】
(2)国の政策変化(44.1%)
(3)消費税の増税(43.6%)
(4)原材料コスト増大(29.3%)
(5)業界構造変化(28.2%)

1位の「人材不足」は、平成22年の調査開始以来、過去最高となりました。また、昨年の人員確保は「例年より難しかった」との回答が半数を超え、本年の取組対策について尋ねた結果も、「従業員の新規採用」が前年比3.8ポイント増となっています。人材不足はまだまだ続きそうです。

◆強化している採用施策
本年の新卒採用については、4社に1社が実施を検討しており、年々増加傾向にありますが、実際に確保できた企業は約半数に留まりました。こうした中で中小企業が強化している採用施策は次のように「即戦力確保」の意向が目立ちます。
(1)中途採用(33.4%)(2)大卒採用(21.4%)(3)高卒採用(15.1%)(4)女性採用(13.4%)

◆平成27年に取り組みたいこと
昨年と比較して増加傾向にある本年の取り組みとしては、(1)新規事業への進出 (2)従業員の教育、育成 (3)従業員の新規採用 (4)従業員満足度の向上 (5)女性の活躍推進 などですが、労働環境や法制度の変更が今後も予定されていますので、情報を収集しながら課題に取り組んでいきたいものです。

IV 主婦の「パート探し」に関する 調査結果 から◆6割以上が「パートをしている方が幸せ」と回答
働いていない全国の主婦200人を対象に、(株)インテリジェンスの求人情報サービス「an」が調査した結果、「専業主婦とパート主婦、どちらが幸せか」という質問に対し、61% が「パートの方が幸せ」と回答しました。理由は「家にこもりきりにならないし自分のお金ができるから」、「社会とつながっていた方が、視野が広がる」などでした。

◆パート先を決めるときの後押しになる要因は?
決める際のポイントは、(1)「急な欠勤OK」(60%)、(2)「職場に主婦のスタッフが多い」(19%)、(3)「従業員割引がある」(17%)という結果でした。子供の発熱など急な用事への対応が必要なため、柔軟に対応してくれる会社を求めている実情がみえます。

◆パート探しは 「WEBの求人サイト」と「求人誌」
パート探し方は、(1)「WEBの求人サイト」(34%)、(2)「求人誌」(28%)、(3)「ハローワーク」(19%)、(4)「お店の張り紙」(11%)となっています。スマートフォン等を使って手軽にWEBサイトを利用して小まめにチェックする主婦が多いようです。

◆主婦層のニーズに対応することも重要に
現在、人手不足感が高まっています。パートの賃金額も上昇しており、資金面の余力のない企業では、賃金だけで人材を集めるのは非常に難しい状況です。フレキシブルな勤務対応を行うことで、人材確保の一役を担うことができるかもしれません。

V スポット情報●零細企業の倒産が大幅減!23年ぶりの低水準(H27/3/23)
2月時点の零細企業の倒産件数が6,142件にとどまり、平成26年度は7,000件を下回る低水準であることが、東京商工リサーチの調査でわかった。平成3年度以来23年ぶりの低水準。ただし全倒産件数に占める割合は、調査開始以来最高の70%台に達する見込み。

●解雇・雇止めが年間47万人、平成14年以降で最少(H27/3/22)
総務省「労働力調査」の結果、平成26年の完全失業者のうち、解雇や雇止めなどで仕事を辞めた人が47万人(前年比14万人減)となり、平成14年以降で最も少ないことがわかった。倒産企業の減少、新たな人材を雇うのが困難といった事情が影響したと見られる。

●労働者派遣法 改正案 を国会に提出(H27/3/13)
政府は「改正案」を閣議決定し国会に提出した。派遣社員の受入期間は、現在最長3年だが、改正案では3年ごとに働き手を代えれば引き続き受け入れが可能となる。期間終了後も、派遣社員が働き続けられよう企業に義務付け、「専門26業務」は期限の制限を除外する特例も廃止する予定。9月の施行を目指す。

●転職者が290万人、5年ぶりの高水準に(H27/3/13)
総務省「労働力調査」の結果、平成26年の転職者は290万人(前年比4万人増)で、4年連続の増加。平成21年(320万人)以来の高い水準。企業の求人が増え、女性を中心に、より良い賃金や雇用形態の仕事を求める人が増えたこと等が要因と分析されている。

●厚生年金未加入の疑いがある中小企業は80万社(H27/2/23)
厚生労働省が国税庁からの情報提供を受けた調査によると、中小零細企業のうち約80万社が厚生年金加入をしていないことがわかった。本年4月以降、3年間かけて強制加入へ向けて指導・検査に乗り出し、立入り検査も実施したうえで加入させる方針。

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